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沖縄で! BMIA認定ビジネスモデル・コンサルタント養成講座(上級)開催しました

BMIA事務局長 片岡峰子

日程:2024年2月9日〜12日
会場:レフ沖縄アリーナbyベッセルホテルズ 
講師:小山龍介
受講者:草間隆人


BMIAの認定講座は、基礎、応用、上級と3ステップを踏む設計になっています。
基礎では、ビジネスモデル・キャンバス(BMC)と、バリュー・プロポジション・キャンバス(VPC)の正しい使い方に加え、コンサルタント視点でビジネスモデル(ビジネスの全体像)を把握し問題点を指摘するところまでをトレーニングします。

応用では、イノベーションの3つの目(鳥の目、虫の目、魚の目)をそれぞれ深堀りして、BMC、VPCなどのツールの使い方を徹底的に学んでいただきます。

今回、設立10年の節目に、満を持して「上級講座」の初開催がかないました!

沖縄で!

上級講座の開催地は、沖縄。なぜ沖縄なのか、これは基礎講座をご受講いただいた方には、「ははぁん」とおわかりいただけるかと思います。加えて「いつもと違う場所」であることに重要な意味があったのだ、と、実際に開催して実感しました。

受講いただいた草間隆人さんはこんなふうにおっしゃっています。

都会の喧騒から離れた沖縄の地だからこそ、「自分って何ができて、何をやりたかったんだろう?」を振り返ることができる、貴重な4日間でした!
今回の講座は、実際のテーマでコンサルされながら、さらに相手の課題をコンサルしながら、自分のコンサルスタイルを見直してもらう、という非常に刺激的な構成でした。しかも、現在進行形のリアルな題材を扱うため、うまくいっている点、なんとなく違う気がする点、うまくいっているように見えるが実はそうではない点といった、多岐にわたるフィードバックをその場で受け取ることができます。 これだけを見ると、とても大変そうに感じるかもしれません。実際、様々な視点から物事を見なければならないため、その切り替えは大変でした。
しかし、終わってみると、「あっ、これが自分の伸びしろかもしれない」「ああ、早く実践して挑戦したい」という気持ちになりました。 いつもと違う場所で、自分自身や所属している組織、プロジェクトのポテンシャルを見つめ直したい方に、ぜひ受けていただきたいと思います。

直観を鍛える

3泊4日の合宿で、もっとも強調されたのが「直観を働かせる」ことでした。
理詰めで、ロジックで最適解を導き出すことは、ふだんから息をするように自然にやってしまっている、慣れ親しんだ手法ではないかと思います。
しかし、未来を構想し、まだだれも見たことのない新規事業を生み出す、イノベーションを起こすには、ロジックだけでは足りません。

では、なにが必要なのか? なにに基づいて判断、意思決定するのか?

直観にほかならない、と、小山は強調します。

直観を働かせるためには、それまでの蓄積が必要です。蓄積なくして直観を働かせることはできない。その「蓄積」の一部にあたるのが、基礎講座、応用講座で学び、その後の修練で身につけたスキル、知見、そしてこれまでの経験全部です。

お題は、自分自身が心から取り組みたいと思っている実際のプロジェクト

上級講座のゴールは、「自分のプロジェクトを進展させる」こと。学んで終わりではなく、実際に自分が業務で携わっているプロジェクトがお題です。

まずは、現状のBMCを描きます。ここに何を加えたら、なにを削除したら、どうピボットしたらイノベーションが起きるのか。BMCを使っての考察、コンサルタントと対話しながら進めます。
BMCってほんとうにめちゃくちゃ便利です。こうして使ってみると実感します。

そして、その新しいアイデアは、時流を捉えているものなのか。ここで、応用3で学んだシナリオ・プランニングが登場します。未来の意思決定に影響を与えるキーファクター、ドライビングフォースを出し尽くし、2軸4象限でシナリオを考えます。
ちなみに、シナリオ作成はChatGPTがやってくれます。

