桜流し
流れゆく季節の中で
散っていった幾億の花
失われたものは数知れず
気付いてさえもらえない
永遠は夢の話
命はいつか終わりを告げる
無常を唄う世界の中に
それでも変わらないものがあった
揺るぎない心 譲れない想い
信じ続ける 大切なもの
澄んだ瞳に 儚く強く
宿されたのは
確かな信念 吹雪く薄紅
惜春の水面に
舞い降りた花弁 重ねた心は
どこへ流れ着くのでしょう
悠久の時を経て 人の数だけ想いは巡る
かけがえのなき命の灯火
限りあるものと知りながら
すべて受け入れ 刹那を刻む
終わりがくるまで唄う心臓
分かち合えない痛み
負った傷 悲しく美しい孤独
その先に出逢えたものは きっと何より大切な
春は深まり夢と散る
駆け抜けた日々 残されたものは
確かにあった ただ1つ
譲れない確固たる想い
叶えられなかった夢物語
泡沫の日々は終わりを告げた
無慈悲を憂う世界の中に
それでも見つけた温もりがあった
揺るぎない心 譲れない想い
守り続ける 大切なもの
真摯な瞳に 凛と灯る
消えないでいるのは
確かな傷痕 掬うは花筏
淡く白く雪の如く
舞い降りた花弁 重ねた痛みは
いつも いつまでも傍に
刻みゆく時を慈しみ 人の数だけ涙は流れ
消えても変わらぬ命の灯火
己の弱さを知りながら
嘆く心で 刹那を彩る
諦めきれずに奏でる鼓動
自分自身だけの信念
痛みに触れてくれた手が ひどく優しく温かい
在りのまま許してくれたものは 確かに何より大切な
移ろいゆくもの
忘れてしまったもの
変えられないもの
形にできないもの
隠してきたはずの見つけてくれた傷
全て生きてきた証
似ていて異なる無数に埋もれ
散り行く花の流れゆく姿
ひとひらひとひらの美しさ
個々に評価されることのない
幾千、幾万、幾億分の一
受け入れる運命
潔く貴く
その心の本当は
春の終わりに溶けるように
舞い降りた花弁 重ねる心は
教えてもらえた痛みとともに
逆らうことなく流れゆく 儚きまま
微かでも消えぬ命の灯火
取るに足らなくかけがえのない
確かに紡いだ 刹那の残滓
続いてしまうは哀しき呼吸
支えてくれるは 優しい残り香
守れずに失っていった数々と
その残像は 自分には何より大切で
どうかその流れ着く先に
優しい色が溢れていますように