新卒一年目でBMIAを活用する
工藤瑠華
(BMIA認定ジュニアコンサルタント/株式会社NTTデータ)
NTTデータの工藤瑠華と申します。BMIAでの学びの活用ということでご説明させていただきたいと思います。弊社は昨年7月からBMIA法人会員で、私は新卒1年目で、コンサルティング部隊に所属しております。現在はスマートビルやスマートシティの案件を中心に従事しております。
NTTデータ内にはBMIA会員が40名、FORTHイノベーションメソッドの公認ファシリテーターが15名と多数在籍しておりまして、BMIAとのつながりが強い会社かなと思っております。
共通言語がコミュニケーションを促進する
私が所属している組織について簡単にご紹介します。法人コンサルティング&マーケティング事業部のエクスペリエンス統括部というところで、体験価値を主軸に、サービスデザインであったり共創プログラムの運営、また新規事業の実行支援まで包括的に提供しているような組織です。5チームで構成されていまして、私は真ん中のCLE、City Life Experienceというチームに所属しております。まちづくり案件を中心に、空間価値の創出などを行っているチームです。
NTTデータは二つの観点でBMIAの取り組みを活用しております。まず組織としては基礎講座を新規参画メンバーも含めて多数受講しておりまして、共通言語の醸成に取り組んでいます。またFORTHイノベーション・メソッド公認ファシリテーター養成講座も積極的に参加しています。このような取り組みで得た知識を各案件にそれぞれが持ち帰って活用していく、そういったサイクルを構築しております。
入社直後に受講した基礎講座の恩恵
ここからは、1年目社員の私が実際に活用できたなと思うことを等身大にお話しできればと思います。私が基礎講座(BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(基礎))を受講したのが新卒入社した直後で、あまりビジネスについて知識がない状態でした。ここで新規事業開発のプロセスを学べたことで、配属されてプロジェクトに参画したときに、ビジネスモデル・キャンバス(BMC)にそのプロジェクト内容を落とし込んでいくように使って、プロジェクトの全体像の理解をすごく深めることができました。
また他のフェーズではサービスアイデアを出す際に、フレームワークを活用できたなと思っております。これまでは自分が思いついたものを発散するにとどまっていたんですけれども、ビジネスモデル・キャンバス(BMC)、バリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)を使うことで、思いつきだけではないアイデアが生まれるようになったと思っています。
とくに、VPCを使ったことで三つぐらい良かったなと思うことがあります。まず一つ目が先ほど申し上げたように、サービスアイデアの着想を得るヒントになったということ。二つ目が、そのサービスアイデアが固まってきた段階でアイデアを再整理することで、価値がブラッシュアップできたこと。三つ目が、そのアイデアを他者に説明する際に、サービスの価値を端的に伝えられるので、根拠を説明しやすくなったということです。
一方で反省点としては、業務でフレームワークを使う機会がなかなか訪れなくて知識の定着が遅くなってしまったことです。こういった機会は自分からつくっていくものだと思うので、受講直後からもっと積極的に知識活用できればよかったなと思っております。
BMIA活用のメリットと今後の展望
入社1年目の私でも配属してすぐに基礎講座を受講させていただいたので、業務で経験がまだ全然ないなかでも、自分から手を動かすことができるようになりました。
ビジネスモデル・キャンバス(BMC)や、バリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)は、統括部やチームのなかで共通言語として使われているので、チームメンバーが目線を合わせてサービス検討を行えます。
いちばん大きいと感じているのが、ビジネスを構造的に捉えるという意識を日頃から持てるようになったこと。これがすごく学びや成長につながっていると感じています。
今後も、NTTデータとして、引き続きBMIAのイベント参加などを通じてフレームワークを浸透させ、各案件で活用していきたいと思います。FORTHイノベーションメソッドの公認ファシリテーターが多数在籍しているということもございますので、引き続き、新規事業創発を活発に行っていければと思っております。
Q&A
山本:はい、ありがとうございます。工藤さん、1年目??? ちょっとみなさん、びっくりしませんか。私は非常に驚いております。NTTデータさんには賛助会員登録していただいているということで、私たちも工藤さんの成長に関わっていると思うとうれしいです。日常的に「構造的にビジネスとか事業を捉えられる」これを実感できている1年目の社員って欲しくないですか。羨ましいですね。
質問が来てますよ。「なにがいちばん自分をここまで成長させたと思いますか」
工藤:初めてプロジェクトに参加したときに、けっこう複雑なビジネスモデルのプロジェクトだったので、自分がどこのフェーズに関わっているのかとかもあんまりよくわからず業務を進めている節がありました。基礎講座を受けたときに、全体を俯瞰して見たり、鳥の目、虫の目で見るっていうのもあったと思うんですけど、そうやって見ればいいんだなっていうのを感じて、実際にプロジェクトをフレームワークに当てはめていったときに、疑問点が明確になりました。大それたことではなくて、いまやってるプロジェクトを当てはめてみるなど、ビジネスモデル・キャンバス(BMC)を使うハードルを下げてから成長できているかなと感じています。
山本: 1年目のね、会社に入ったばっかりの立場として、だれにビジネスモデル・キャンバス(BMC)を知ってほしいですか。
工藤:私の同期でも全然違う分野とか事業部だと日々業務で忙しい、新規事業に興味があるけれど何もはじめられていないっていう人が多いので、そういう業務で忙しい人や何か勉強を始めてみたいと思っている人に知ってもらえたら、すごく楽になるかなと思ってます。
山本:社内の他の部署にも広がっていくといいですね。忙しいなかでも、週に一回くらいはちょっと時間つくって勉強会とか、工藤さんが教えてあげられそうですね。ありがとうございました。
Q&A聞き手 山本伸/写真 小山龍介/編集 片岡峰子