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海外強豪チームアカデミーの試合までの週間スケジュール〜戦術的ピリオダイゼーション〜
ご覧いただきありがとうございます。
今回は私が以前海外のある強豪サッカーチームに研修で2週間程度帯同し、見学させてもらった時のことを伝えたいと思います。何かの参考になれば嬉しいです。有料設定にしていますが記事は全て公開しています。もし良いなと思ったらサポートいただければと思います。
①アカデミーの形態
私が帯同したチームは完全に全寮制でU13ーU18の選手たちが同じ施設内で生活していました。また学校のようなキャンパスも施設内にありました。今回はU18のカテゴリーの大まかな週間スケジュールを紹介したい思います。
【週間スケジュール】Game=日曜日の場合
まず週間スケジュールとしては朝食の前に0限目のような授業があります。
若干午後の授業よりは短めの時間だったように思います。
その後朝食。朝食などの食事は全てバイキング形式になっていました。食事も栄養のバランスが取れているメニューでした。
印象的なのは必ず各カテゴリーのチームメイトたち20名ほどが必ず同じテーブルで食事をしていたことです。コーチたちもその近くできた選手とハイタッチするなどしてから食事をしていました。おそらくこういったところからも団結力を高める狙いもあるのだと思います。ちょっとやんちゃそうな選手は朝はヨーグルトしか食べてなかったりもしましたね(笑)あとはたまにコーチたちが激論を交わしていたりもしました。その日はちょっと険悪な雰囲気でしたが次の日にはけろっと仲良く談笑していたのでそこもやはり海外の文化かと感じました(笑)
前提としての戦術的ピリオダイゼーション
まず前提として週間スケジュールは戦術的ピリオダイゼーションに基づいたものだと思われます。上の記事がとてもわかりやすいと思いますのでぜひご覧ください。こちらはまた別の機会に紹介したいと思います。
<月曜日>
先週末の試合も日曜日だったので、月曜日の午前はリカバリーTRで軽くジョギングやジムで軽くバイクを漕いで汗を流すような練習でした。
フィジカルのことだけ考えると試合の次の日は多少低負荷のトレーニングを行なった方が良いとのことですがモウリーニョなどは試合の翌日は頭の疲労も考えてオフにしていたようです。
<火曜日>
この日もオフ明けということで午前は練習の代わりに授業、午後もリカバリー要素が強く強度としてはそんなに高くないメニューでした。
戦術的ピリオダイゼーションの観点から見ても、オフ明けの練習はなるべく強度も高くなく、頭の負荷も小さいシンプルなメニューが良いのかと思います。
<水曜日>
水曜日はおそらく週の中で一番高負荷のメニューの日であったとも思います。
といっても水曜日、木曜日の午前練習は90分ちょうどで終わっていました。午前のメニューはゲームまでやらずにポジション別練習やテーマを絞った練習、ポゼッション練習までで終わっていました。
午後は90分から120分くらいでした。ただ私の滞在期間の中でも120分までやっていたのは1,2回のみでした。
そして水曜日になるとこの週のテーマのようなものが見えてきます。この週はクロスに対する守備の対応がテーマの練習でした。そしてこれがテーマの練習は金曜日まで続きます。
<木曜日>
木曜日は水曜日に引き続き2部練習でした。
午前は前日に引き続きテーマ別の短めの練習でしたが、午後ははハーフコートでの10vs10のゲームの時間が長めに取られていました。
<金曜日>
金曜日は試合2日前ということで、練習序盤にスプリント系のフィジカルTRが行われていました。これも戦術的ピリオダイゼーションの考えに基づくメニューだと思います。
後半は前日と同じようにクロスの守備対応、ゲームを行なっていました。最後にはポジション別でシュートTR、DFはクロスのクリアからラインアップのTRを行なっていました。メニュー自体はそこまで目新しいものではなかったですが、前日と全く同じメニューはなく、工夫がされているのが感じられました。
<土曜日>
試合前日なので調整メニューでした。軽いウォーミングアップからロンドやパス、ポゼッションを短時間で行い、最後は個別のTRでした。FKの練習している選手もいました。
<日曜日=試合当日>
試合当日も基本的には試合時間が午後のTRと同じ時間なので食事の時間等は変わらず、でした。
午後には施設内のミーティングルームに集合していたのでミーティングをしていたのだと思います。(ここだけ別の用事で見れず)
そして夕方からの試合に臨むという流れでした。
【1週間のサイクルを見た感想】
まずはTRからその週のテーマがしっかり感じ取れること=選手にも伝わるということだと思いました。そしてしっかりと各曜日の体力的負荷や、戦術的負荷を計算した戦術的ピリオダイゼーションを用いて試合に向けてのコンディション管理、ゲームモデルの浸透を図っていることが伺えました。また、練習は常にドローンやビデオで撮影されており練習後すぐにPCで映像のフィードバックを受けている選手も見かけるなど、テクノロジーの活用も素晴らしいと思いました。
私自身もこの時までに戦術的ピリオダイゼーションの知識や次ゲームのプランニングからゲームモデルや改善点などをどう落とし込んでいくかというメソッドを実行できていたかというと大いに反省するべき点がありこの研修以降、このサイクルを参考にTRを組み立てています。
また日本の教育においてもJFAアカデミーのような競技に特化した教育施設がもっとあっても良いと思いました。バルサのカンテラなどもしかりアカデミー自体が学校でもありトレーニングの場でもあること、そしてそれが切り離されずに同じ施設内で一貫した教育を受けられることはとても素晴らしいとも思います。
ご拝読ありがとうございました。少しでも参考になれば嬉しいです。
<余談>
アカデミーの授業も少し見ましたが中には日本の学校と同じようにうとうとしてる子もいて、それは世界共通かな、と思いました(笑)
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