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【好きな作品について】私の鑑賞、はじめの1枚。

こんにちは。のんです。

今日は私が好きな作品について、またそもそも美術の作品を見るようになったきっかけを話できたら良いなと思っています。

私は高校はデザイン系の学校でプロダクトデザインを、大学は神戸の芸大で木工をメインに勉強していました。

高校ではデザイン史を少し、大学では日本美術史を少し勉強しましたが(大学の美術史はほとんどサボってたかも、今思えばめっちゃもったいない……)、西洋美術史については習っていないし、日本美術部などの習ったものもほとんど何も覚えていません。

西洋美術をはじめて本当に勉強したのは、大学卒業後。美術の教職に就きたい人のために教授が開いてくれた、大学の卒業生を集めたゼミでした。集めた、と言っても小さな大学、小さな学科、しかもその中の教職のために勉強したい人向けのゼミなんて超超超小規模です。多分5人くらいだったんじゃないかなぁ。

とにかく、1年をかけて何日か集まって西洋美術史を勉強するということで参加しました。


このゼミの勉強方法は、まず第一回目の集まりで、担当の時代を決めます。

ルネサンスとか、新古典主義とか、1人1人が1つの時代を担当し、次の回から担当のゼミ生が授業をします。みんな自分の担当の回までに担当の場所を勉強してきた、レジメを作り2時間の授業をするのです。

ゼミ生たちは生徒であり先生。教授は一緒に聞いていて、間違っているところは指摘してくれます。

第一回目の日。この授業制度を聞いて振り分けるとき、西洋美術を全く知らなく、授業をする自信がなかった私は、ただ単に「ページ数が少ない」というマイナスな理由で印象派を選んだことを覚えています。


これが私を印象派の、私と美術の出会いだったのじゃないかなぁ。

当時使っていたメイン教科書。
はじめて読んだ美術史の本。


このときの勉強。これがきっかけとなり、大学を卒業した後に美術館に行ったり美術の勉強をするようになったのです。

そんな印象派から学びのおもしろさに気づいた私は、やっぱり好きになる画家も印象派から始まりました。

なので、【好きな作品について】1作目はこれです。

印象・日の出/クロード・モネ

モネの『印象・日の出』。言わずもがな、印象派の象徴とも言える一作です。

第一回印象派展に出品された作品のひとつ。「印象、たしかにそうだ。そうにちがいない。この風景画にくらべたら、描きかけの壁紙の方がよほど完成されている」と評された。
絵についての批評家たちのこんな嘲笑の言葉が由来となって、印象派という呼び名が生まれた。

世界の美術館より

30代前半で描かれたこのモネの絵から悪口を言われたことをきっかけに自分たちのことを「印象派」と名乗り出したエピソードまで。とっても良いなぁと思うのです。

また若い画家たちが集まって一緒に作り上げた印象派。なんとなく自分の学生時代の思い出とかぶるところがあるなとすごく懐かしい気持ちになります。

芸術を学ぶ若者は、みんなどこに向かうかわからずに曖昧なまま進んでいくことが多い気がします。でもそんなときに支えになるのは、自分のことを信じる気持ちと、影響を与えてくれる友達です。

芸大で毎日作品を作っていたあの頃。学校の中でしていた飲み会やバーベキュー、夜にみんなでみた真っ暗な海。そんな若い時の創作を共にする友達との思い出が頭にながれてくるような。

私にとってモネのこの絵は大学の時の自分、未来が見えないけどなんとなく希望だけあったことを思い出させるのです。


作品はただ本で見るだけよりも、どんな時に見たか、誰と見たかなどによって意味が変わってくるものだと思います。だから人生が進むほど、いろんな人に会うほど、作品を見ることがおもしろくなるのです。

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