4つのシナリオからひとつを選び、そのアイデアについて、今度はVPCで顧客インサイトからアイデアをブラッシュアップしていき、合宿終了後になにをするのか行動計画を立てます。
VPCはとても便利なツールなのですが、ついついVPCをつくることで満足してしまいがちです。私も、できあがったVPCに、つまらないありきたりなアイデアしか出されていないと指摘され、愕然としました。ツールは単なる手段であり、目的を忘れてはならん、と強く思いました。

ふたつの立場で同じプロセスを繰り返す

このプロセスを、①実践者、②コンサルタント のふたつの立場で進めます。最初は、プロジェクトを推進する立場(実践者)で、2回目は、プロジェクトを進めたい人の相談役(コンサルタント)として、扱うコンテンツは違えど、同じプロセスを2回ずつ踏んでいくうちに、自分なりのTIPSができあがっていきます。

とくに今回は、諸事情あって、受講者1名という、贅沢でもあり、厳しくもある状況で進んでいきました。
しかも、②コンサルタントとして相対するのは、不肖わたくし、事務局長片岡峰子です。そして、実プロジェクトをお題にしていますので、真剣度MAXです。率直に、クライアントとして感じること、考えること、疑問を遠慮なくぶつけてしまいます。、草間さんもさぞかし大変だったことと思います。

さらに、セッションが終わるごとに、講師からもクライアントからもフィードバックを受けます。複数受講者がいれば、他の人が言われていることを客観的に聞くこともできるのですが、今回は草間さんおひとり。かなり、いえ、ものすごく、キツかった、しんどかったことと思います。

草間さん、本当におつかれさまでした!

「ちっさいこと、気にすんな!」

それを癒やしてくれたのが、沖縄という地でした。

沖縄好きで何度も訪れている小山の案内で、地元で大人気の居酒屋、おいしいピザやハンバーガー、アメリカンビレッジのきらびやかな電飾、はっと息を呑むほどの美しい景色が、すべてをリフレッシュさせてくれました。

満席で少しだけ外で待ちました。
足立屋店内。
観光客も地元の人も。
ザ・居酒屋飯を堪能しました
クリエイティビティあふれるバーテンダーさんのオリジナルカクテル(バーBOBBY'Sにて)
店内の装飾にもかなりこだわってます

ふだんもそうじゃないですか? 机の前でウンウン唸って考えてもいいアイデアが浮かんでくることはなく、諦めて散歩に出たり、お風呂に入ったり、ときにはお手洗いの中で「はっ」と思いつくこと、ありますよね?

絶景を目の前に、海風に吹かれながら遠い水平線を眺めていると、「ちっさなことにとらわれず、恐れず、やってみよう! てか、やる以外の選択肢ある?」と勇気をもらえるのはどうしてでしょうか。

なーんて言い訳しながら、沖縄の昼も夜も楽しみました!!!

花人逢のピザ
GORDIESのハンバーガー
派手な電飾がいっぱい アメリカンビレッジ
2月は沖縄もいちばん寒い時期。夜は肌寒さを感じます。

このあとも続きます

上級講座は、この4日間では終わりません。このあと、半年かけて、プロジェクト遂行に臨みます。その間、ひと月に一度ほどのコンサルティングの時間ももちます。そこでもまた、当事者として、コンサルタントとしての二役をこなしながら、知識を血肉に変えていくのです。

今回、改めて、BMC、VPCのツールの威力を感じました。これらのツールが目の前に有るだけで、ふせんになにか書きたくなるし、貼り直したくなるし、考えたくなります。
直観をどう使うか、どう鍛えるかについては、仮説と検証を繰り返し、自分でリフレクションするしかありません。そこにフィードバック(月に一度のコンサルティング)が加わることでリフレクションを強化します。

次回の構想も固まりました

今回の上級講座は、われわれにとっても挑戦でした。おおよその構想があり、実際に進めるなかで、「こうしていこう」という段取りが明確になりました。頭の中でぐるぐる考えていても定まらないことが、実際にその場に行ってみて、やってみるととたんに明確になります。さっそく来年の開催も決めました。

