2020シーズン振り返りと2021シーズンのこれから。
2020年は新型コロナウイルスによるリーグ中断から無観客での再開、その後も入場制限による厳戒態勢下での運営を余儀なくされた異例のシーズンになりました。
2019年の振り返りをした時に2020年のことを色々と記載したけど、やろうとしていたことの半分くらいはできず、そこに記載の無い新しいことに2020年は多く取り組むことになりました。
突如暗闇の中に放り込まれ、世界中が見えない敵と戦い混乱していた2020年、プロサッカークラブ・選手はサッカーができない状況に陥った時にこの世界に何ができるのか?何をすべきなのか?自分たちの存在価値を問う1年になりました。
医療従事者の方、外出自粛に耐え我慢をしてきた方、みんなの努力でサッカーがスタジアムに戻ってきました。今年1年、制限の多い中でもルールを守って観戦に努めてくれた皆さん、ご不便をおかけすることも多かった中で力強いサポートをしていただき本当にありがとうございました。
年の瀬なので今年の振り返りを。
準備して迎えたJ1
選手たちも言ってる13年前との違い。トップチームはTOP10の目標を掲げて主導権を握るポゼッションサッカーに取り組み、J1で戦う準備をしっかりして、やれるという実感を持ってシーズンに臨みました。
事業部側もJ1で戦うための準備を進めてきて、年間を通したスタジアム内外のイベントカレンダー、スタジアムの装飾や飲食ラッピングの計画など2019シーズンに発見した改善ポイントを形にし準備をしてきました。
サポーターのみなさんにはシーズンが始まる前に3つのお願いをさせてもらいました。色々と賛否両論はあったけどオンラインでのコミュニケーションが急増した今の時代に合った効果的な取り組みでした。
そして2月23日のリーグ開幕からわずか1日、新型コロナウイルスによりJリーグの中断を発表。
暗闇の4ヶ月
Jリーグが中断し、サッカーができない。しかも人と人とのふれあいが悪という状況で、多くの人と体験を共有することで価値を見出してきたスポーツにとって、身動きが取れない状況になりました。
そんな状況になってまず頭の中によぎった感情は「サッカーが無いと自分たちは社会に何の価値も生み出せないのか。」ということ。
企業活動の原点は、稼ぐこと。その稼いだお金を使って新しいサービスを生み提供し、経済を回すことで社会に貢献するとした時に、この期間は自分たちの仕事が社会の役に立てていないという虚無感と焦りを感じていました。
そのときの感情がこんな感じ↓↓
世界中に自粛ムードが漂う中、自分たちの存在意義を問い何ができるかを考えた結果、まず最初にフリ丸と横浜の街を散歩しました。
この投稿された写真を見た瞬間に自分たちが社会や地域に貢献できることの一つとして、クラブが街に出ることで少しでも客足が遠のく飲食店へ意識が向くきっかけになって、そこから自然発生的な来店施策になるのではと考えて #フリさんぽ という企画をしました。
この時はまだ、各店舗が時短営業をしつつテイクアウトに力を入れ始めた頃だったと思います。この後に緊急事態宣言が発出されて、結局映像の一部はお蔵入りに。
自粛中は、選手もインスタライブなどSNSを使って多くの発信をしてくれました。noteやYoutubeで発信する選手も増え、これまではメディアに取り上げられるコンテンツホルダーだったプロサッカー選手やクラブから、発信するインフルエンサーとしてのプロサッカー選手やクラブとして、あり方も変化を迎えたタイミングだと思います。
数時間におよぶ事業MTG
リーグ戦が開催できない中で経営危機に立ち向かわなければいけない。世界を見渡すと選手や社長が給料を返納しスタッフの雇用を守ろうとするような事態も起きていました。
この先の経営危機が想定される中で、事業部側としてはノンフットボールの領域で自分たちに何ができるかを数時間かけて考え、第4の収益の柱となるような新しいアイディアはないかスタッフで意見交換をしました。
この時に出てきたいくつものアイディアの中で、2021年、2022年に花開くと信じて、時間をかけて進めているものもいくつかあります。
嫌でも進むデジタルシフト
外出自粛でzoomを使ったオンラインでの会議が当たり前になり、社内外のコミュニケーションもchatworkやslackを使ってやり取りをするようになりました。
自粛期間中にInstagramやYoutubeを活用したオンライン配信、ギフティング、クラウドファンディング、リモート応援、その他イベントやサービスの申し込みなど様々な体験が半ば強制的にデジタルシフトしていきました。
コロナ禍に実施した様々な施策は↓↓
Jリーグ再開からシーズン終了まで
