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親子で学んで楽しむ! おやこのきぎょうたいけん 開催レポート

開催概要
日時:2024年10月13日(日)11:00〜12:30 & 14:00〜15:30
会場:東京プリンスホテル ガーデンアイランド(みなと区民まつり/MINATO★ファミリーげんきフェア内 BMIAブースにて)
ファシリテーター
午前の部:及川宗峰、町田美紀、中田匡祐
午後の部:孫正晃、坂本玲子、酒井利之
後方支援:喜納真里子、片岡峰子(BMIA事務局長)
発起人:宮木俊明(BMIA代表理事)

2024年10月13日(日)、親子でビジネスの仕組みを体験的に学べるワークショップとして「親子で学んで楽しむ! おやこのきぎょうたいけん」を開催いたしました。
BMIA会員有志で準備を進め、当日は10組のすばらしい親子に集まっていただきました!

また、ワークショップと並行して会場ではクイズラリーが開催され、200名以上の方がブースに訪問してくださいました。クイズに答えていただきながら訪問いただいたみなさまの「経営改善アイデア」も収集。

ワークショップとクイズラリーの状況含め、イベントのレポートをしてみたいと思います。

2年前に開催して好評だった親子イベントを主催し「今年はこれを港区まつりへの出展というカタチで実現したい」と思い立ったのは発起人の宮木俊明。そこからBMIAのFacebookグループに以下のような投稿をしたのが事の始まりでした。

【募集】ファシリテーター&スタッフ
港区民まつりの1コーナーにBMIAとして出展し親子イベントを開催したいと思っております!!ビジネスモデル・キャンバスを活用し、親子イベントを一緒に盛り上げて頂ける方、私がこれまで実践してきたメソッドを惜しみなく共有しますので、ご一緒頂けると幸いです☆

BMIA会員限定コミュニティ“BMIAサロン”投稿より

この呼びかけに、応えた7名の会員のみなさまとともに入念に準備を進めて参りました。
最初に手を挙げた町田さんはこう語ります。

今回参加させていただいたのは、子どもたちの自由な発想がどこまでビジネスモデル・キャンバス上で広がるか、といったリアルな体験をしてみたいと思ったことがきっかけだったのですが、固定概念がまだ少ない子どもたちの発想は、イノベーションへつながるヒントが眠っているなと体感しました。

また、ちょっとした声がけで子どもの表情が急にイキイキしてくるので、基本は受け入れてあげること、まずは「いいネいいネ!」と肯定してあげることが大事だなって思いました。

「きぎょうたいけん」のワークショップは、大人にとっては子どもの想像力を引き出す訓練になりますし、子どもたちは社会に興味を持つきっかけになると思います。この想像力を膨らませる力と適切な大人のサポートも加えることで、未来へ希望やビジョンを実現させたいと考えるイノベーター要素を引き出してあげられるすごい時間なんじゃないかと感じました。

町田美紀(BMIA認定コンサルタント)

では、実際のワークショップの中身はどのようなようすだったのでしょうか☆

快晴となった当日、会場に集まり会場を設営し、準備はバッチリ。

11時に集まった6組の親子とともに午前の部がスタート。本イベントでは、独自の「問い」で創意工夫した「ビジネスモデル・キャンバス For Kids」を活用し、既存のビジネスを可視化したうえで、そこからどのように新たなビジネスを生み出しイノベーションを起こすか? について、90分で体験していただきました。

ビジネスモデル・キャンバス For Kids

午前中のメインファシリテーターを務めた及川さんが手応えを語ってくれました。

会場のざわめきの中で、午前の部がスタート。親子たちの目が開いて、聴き耳をたて集中しはじめました。……そう、私の声が聞こえづらかったのです(笑)
Youtuberを題材にしたスライドに反応した子どもから「ヒカキン!」と声が上がり空気が変わります。ビジネスの基本は「ありがとう」を、うみだし届けること。まずは既存のお店を題材に、ビジネスモデルの可視化が始まりました。
途中の掛け合いで「親子模様」が見られるのも、このイベントの醍醐味。熱くお店の特徴を語る親御さん。その圧力で子どもは、ふてくされ。「私がやりたいくらいなのにっ」と、じれる親御さん。なきべそのお子さんを抱えて、二刀流でキャンバスづくり。親子ごとの喜びや葛藤が印象的でした。

