外国籍2人が欠けてもバグレベルの戦果を上げた千葉ジェッツのスモールボール戦術を整理していく【ワイ氏の戦術】
ワイ氏は、千葉VS川崎のスモールボール千葉が好きすぎて、戦術を整理していたんよ(4月上旬に執筆)。しかし、まとめているうちに怪我人が復帰してアライメントもアクションも変わっていってしまって、この記事を公開するタイミングを逸してしまったんよね。
このままお蔵入りさせようと思っていたが、なんかもったいないので公開していく。もしかしたら来シーズンも使うかもしれん。
○はじめに
超重要戦力の外国籍のクリスとムーニーが怪我で欠場し、「オワ!」だと思われた千葉ジェッツ。
しかし、絶望的だと思われた強豪川崎戦で”スモールボール”を駆使し、ちゃっかり2連勝してしまった。
その中で、千葉ジェッツはどのような戦術を見せていたのかをこの記事では整理していく。
BNTでは、「ビギナー勢でも楽しめる記事」をモットーにできるだけわかりやすくバスケの魅力を伝えていきたいと考えているが、スマン、この記事の内容はわかりづらいかもしれん。
読むのが大変な場合、😫「マージ終わってるんだけど!」マークが付いてるところだけでもOKや。😫「マージ終わってるんだけど!」がついてるところは頻出アクションだったり対戦相手が「キッツ!」ってなる戦術だから、そこを見るだけでも、試合を見たときに「あ!進研ゼミで見たやつだ!!」ってなれる。
🤖「スン・・・」マークが付いてるところはそんな大事じゃないから飛ばしていい。
わからんことがあったら、XのポストやDMで気軽に質問してくれ。「わからん」の声が多かったら、より簡単な説明ができるように検討を加速していく。
○基本的な汎用戦略というかフィロソフィー
千葉ジェッツのスモールボールの根っこには、次のような基本戦略があると思われる。
・攻守にわたって、スピードと運動量で圧倒する。
・高さではなく、スピードを活かせる場面を見つけて勝負する。
・高さで負ける場面では人数をかけてカバーする。
・高さで勝負をされないように先手を取って相手の動きをコントロールする。相手にプレッシャーをかけて選択肢を制限させる。
これらを実現するための具体的な戦術を紹介していく。
また戦術の紹介にあたって、簡単にイメージしやすいように、選手を下記のように想定する(第29節のスターター)。
1番(PG):富樫
2番(SG):内尾
3番(SF):原選手こと謎外(以下NG)
4番(PF):アイラ
5番(C):クックス
あと、作戦盤の見方をざっくりと説明する。
数字:選手、ポジションを表す(赤:千葉ジェッツ、青:対戦相手)
○で囲んでいる選手:ボールを持っている選手
実線:選手の動き
ジグザグ線:ドリブルの動き
破線:ボールの動き(パス)
Tみたいなやつ:スクリーンの動き
○オフェンス戦術
◇ファストブレイク
積極的に速攻を狙ってくる。(ただし、スタッツ上はファストブレイクの得点率が高いチームではない。)
千葉ジェッツの速攻の特徴として、次の2点がある。
・クックスがボールを持った時は、人数が不利でもフィニッシュまでもっていく。
・特定の誰かではなくチームとして、トランジションからのスリーを好んで打つ。
◇アライメント(初期の立ち位置)
😫【5アウト】
アライメント(初期の立ち位置)は5アウトを採用している。
これは、日本代表でもおなじみのアライメントで、1~5番の選手が全員スリーポイントラインの外側に位置する形になる。
上図のように、ゴール下のペイントエリアをがっぽり空けているので、そこへドライブやカッティングで飛び込んでいくことが第一の狙いとなる。ペイントエリアに侵入することができれば、ディフェンダーは長い距離を移動してヘルプに行かざるを得なくなり、スリーポイントラインの外側にいる味方の誰かがオープンになる。
その一方、ディフェンダー同士の距離が近いため、工夫無しではドライブで抜くことが難しいという面もある。
5アウトは、ズレを作るクリエイトが難しく、オープンを作るブレイクが容易な戦術とワイ氏は考えている。
それゆえ、千葉ジェッツのようなクリエイト能力が高いボールハンドラーがいるチームにとってはバチポコにハマる戦術とも言える。
【余談】
日本代表で「ペイントタッチが足りない」とか、「千葉のオフェンスの朝はドライブから始まる」とかワイ氏が言うのは、5アウトがペイントエリアに侵入することで相手を大きく崩すフォーメーションだからだ。
ドライブが多いときの千葉は強い。ドライブが得意なクックスとNGの加入で千葉の勝率が爆伸びしたのもその要因が大きい。
🤖【ホーンズセット(Aセット)】
たまにホーンズセットも使うが、これはあんまり重要じゃないので名前だけ紹介する。
千葉のホーンズは本質的には5アウトと一緒で、味変くらいの存在でしかないから覚えなくていい。
余談だが、千葉のスモールボールの4番、5番の立ち位置は普通のホーンズよりも高い(ゴールから遠い)。
連れのおなごに「千葉のホーンズは他のチームと違って高いんだよね~」って言えば、バスケ詳しいアピールができる。
◇エントリー
エントリーとはハーフコートオフェンスの始まりのきっかけとなるアクションである。エントリーの後に、クリエイト局面(後述)が始まる。
なお、スターパワーにより、エントリーだけでチャンスが生まれてフィニッシュまで持っていくこともある模様。
😫【ボール運び~エントリー】
千葉ジェッツのオフェンスのボール運び~エントリーは特徴的であり、強さの一端を担っている。
まず、誰がボールハンドラーをやるか決まっていない。スターターでいえば、富樫、NG、クックスの誰かがやる。
法則性はほぼ無い。「時間のコントロールをしたいときは富樫がハンドラーをやる」くらいだ。あと、ファウルゲームのときも富樫がボールを持つ。
<ボールハンドラー決まってないメリット・デメリット>
◎起点が増えるのでオフェンスのバリエーションが広がる。
◎エースPGがフェイスガードでボールを持てなくても影響が少ない。
◎エントリーに時間がかからないので24秒ショットクロックをたっぷり使える。
×バリエーションが多いので習得が難しい。
×ボールハンドラーが複数いないと成立しない。
😫【ドラッグスクリーン】
頻出&重要コンセプト
トランジションやボール運びの流れでボールスクリーンをかけるアクション。
「不意に」「高い位置で」オフェンスが始まるので、スピードを活かしたいチームにとってはうってつけのムーブ。コートを広く使ってピックアンドロールが始まるから、バグレベルの大きなスペースを作ることができる。
富樫がボールを運ぶときは、死ぬほどこれが飛んでくる。朝の「おはよう」くらい飛んでくる。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?