【対談レポ】村上隆の対談を聞いたよ
1.村上隆対談、なぜ見に行ったか
場所は国立国際美術館。8月20日。14:00〜15:50ごろまで(予定時間20分オーバー)。村上隆さんと篠原資明さんの対談。
もともと村上隆についての知識はそんなにない。出会いはゆずのアートワークだったと思う。その後2019年の大阪文化館(海遊館の隣)でドラえもん展を見たときに大きな作品を見たくらい。あとはやばい立体作品を作ってることくらいしか知らなかった。
大学を卒業して、国立国際美術館に作品を見に行くことが増えた。(今思えば芸大生のときにもっと美術館に見に行くべきだった。)国立国際美術館が現代アートを取り扱っているからか、現代アートを目にする機会が増え、同時に今のアートが面白いと思うようになった。
そんな中、14歳の中学生から「村上隆、来年京都で個展するらしい」「海外のラッパーに人気があるらしい」などの情報を聞き、動画を見せてもらった。
そして国立国際美術館が村上隆の作品をコレクションに追加した、コレクション展に展示する、といった情報を見かけて、来年京都個展をするならば、ここで先に国立国際美術館の作品を見て、彼や彼の作品に対する理解を深めるために対談を聞きに行こうと思った。
対談を聞きに行くに当たって最大の敵は早起きだったがなんとかクリア。
10時から整理券配布、先着100名ということだったが、10時ぴったりに到着した私は整理番号69番。ちゃんと起きれて良かった。
2.対談メモ。覚えてることをちょっとだけ
たくさんの話の中で覚えていることをメモしておく。
①【篠原さん】20世紀のアートはキャラクターを作るアート。ジョルジョ・デ・キリコもマネキンのようなキャラクターがいくつもの作品に登場する。
森村泰昌は美術史から作品を作っているが自身をキャラクターとしている。ヤノベケンジはサブカルチャーからキャラクターを作っている。
村上隆は美術史とサブカルチャーどちらも参考にしている。
②【村上さん】宮崎駿の下で働こうと思ったが、アニメの絵が描けなかったので背景を描こうと思った。
箔がつくと思い東京藝大の日本画科へ。そこで現代美術の面白さに気づいた。
③【村上さん】宮崎駿の最新作『君たちはどう生きるか』について。
この作品は映画監督として評価された宮崎駿の絵描きとしての作品。宮崎駿の伝えたい話が理解できない人が戸惑っている。だからネットでは良くない評価が多い。それは見に行く人が作品は快適なものだと思っているから。
庵野秀明の『シン〜』のような作品は難しいことは言っていない。けどドキドキする。他のアニメーターは説明してる。宮崎駿は『君たちは〜』で説明していない。
読み取ることができない人がいろいろ言っているだけ。宮崎駿はアニメーションと思って作っているのではなく、むしろミュージカルに近い(オフィーリアのような)。
④【篠原さん】子ども時代の楽しい思い出。それがつながっている。1つの作品。カラフル。幸福感。
⑤【篠原さん】荒川修作の話。養老天命反天地はケガ人続出。苦情がかなり出たがそれに対して荒川秀作は「城を作るときに何人死んだと思ってるんだ」と返答。
⑥【村上さん】荒川修作の対談を見たときに52次元の話をしていた。話を聞くこと、概念が変わるとき、イマジネーションが生まれる。
⑦【村上さん】ボナールが油絵ベーシックだと気づいた。
⑧【村上さん】今までの作品のスライドを見ながら本人から解説。ランドセルの作品では革を求めて社会の裏側を見た話。
違法なカバの革や、アザラシ、サメの革で作ったランドセル。パンダの革は手に入らなかった。鞣すことを仕事にしている人についてちょっとだけ触れる。
藝大で作品を展示したときに作品をポカリスエットで満たそうと思ったが、漏れてしまって下の階に大きなシミを作り怒られた話。
国立国際美術館に飾っている作品のシリーズの1作目の話。参考にした絵巻物の話や、作品がフラットではなく気に入っていないがMoMAに売れたので飾られているということ。
⑨【村上さん】あることを理解していると、よりその作品が楽しめる。それは“芸術をみるマナー”。芸術は金のかからない「人間」や「社会」のグレードをあげる方法。
⑩【村上さん】今15歳の子が30歳になったとき、すべてのアートがひっくり返る可能性がある。
3.終わりに
ざっとこんな感じかなと思う。
対談は有名なアーティストの名前がちょこちょこ出てきたり、ちょっとだけ美術を勉強してる私としてはとても面白い話ばかりだった。
村上隆さんについて知っていくきっかけになったし、来年の京都市京セラ美術館の個展もぜひ見に行きたい。国立国際美術館の展示ももう一度見たいなぁ。
対談を聞いて、ものすごく絵を描きたくなった。さぁ、絵を描こうかな。とりあえずまずはまだ見ていない『君たちはどう生きるか』を見に行こうか。