このワークショップは、そんな気まずさも実は織り込み済み。中田さん、町田さん、宮木さんが、絶妙なタイミングで優しく声がけ。子どもには優しく寄り添い才能を引き出し、大人にもアタマの栓を抜いて固定観念を解きほぐすヒントを。和やかな空気と、子どものイキイキを発揮する場ができていきました。
「学校でやりたい!」という子どもの声。「子どもの才能、すごい」と親の感嘆。子ども、親子の、新しい一面が見えたんじゃないでしょうか。90分あっという間。みんなで創りあげた、かけがえのない時間となりました。

及川宗峰(BMIA認定コンサルタント)


そんなワークショップと並行して、10時スタート時点からひっきりなしに人が訪れたのが「クイズラリー」のコーナーでした。

MINATO★ファミリーげんきフェアに出展する企業の各ブースを回ってクイズに答えていくと景品がもらえる仕掛けがあり、BMIAブースからもクイズを出題。そのようすを、いちばんたくさんの応対をしてくれた酒井さんが様子を語ってくれます。

今回、我々のブースでは「日本で100年以上続いている会社は何社くらい?」という3択クイズを出したのですが(回答は約44,000社)、正答率はかなり低く、回答してくださった方の多くが「そんなにあるんですね」と驚かれていました。またクイズの横では「100年以上続く会社を増やすにはどのようなことができるか?」という問いに対してアイデアを募集したところ、老若男女問わず意見が続々溢れてきて、貼られた付箋を見ると壮観でした。特に子供たちの意見は本質をズバッと突くものもあり、我々も本当に考えさせられました。一日中たくさんの方が訪れてくださり、とても賑やかなイベントでした。

酒井利之(BMIA認定コンサルタント)

長く続く企業の多くは時代の変遷とともに、少しづつ、ときに大胆に、稀に跡形もなくなるほどに、ビジネスモデルを変革する経験をしてきていますが、それらを意図的・戦略的に起こしていこうというのが、BMIAのお勧めのひとつでもあります。

さて、お昼をはさんで、午後の部は4組の親子が集まってくれました。午後の部のメインファシリテーターを務めた孫さんは今回のワークショップをこのように捉えられたそうです。

ワークショップの構成としては織り込み済みなのですが、実は、クイズラリーやワークショップの前半から見えていたものは、「ちょっと残念な風景」でした。
「100年以上続く会社を増やすには?」という問いへの子供たちの回答には、「パワハラをなくす」のような、大人がテレビインタビューで答えるような回答が少なくありませんでした。また、ワークショップでの「好きなお店のビジネスモデル・キャンバスを作成してみよう!」というお題に対しては、忖度しつつ大人っぽいことを書く子、大人の誘導に乗りながらやっと書く子、親に促されるも乗り気になれず親が書いてしまう、など全体として決してポジティヴなシーンばかりではありません(笑)。

しかしそれが、「どうすればもっと行きたいお店/好きなお店になるかな?」とアイデア出しのフェーズになり、親子の組み合わせを「かき混ぜる」プロセスを経ると、それまでが嘘のように生き生きとしてイノベーティヴなアイデアが溢れます。子供たちは夢中になり、笑顔になり、通りすがりの子供が参加したくなるほどの活気があふれるブースに変貌しました。

この対比はあまりに示唆的でした。そしてBMIAのコンテンツが子供の教育に貢献したり、あるいは教育に関わる方にビジネスの観点から新たな視点を提供する、そんな可能性も感じることのできた貴重な時間でした。

孫正晃(BMIA認定コンサルタント)


自分の子どもだと、どうしても思い通りにしようとする力が働きがちな一方で、自分の子ども以外の子どもと接する場合には、多くの大人が、驚くほど冷静にあたたかいコミュニケーションを取ることができる。そんな作用を取り込みつつ、多様性を感じていただくきっかけにもつなげられたと思います。