受講資格はBMIA認定コンサルタント(基礎講座とすべての応用講座を修了したBMIA会員)であること、のみ。
BMC、VPCの効果的な使い方、目の付けどころ、を改めて体得し、直観を働かせて、リスクをとって他者へのフィードバックをする。
しんどくて楽しくて勇気づけられ癒やされる上級講座は、毎年2月、沖縄で開催します。


文責 片岡峰子
写真 小山龍介・片岡峰子

小山龍介 BMIA代表理事
株式会社ブルームコンセプト 代表取締役
名古屋商科大学ビジネススクール 准教授
京都芸術大学 非常勤講師
ビジネスモデル学会 プリンシパル
一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会 代表理事
一般社団法人きりぶえ 理事
一般社団法人日本能楽謡隊協会 理事
一般社団法人Japan Innovation Network フェロー
大分県文化財保護審議委員
丹波篠山市日本遺産・創造都市推進委員会委員

1975年福岡県生まれ。AB型。1998年、京都大学文学部哲学科美学美術史卒業。大手広告代理店勤務を経て、サンダーバード国際経営大学院でMBAを取得。卒業後、松竹株式会社新規事業プロデューサーとして歌舞伎をテーマに広告メディア事業、また兼務した松竹芸能株式会社事業開発室長として動画事業を立ち上げた。2010年、株式会社ブルームコンセプトを設立し、現職。

コンセプトクリエイターとして、新規事業、新商品などの企画立案に携わり、さまざまな商品、事業を世に送り出す。メンバーの自発性を引き出しながら商品・事業を生み出す、確度の高いイノベーションプロセスに定評がある。また、ビジネス、哲学、芸術など人間の幅を感じさせる、エネルギーあふれる講演会、自分自身の知性を呼び覚ます開発型体験セミナーは好評を博す。そのテーマは創造的思考法(小山式)、時間管理術、勉強術、整理術と多岐に渡り、大手企業の企業内研修としても継続的に取り入れられている。翻訳を手がけた『ビジネスモデル・ジェネレーション』に基づくビジネスモデル構築ワークショップを実施、ビジネスモデル・キャンバスは多くの企業で新商品、新規事業を考えるためのフレームワークとして採用されている。

2013年より名古屋商科大学ビジネススクール客員教授、2015年より准教授として「ビジネスモデルイノベーション」を教える。さらに2014年には一般社団法人ビジネスモデルイノベーション協会を立ち上げ、4年間代表理事を務め、地域おこしにおけるビジネスモデル思考の普及活動に取り組む。2014年〜2016年沖縄県健康食品産業元気復活支援事業評価会員。2016年より3年間、文化庁嘱託日本遺産プロデューサーとして日本遺産認定地域へのアドバイス業務。2019年〜2021年大分県文化財保存活用大綱策定委員。2020年〜大分県文化財保護審議会委員。2020年〜亀岡市で芸術を使った地域活性化に取り組む一般社団法人きりぶえの立ち上げに携わる。

2018年京都芸術大学大学院 芸術環境研究領域 芸術教育専攻 修了・MFA(芸術学修士)取得。2021年京都芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻 博士課程 単位取得満期退学。2021年京都芸術大学 非常勤講師。2024年 博士(芸術)取得。

著書に『IDEA HACKS!』『TIME HACKS!』などのハックシリーズ。訳書に『ビジネスモデル・ジェネレーション』など。著書20冊、累計50万部を超える。最新刊『在宅ハック』。

2013年より宝生流シテ方能楽師の佐野登に師事、能を通じて日本文化の真髄に触れる。2015年11月『土蜘』、2021年11月『高砂』を演能。2011年には音楽活動を開始、J-POPを中心にバンドSTARS IN BLOOMで年2回のライブを行う。ギターとボーカルを担当。2018年からフォトグラファーとしても活動を開始。2018、2019年12月グループ展覧会『和中庵を読む』に作品を出展。


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