化石になれない僕たちは
コーヒーで溶かしきれなかった三温糖の上、甘くて厄介な奴らが身体中をザラザラと包み込んでゆく。漂流者のうちの一人である彼女は、無人島にもってゆくものを聞かれた際にいつもロビンソン漂流記と諷喩する。彼女のその言葉の意味に気づいたものは一人もいない。もう一人の彼は引用句をよく好む。「漂流していれば孤独でないと思う事ができる」そう言う彼の横に彼女は"ALLIY TOTAL BRAM BRAM"と指でなぞる。この二人には名前はない。ないと断言してしまえば、それは嘘になってしまうが適切な