THE INNOVATION MAZEとは
グローバル化は、変化のスピードと、競争の激化を生み出しました。イノベーションと無縁でいられる組織はひとつもありません。
しかし、多くの企業では効率化の為に組織は設計され、社員の稼働管理も15分刻みで隣の同僚と話も出来ないような過剰管理、そして2020年のコロナ禍によりリモートワークが広がり創造的対話の機会は激減しました。
そんな風土や状況になってしまった企業で、
経営者は突然言ってきます。
「イノベーションだ!何か新しいビジネスを創れ!」
えっ?この分断されて、管理されて、効率化ばかりを強いてきたのに、歯車になる事を強いてきたのに、今度はイノベーションだって!?
自由な発想?奇抜なアイディア?ビジネスモデル?縦に横に分断された組織で、いろいろな部署に照会かけて、合意形成していかなきゃいけない。期限も決められる。どんでん返しもあるだろう・・・。
実際にイノベーションを起こそうとしても、立ちはだかる壁は大きく厚い。特に保守的な経営陣や上司管理職は最大の障壁です。大体、アイディアだっていいものが出せるか分かりません。ビジネスモデルだって?収益構造?固定費だ?変動費だ?自分は専門職だ、そんなこと知らないよ!
いやいや、大変な事です。
しかし、FORTH Innovation Methodの開発者Gijs Van Woulfenは言います。
「世界中で同じ問題が起こっている。だから解決できるんだよ。」と。
私も、半信半疑でした。私自身は七年間のNTT研究所での学びを元に特許発明、企業内起業し世界シェアトップの事業創出に成功しました。特許の有効期限の20年を超えましたが未だに世界シェアトップです。
しかし報酬は社内政治、嫉妬妬みからの左遷。ひどい誹謗中傷。組織の不条理さを思い知らされます。
その後、10年の潜伏を経てマーケティング不在の会社内にマーケティング部門を立ち上げ部門長に就任しました。
このように組織の力学を攻略した私でも大組織でイノベーションを起こす事はかなりの知力、体力、気力、運がないと成功しないと信じてきました。
大企業の経営幹部、50代後半の世代は、これからの競争社会は変化が激しく予想はつかない。厳しさを増すばかりだと分かっています。
残りのサラリーマン人生を大過なく過ごし、退職金をしっかりもらおう。逃げ切ろう。これが本音という人がかなり多い。残された世代はどうしましょう?管理偏重の風土の中で狭い業務範囲で、想像力や構想力など育んではいないのです。
そこに、イノベーションだって?
諦めないでください。メソッドが見つかったのです。
FORTH Innovation Methodのファシリテーター養成講座はまるで西遊記の旅でした。天竺で、ありがたい経典を受け取ったような体験です。
このありがたい教えをみなさんに展開してく事が私の新たな使命です。
FORTH Innovation Method。このメソッドが上手く行く理由はいくつもあります。
それは、
・大企業でイノベーションを進めていくことを前提に設計している事。
・上層部、中間層、技術、営業、いろいろな人達と共に、イノベーションを進めていくプロセスが組まれているからです。プロセス毎にテンプレートがある事。
・ダイナミックにディティールに物事が進み、後戻りが発生しません。
・ターゲットの困り事をしっかりと掴める事。
・社員から1000を超えるアイディアが創出され、それが12のコンセプトにまとまり、そしてMNBC(Mini New Business Case)になっていく事。
・産み出されたMNBCが上市、ローンチする率は、通常35.5%であるところ、このメソッドを使うと77%になる事が分かっています。
・3M、イケア、など、世界の大企業も導入を始めています。
・組織がイノベーティブになり、社員が考え、自ら創造的に行動するようになります。
・それは、まさに、私たちが望んでいた姿そのもののはずです。
・15週間で新しい未来が創造でき、組織が人が変わっていきます。
早速、NTTグループや自治体にFORTH Innovation Methodの紹介を始めました。イノベーションという言葉が入った組織おられる方も結構おられます。彼等の悩みは全部同じであり、このメソッドはその問題を解決できる事に魅力を感じてくれています。
しかし...しかしです。
FORTH INNOVATION METHODの前提条件は全社の命運をかけてイノベーションに挑む。経営幹部も一丸となって挑戦する。という風が吹いている事が条件です。
2020年の今、私たちの生活環境、職場環境は激変しています。リーマンショックは投資マネー、金融のレイヤーで生じましたが、コロナショックは人の移動、物の移動、お金の移動が止まり、近所の飲食店が廃業に追い込まれ、多くの中小企業の倒産、閉業、これから大企業にもその影響が出てきます。私たちは巨大な迷路に突入しました。
そんなタイミングで「THE INNOVATION MAZE」を出版する事ができます。
この「THE INNOVATION MAZE」は「FORTH Innovation Method」と兄弟関係にあります。
根本原理は同じです。FORTH Innovation Methodは会社全体で新規ビジネスや商品開発を進めるためのものです。
THE INNOVATION MAZEは事業部やチームという規模でのイノベーションを前提としており
FORTH Innovation Methodとの大きな違いは
イノベーションでやるべき事は10個
ただしその順番は
・アイデア起点
・顧客課題起点
・技術起点
・新ビジネス創出起点
でそれぞれ違う。という点です。
私が欲しかったのは、技術起点でのイノベーションの迷路の攻略法です。多くの技術開発系の会社はこの問題が解けないでいるのです!
私は2013年にビジネスモデルキャンバスと出会い、眼から鱗がいくつも落ち、バリュープロポジションで一気に視点が深まり、有頂天になった私はNTT横須賀研究所、NTT武蔵野研究所、NTT東日本、NTT docomo、にそのメソッドの伝道に走りました。
そこで気づくわけです。大きな組織でイノベーションを起こすにはツールも重要だが関係者を巻き込みながら前へ前へと進ませるプロセスが重要でそれがFORTH Innovation Methodです。
しかし、なかなか前提条件が整わない。特に団塊世代、ポスト団塊世代の経営者層は高度経済成長の中でキャリアを積んできたので、失敗しない事が重要。
思考性は、時代遅れな物売り志向、販売志向から脱却できておらず、性能や機能が良ければ売れる。作れば売れる。販路に流せば売れる。というマーケティング不在の世代です。
自主的自発的なイノベーターは極少で、仕方なく改革という改善をやってきたに過ぎない世代です。
ウイズコロナ、アフターコロナの激動の時代を乗り切るためには、失敗を避ける世代がまだ跋扈する大企業という動かぬ巨人を動かすより、もっと小さな組織で俊敏に動く手法、型が必要になります。
「型」がなければ道を模索しながらの消耗戦になります。それは止めて下さい。時間の無駄でしかない。「やってる感」に陶酔している余裕はありません。
THE INNOVATION MAZEは、あなたがこの激動激変の迷路にいても迷わず新しい世界を創っていく羅針盤になります。
あなたのイノベーションの旅が良き仲間とともにあり、希望で満ちていることを願っています。
2020年 秋
一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会 理事
三宅泰世
(本内容はTHE INNOVATION MAZE日本語版の監修者後書きから転載しています。)
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