愛犬 ラリー
アル依存のことを書こうとしたけれど犬の話をすることにした。
あたしが小学生の頃に友達から譲り受けた小さい犬。
一つ上の姉と四つ下の弟と名前を決めようと相談した。
姉が語尾は「リー」が良いと云った。
可愛いと思った。
横で聞いていた祖母が「メリーはどうや」と助言を呉れた。
羊じゃん。
あたしら子供たちは「うん」て云って黙るしかなかった。
お姉ちゃんの発案で可愛い犬は「ラリー」と名付けられた。
ネーミングとしてはどうかと思うけれど、犬はラリーになった。
ラリーを散歩に連れて行かなければならないのは、当然あたしなんだけれども、愚鈍で怠け者のあたしはそれをしなかった。
繋ぎっぱなし
ラリーは不満だったろう(当たり前だけど)度々脱走を試みた。
鎖をちぎって、他所の犬に噛みつきに行った。
耳をピンクに染めているトイプーに。
飼い主様から「戦争より怖かった」と言葉をいただいた。
それあそうだ。申し訳なかった。
ラリーはその後も脱走した
夜飯のねこまんまを持って行ったけどラリーがいない。
「ラリー」って呼んだ叫んだ耳をピンクに染めたトイプーが死なないように。
結果
ラリーがあたしの方に走ってきた
あたしは噛み殺されると思った
だって散歩もさせずにつなぎっぱだったから
でも
ラリーはあたしを抱きしめてくれた
感覚だけど楽しそうだった
ラリー、今どこにいる?