0731日記
暑い。
夏本番、太陽が本領発揮中だ。
爽やかな風でも吹けばいいけどそれもない。
でも雲はいいなと思う。
もくもくの、大きな入道雲。
あれを見ると、その下の嵐を想像する。生温い雨にもみくちゃにされるのはどんなに甘美だろう。
雨に濡れるのが好きだ。
友達が引っ越した。地元に戻るそうだ。
私たち大学4年生にしては、ちょっと早い気はするが、そういうこともあるだろう。
私の家と友達の家はとても近い。なんなら最寄りのバス停までの道すがらにある。
通るたびに、友達の部屋の辺りをぼんやりと見ていた。
特段意識していたわけではない。
でも、カーテンがなくなった窓を見て、思ったよりも気を付けて見ていたこと、自分が寂しがっていることを認識した。
私があげたケトルは、まだ使ってくれるのかな。
喉が渇く。
胃は固形物を求めているのに、私が口にするものは液体ばかり。
胃がキュルキュル言っているが、所詮自分の身体なので無視をする。
お腹が空いているわけではない。
祈ることをやめた。
-祈ることは待つことだ。待つと幸福が増えるんだ。
どうやら私はその宗派ではないらしかった。
人が祈ることができるのは、その後に来るであろう救いを信じることができるからだと私は思う。(もちろん個人の感想です)
それは救われたという感覚があって初めて持続するもので、何も返ってきやしない空虚に向かって『待つ』ことは難しかった。
信じることは期待することだ。
周りに、すべてに、期待をしすぎた気がする。
期待と結果に一喜一憂するような脆弱で愛らしい魂では、祈りに耐えなかった。
忘れたいことが増えた。
自分の汚いところが見えた。弱いところが見えた。
自分につく嘘が上手くなった。
苦しくないと信じ込めるようになった。
反対に、人につく嘘が下手になった。
許すことは受け止めることだ、と友達は言う。
私はたまに、許せなくなる。
なにを?
なにも。
蝉の声がする。