人生の有限性とルーチンワーク
先日も書いたが、最近Duolingoを継続している。毎日400xpという話だったが、ダイヤモンドリーグだとさすがにメンバーによってはリーグ陥落してしまうので、今では1000xpをこなす毎日だ。1000xpはだいたい30−40分くらいかかるが、メンバーによっては上位に食い込める。ダイヤモンドリーグのトーナメントにも最後まで残れたりする。
ポイントは、1000xpを達成したら潔くやめるということだ。人によっては、調子の良いときにはもっとやったり、気分が乗らないとやらなかったりという波があるが、極力そういった波を作らないようにしている。一番いいのが、朝の起き抜けの時間だ。いつもの起床時間の30分前に起きて、そこからベッドの中でDuolingoをやるのだ。これなら、めちゃくちゃ早起きして移動する予定などがない限り、確実にできる。
もうひとつルーティンが、この執筆だ。何度か書いているが、これは書き溜めることなく毎日書いている。だいたい夜に執筆するのだが、スケジュールを見て忙しそうであれば、朝に書いたりする。この記事は朝書いている。大分旅行中で、夜ゆっくり家族と過ごすには、まだ子どもたちが寝ている時間に終わらせておきたいという判断だ。
この執筆が毎日あるので、適度な緊張感がある。昨日は、空港の待ち時間にiPhoneで書いた。フライトの大分到着が21:00でそこからホテルに移動しているとそれなりに遅くなる。出発までの限られた時間に仕上げる締切効果で、それなりに集中できる。先日は、能のイベントの懇親会中にサクッと書いた。もともとお酒は飲まなくて大丈夫なのだが、執筆が残っているとまわりに流されずソフトドリンクでセーブできるようにもなった。執筆というルーチンがあるからこそだ。
この年になると、「いつ死ぬかわからないのに、そんなにコツコツやってどこを目指すのか」と言われかねないが、この年だからこそこうしたコツコツとやることの重要性を自覚する。若いときには無限に時間があると思っているから先延ばしできる。その時間の有限性を知るからこそ、コツコツやり、しかも時間的に抑制しながら続けるのだ。Duolingoも執筆も、どちらも30−40分の作業に留めるのは、時間の有限性に対する感性の違いなのだ。
逆に言えば、若いときには何も考えずにひとつのことに打ち込める。映画を映画館で年間100本、一日7本見るというようなことをやったのも、大学時代だった。それは時間が無限にあるという幻想があるからこそできる。矛盾するようだが、人生が有限だからこそ、無限にあると考えなければ到達できない場所があるのも事実だ。有限を知ると、もはや突出した場所にはたどり着けない。
ルーチンワークができるというのは、端的に、年を取った証拠でしかないのだ。
小山龍介
BMIA総合研究所 所長
日本ビジネスモデル学会 BMAジャーナル編集長
名古屋商科大学ビジネススクール 教授
京都芸術大学 非常勤講師
BMIAでは無料オンラインセミナーを実施しています。ぜひご参加ください。
ビジネスモデルの最先端を学ぶ「ビジネスモデル・オリンピア2025」。年に一度の学びの祭典です!
ここから先は
小山龍介のビジネスモデルノート
ビジネスモデルに関連する記事を中心に、毎日の考察を投稿しています。
よろしければサポートお願いいたします。いただいたサポートは協会の活動に使わせていただきます。