「人に会おうチャレンジ」
8月が終わった。
ひっそりと「人に会おうチャレンジ」を実施していたので、その結果をまとめてみる。
1.「人に会おうチャレンジ」とは
読んで字の如く、たくさん人に会おう!という試み。「たくさんの人に会う」ことが目的なので、制約も特に設けなかった。決めたのは以下の2点のみ。
期間 : 8/1〜8/31
対象 : 普段のコミュニティ(研究室とバイト先)の人以外
条件 : ご飯を食べる or 1時間以上話す
2.実施背景
背景、とか書いてはみたものの、そんな大仰なことはない。
大きく2つの背景がある。
①三つ星スラムで目にしたトピック
②タイミング
まず①について。
私は約1年間、プロ奢ラレヤーさんの三つ星スラムにいる。
あるとき、ふと目についたトピックが「とにかく人に会おう」だった。具体的なところは忘れてしまったが、「大学生のうちは交通費にお金をかけろ、旅行をしろ、すなわち人と会うことにコストを割け」みたいな話だった気がする。
そのトピックを見たころ、ちょうど私のコミュニティが変動しつつあった。
同棲までしていた恋人と別れ、研究室に所属し、それまで週5.6の頻度で出勤していたバイトを週1にした。
(↑元恋人との別れ話はこちらから。)
毎日毎日、ただ大学と家を往復する。
顔を合わせるのは、教授と当時M1の先輩、たまに同期、のみ。バイトをする間のほんの数時間だけ、3.4人の仲間と話す。
変わり映えしない……。
私、全然人と話してなくない???
全然友達と遊んでなくない???
まだ学部生なのに、こんな狭いコミュニティでいいの???
なんとなくそう思っていた。
そんなころに目にした「とにかく人に会おう」は、難しいことを考えずに人に会うためのちょうどいいきっかけだった。
次に、②タイミングについて。
2024年8月。
この月にチャレンジを実施することを決めたのには訳がある。
研究の関係で、8月のとある1週間、関東のK市に滞在してヒアリングを実施することが決まっていた。
そう、そもそも知らない人にたくさん会わなければいけない月だった。
正直これにかこつけた部分が大きい。
関東にいるなら東京方面も移動が容易だし、いつもなら躊躇うお誘いも、勢いで受けちゃいそう。
だったら、チャレンジしてみるほうが面白いよね。
こんな感じでこの試みをすることにした。
3.実施
3-1.結果
まずはさっさと結果から。
会った人数は18人!
我ながらとても頑張ったと思う。
ちなみに、共同研究先の企業の方や研究室メンバーとご飯に行った回数も入れるなら23人になる。
8月以外の月はほぼ友達とご飯を食べたり遊んだりしないことを考えると、これはすごい。と思う。
3-2.内訳
会った人の属性の内訳を下記に記す。
中学校の幼馴染 : 3人
高校の友達 : 2人
大学の先輩 : 2人
かみなで出会った方 : 10人
文通友達 : 1人
かみなについては、このnoteを書いているときに、顔と名前が一致し、かつ、どんなことを話したか思い出せる方をカウントさせていただいた。
突然1人で乗り込んできた小娘にも優しくしてくださった皆さま、その節はありがとうございました。刺激的な夜でした。
おまけで、共同研究先の方と研究室の友達もカウントすると、
共同研究先の方 : 2人
研究室の友達 : 3人
共同研究先の方に関しては、ヒアリングさせていただいた方と、以前から何度か食事に行っている方は省き、個人的に食事に行った方のみをカウントした。
(そこまで入れてしまうとイカサマレベルで人が増えてしまうため、趣旨から外れるのを避けた)
研究室の友達は、オタ活をしに弾丸で東京に行ったり、海に行ったりといつもとは確実に違うことをした人をカウントしてみた。
3-3.旧友とその小話
今回、「人に会おうチャレンジ」をやってみてよかった!と思ったのは、中高の友人と会うきっかけができたことだった。
さらっと書いたが、実は、中学校の幼馴染たちに会ったのは実に3年半ぶりだった。しかも最後に会ったのはコロナ禍の成人式。成人式が実施されたのが奇跡のような時代で、もちろん二次会もなかった。会ったとはいえ、たった20分程度だった。
成人式の前は、中学校の卒業式が最後になる。私たちがじっくり座って話すのは、ほぼ7年ぶりのことだった。
(どうでもいい注釈だが、私は一浪している。)
地元の花火を見て、家で缶ビールをあおる。
最近何してたの、テニス続けてるの、いまどこに住んでるの。
会わなかった期間が長すぎて話題は尽きず、夜中の3時まで飲み明かした。
また、高校の友達とも、高校の卒業式ぶりに再会した。しかも夜中のK市で、だ。
彼とは4年半ぶりに会ったが、何も変わっていなかった。
髪がド金髪になっていたことを除いて。
まぁ、私は私でシルバーアッシュになっていたのでお互い様だろう。
高校生のときと同じ会話のテンポのまま、「相変わらず仁は変やなぁ、変わらんなぁ」って言ってポテトをつまむ仕草が懐かしかった。
文句を言いながらも、ホテルの玄関まで迎えに来て、最後も見送りに来てくれた。
そういえば優しいやつだったと思い出した。顔は怖いけど。
3-4.初めましての人とその小話
関東滞在最終日のお昼、私は突然思い至った。
そうだ、かみなに行こう。
なんでかは分からない。私も私が分からないが、とにかくかみなに行こうと思った。
そしてその夜中、わたしは秋葉原に降り立った。かみなへはちょうど一年前、三つ星スラムの大学生限定の催しがあった際に訪れたことがあった。
そのときは、周りは大学生ばかりだったし、ある程度スラムで交流があった人もいたので、多少気が楽だった。
ただ今回は、知り合いはゼロだ。
知らない人とおしゃべりしたい!