緊急事態宣言が解除され、7月にJリーグが再開しました。
無観客試合(リモートマッチ)からのスタートとなり、クラブからはサポーターへのメッセージ「ALWAYS WITH FANS」、サポーターから選手への応援メッセージとして「未来応援レター」「スタジアムビジョンで応援チャントを放映」し、離れていながらいかに想いを届けるかという観点での企画を考えました。
様々な想いが交錯する中で、日常を取り戻すためにいち早く再開というチャレンジに踏み切ったJリーグ。膨大な量の感染症対応ガイドライン(プロトコル)も策定されて、厳しいルールが設定された上でスタジアムにファン・サポーターを受け入れても良いということになりました。
今年1年何とか無事にシーズンは終了できたけど、不安を抱えながら再開したJリーグも、そのうちに開催できていることが当たり前の感覚になります。
どういった経緯でここまで辿り着いたか、なぜルールをここまで徹底する必要があるのか、それはJリーグが再開前とシーズン終了時に公開した2つの動画にすべてが詰まっていると思います。
今シーズンと来シーズンはこれをいかにサッカー観戦に訪れるファン・サポーターが理解し遵守するか、安全が脅かされた時に明確な措置をリーグとしても打ち出せるかは一つの課題になると思います。
浮き彫りになった課題
2020年は中断期間によるクラブの想起率の減少、物理的なコミュニケーションの制限、再開後も続く感染リスクやアルコール販売禁止、応援禁止などの様々な制限下で、ある意味クラブが持つファンベースの実力値が明らかになったシーズンでした。
逆に言えば招待施策を投じて満員のスタジアムを創っている状態よりも、チケット購入者による売上を一定量確保し見通しが立てられたという意味ではポジティブな検証ができたシーズンだったのかなと思います。
■ファンベースの少なさが明らかになった。50%収容でもチケットが売り切れない現実。
■これまでフットボールコンテンツ(選手)に依存しきっていたため既存ファンの満足度の維持が困難に。(選手稼働の制限)
■新規層を獲得した後の、リピートするきっかけとなるスタジアムのエンタメコンテンツの必要性。
(イベントだけじゃなく、チケット企画やギブアウェイ施策も含む)
面白いサッカーで魅せる、勝利するということは大前提として、ノンフットボールでの繋がりを地域社会やファン・サポーターと強めることが来年以降生き延びるためのキーポイントになると思います。
2021年のこれから
2021年は自分自身の担当領域もさらに広がるので、事業側だけでなく強化側とも連携して横浜FCをより魅力的に伝えていけるようにしたい。
以下は特に社内で決まっている訳では無いので、全て実現できるかは分かりませんがw個人的に必要でやっていきたいと考えていることw
■トップチーム、選手のブランディング
→選手の情報を正しく出すこと、かっこいいプロサッカー選手というブランドイメージは大切にしつつ、より応援してもらうための親しみやすさもいかに出せるか。
■フットボールコンテンツの充実
→選手に関するコメントや練習での様子などの情報発信をより増やすこと。
■ホームタウンやスタジアムにおいての事業部スタッフの稼働率のアップ
→裏方の事業部スタッフだけど、自分たちの仕事がトップチームの勝利に繋がるという意識で仕事すること。サポーターとのコミュニケーションで一番向き合うのはスタッフなので裏方意識ではなく一つのクラブのコンテンツとしての意識を持つ。
■マスコットの稼働
→過密日程でのコンディション調整や感染リスクといった点で選手とのふれあいは2021年も引き続きハードルがあると思います。そこで稼働回数を担保する意味でクラブの顔になれるのはマスコット。
フリ丸のファンをいかに増やせるかということも重要課題になります。
■ノンフットボールコンテンツでの繋がりを強めること
→日常に横浜FCを感じられるようなアクティベーション(日常生活や街に横浜FCを増やす)
■実体験が制限される中での、動画クリエイティブでの挑戦
→リアルな体験はまだまだ制限される中で、伝えるツールとして動画クリエイティブでエモーショナルな発信をしてファンエンゲージメントを保つ。
振り返ってみると色々あった2020年、激動だったけどあまり細かく思い出そうとしてもコロナで括られがちな2020年、大変なシーズンだったけど今年も1年ありがとうございました。
来年はより多くの方とスタジアムで出会い、会話し、試合に勝利してみんなで笑ってハイタッチできると嬉しいです。
2021年もよろしくお願いいたします。
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よろしくお願いします🙇♂️