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[PRキャッシュ]戦略構築は面白いコンテンツ考案の足枷?
前回、戦略構築というか「課題明確化と方針策定」のお話しをさせていただきました。
要するにこれはコミュニケーションアクティビティを無数の候補から当てずっぽうで選ぶのではなく、合理的に選択の範囲を狭めていきましょうという話です。
が、この考え方に対して次のような反論があります。
「選択の範囲を狭めることで面白いコンテンツを生み出せる可能性が低くなるのではないか」
面白いコンテンツと目的
これに対するPRキャッシュの回答はこうです。
場合による。「面白いコンテンツを生み出す」が目的に含まれているのであれば可能性は高まる。
です。
回答は以上なのですが、もう少し深めましょう。
課題明確化と方針策定は、目的を意識し、与件に縛られた中で、目的を果たすための障壁を洗い出し、障壁除去を課題として明確化するというところに始まりますので、目的の中に「面白いコンテンツをつくる」が含まれているのであれば、当然それを阻む障壁を洗い出し、課題を明確化し、方針を策定せねばなりません。
ここにおいて、無数のアクティビティ候補は「面白いコンテンツ」を併せ持ったものに限られますので、これを生み出す作業はより容易になります。
「面白いコンテンツ」はたいてい勘違い
さて、では逆に問いたいのですが、「面白いコンテンツを生み出す」が目的に含まれていることってそんなに多いのでしょうか?
こと企業・団体・組織のパブリックリレーションズ=PRというのは事業活動ですので、「面白いコンテンツを生み出す」ことが目的の上位のほうに置かれることはあまり無いような気がします。
PRにおける上位のほうの目的といえば、たとえば
過大なリソースをかけずに恒常的に売上を安定させる
事業拡大アクションの際にそのアクションを支持するステークホルダーを増やす
組織や事業に対するネガティブイメージを払拭する
新たな商品を市場に定着させる
などがあると思いますが(最後のやつはもう一段低いところかもしれないなー)、これらいずれかが設定されたときに「面白いコンテンツを生み出す」という目的のほうが上位に置かれるシチュエーションはあまり想像できません。
にも関わらず冒頭のような反論が生まれるのは、コミュニケーション業界に面白いコンテンツ至上主義のような考え方がはびこっているからではないかと勘ぐってしまいます。
雑誌やウェブサイトで紹介される"優良事例"はその多くが「面白いコンテンツ」を伴うもので、かつその紹介において「どのような課題があり、どのように解決されたのか」はあまり強調されないことが多い印象です。
実務者が「面白いコンテンツ」こそ目的だと勘違いしてしまいやすい状況が生まれてしまっていると思います。
「面白いコンテンツ」など必要になったときに意識すれば良い
「面白いコンテンツ」は課題明確化と方針策定を繰り返すうちに、それが必要だと導き出された段階で意識すればよいのです。
「面白いコンテンツ」が作れないからといって課題明確化と方針策定を甘いものにするなどということはあってはなりません。