純粋にその気持ちだけでドアを開けた。
Tさんが覚えていてくださってとても嬉しかった。
(お名前を出すのが良いのか分からないので伏せさせていただきます)
かみなは、記憶に違わずおもしろい空間だった。普通に生活していたらお会いできないような方と、いろいろなお話しした。
いつもなら、知り合いが1人もいないバーに乗り込んでいろんな人と話そうなんて、思いついても実行しないだろう。
でも、「人に会おうチャレンジだしな、、、」と思うと、重い腰が簡単にあがった。
初めましての人と話すときは、まずお互いの自己紹介から始まるのが醍醐味だと思う。
私はキャッチーな自己紹介ができるような人間ではないので、みなさんの自己紹介を楽しく聞きながら、悔しがっていた。
格段顔が良いわけでも、世界で一握りに入れるような特技があるわけでも、なんでもない、ただのオンナノコだった。
多少自分の研究の話や、これまでの散々な恋愛の話をしたが、ありきたりだったと思う。
今度かみなに行くときは、印象に残る自己紹介をすることが目標になった。
4.発見
4-1.友達を誘うハードルが下がった
私は地元があまり好きではない。
そのため、帰省も必要最低にしている。
必然的に地元の友達と会う機会は減るし、コロナ禍も相まって疎遠になってしまった友達が何人もいた。
でも、「人に会う」と決めたことで、どうしても会いたい友達をご飯に誘うことができた。
部活漬けでアクエリアスをがぶ飲みしていた私たちは、いつの間にかお酒を飲めるようになっていたし、日本海側生まれの私たちは太平洋側で会うことになった。
旧友と会ったことで、みんなに会わなかったこの数年は、私が本気で会おうとしてなかっただけかもしれないと思った。
心の片隅では、いま何してるかな、と考えることは度々あった。
でも今は、本人に直接連絡を取らずとも、Instagramや X(旧Twitter)で簡単に近況を知れてしまう。投稿やストーリーを見て、なんとなく知った気になってしまう。
「まあいいか」と、会わない方に流れていた。めちゃくちゃもったいないことをしていたと、今は思う。
本気で「会いたい」と思って友達に会うと、顔を見たとき、ちょっと泣きそうだった。
SNSで見るのとは違う、熱を持って動いている友達が愛しかった。
そして、今回の大きな収穫は、「また次回」のハードルが低くなったことだ。
7年会ってない友達と、半年前に会っている友達。どちらが心理的ハードルが低いかは明白で、今回頑張って会ってみてよかったと思う。
今度は数年なんて空けず、数ヶ月後に会いたい。
4-2.ちょうどいい気の抜き方がわかった
私って、思ったより人と会って話せるんだ。
これは、このチャレンジ全体を通して気付いたことだ。
私は人見知りだ。
一見するとそうは見えないらしく、「人見知りじゃないでしょ」と言われることが多いが、にこにこ話す心の中は大抵忙しなく、プチパニックになっている。
人と会うのも、話すのも、すごく好きだけど、なんというかHPがすり減るというか、MPのが近いか……?
とりあえず、何かが減る気がする。
初対面の人なら尚更、失礼がないか、次の話題何にするか、退屈してないか……と考えることが増えるのが常だった。
だから、私の中での「人に会う」は、それ自体が非常にハードルが高く、言ってしまえば疲れる行為に分類されていた。
しかし、今回、半強制的にいろんな人と会ったことで、力の抜き方や気の抜き方を知った。人と話すときに肩肘を張り続けなくても良いことに気が付いた。
たくさんの人に会うことが確定していると、毎回体力気力を全放出しているわけにいかない。必ず次に会う人用の対人HPが必要になる。
だから敢えて、自分の出力を落とすよう意識した。
そうすると、いつもより周りがよく見えた。
みんな、良い意味で私にそこまで興味がなく、各自の近況や共通の友人の話、自己紹介などをしてくれる。
なんか、無理に頑張んなくても、この場進んでくな〜
浅すぎる感想だが、純粋にそう思った。
HPだかMPだかの減りもいつもより少ない気がする。
少なくとも、「すり減る」ような感覚はあまりなかった。
もちろん、会った方々がすごく気を遣ってくださって話してくださった可能性もあるし、私が気付かないだけでご迷惑をかけていた可能性もある。むしろその可能性は大。
特にかみなでお会いした方々は、たくさん気遣ってくださっていたと思う。
本当にありがとうございます。
それでも、対人におけるちょうどいい気の抜き方が少しわかった気がした。
5.まとめ
「人に会おうチャレンジ」は、振り返ってみると楽しかった。
めっちゃ自己成長したな!とか、コミュニティ広がったな!とかは、正直何もない。
ただ少しだけ、人と会うのが楽しみになった。
またいつか、「人に会おうチャレンジ 第二弾」をやろうと思う。
楽しかった!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?