終了後は当日の運営メンバーにて、近くの居酒屋さんで懇親会を行いました。本番での活躍から引き続き、会場選定に力を発揮していただいた中田さんは全体を振り返ってこのように総括してくれています。

子どもたちのワークの様子を通じて、改めて大事だなと思ったのは、自分の”好き”を大事にすること。ビジネスモデル・キャンバスを書くという大人でも難しいことに挑戦するだけでなく、そこから”ありがとう”を増やすために何を変えると良いかを考えていく中で、共通して出たアイデアのタネは、子どもたちにとっての”好き”という気持ちでした。レストランやお花屋さんに対して、自分たちの好きなキャラクターや遊園地のような他の”ありがとう”を掛け合わせることや、子ども目線での嬉しさを追加することで、自分にとって最高のものが考えられ、それを少し不安になりながらも発表している姿に非常に感銘を受けました。子どもたちにとって、これからも”ありがとう”と”好き”を大事にしていくための良い機会になっていれば良いなと思います。

中田匡祐(BMIAジュニアコンサルタント)

今回のイベントも何よりも「学び合いが好き」「ワークショップが好き」というメンバーが集まり、あたたかい場が生まれ、そして同じく好きなお酒を飲んで語り合うという好きなものを大事にするプロセスを、まさに共創できた一日だったように感じられます。

「今回のイベントがあって良かった」そう語るのが、坂本さんです。BMIA会員として初めてのリアル・アクティビティだった今回の体験の意義を、このように感じていらっしゃるそうです。

実はこのイベントの呼びかけがあるまで、BMIAの会員となったものの具体的な活動には参加できずに半年以上が経っていたところでした。「会費ももったないし退会しようかな..」と考えていた矢先に、こちらのファシリテーター募集の案内を見ました。ワークショップデザインを仕事にしていますので「子供 x ビジネスモデル・キャンバス」という難しい題目に、どのようなワークショップなのか興味を抱き手をあげました。最初の動機は利己的でしたが、結果、期待していた何百倍もの素晴らしい出会いと経験をさせて頂きました。BMIAの会員になりつつも行動できていない私のような方がいましたら、ぜひオフラインでの活動に参加してみることをお勧めします!皆さん、いい意味で、濃くて、面白いですよ!

坂本玲子(BMIA会員)

残念ながら、当日参加はかなわなかったものの、準備段階で後方支援してくださった喜納さんは、悔しさもにじませつつこのようなメッセージをくれました。

皆さんから「事前準備だけでも構わないので、一緒に考えましょう」とお声掛けいただきました。スケジュール管理が苦手な私にも(笑)役に立てることがあればと思い、準備に参加しました。できることに限りはあるものの、最大限の協力ができたと思っていますし、気づき事項や出会いがありました。

当日、グループチャットに送られてきた写真は参加してくださる親子の皆さまも、運営をしているBMIAメンバーもキラキラの笑顔だったのが印象的でした。私もその場に立ち会いたかったです。新たな出会いも含めて、次の機会を楽しみにBMIAの活動を続けていきたいと思っています。

喜納真里子(BMIA認定コンサルタント)


さまざまな参加方法が可能になっているのも、社会全体で進行しつつある働き方改革の浸透のおかげと言えるかもしれません。

そして、同じく当日参加はかなわなかったものの、2年前の経験を活かし会場視察や必要物品の手配等を担当していただいた片岡さんは、総合的にBMIAとしてこのような活動をする目的と今後の展望についてこう述べています。

自分が子どもの頃、大人に「大きくなったらなにになりたい?」と聞かれるのが本当に嫌でした。だいたい、親や親戚など身近な大人の職業や、近所のお店くらいしか知らないのに、そのなかにやりたいことなんてない、と思ってました。でも、子どもの頃から世の中にあまたある「仕事」の仕組み、構造を知ることができるだけで、また、お客さん(買う人)がいたらそれは「仕事」として成り立つんだということがわかれば、少なくとも「仕事」に関する興味関心が生まれるのでは、と考えます。BMIAは、ビジネスモデル、イノベーションにまつわるさまざまな普及活動をしていますが、その一環として、親子で一緒に楽しんで学べる機会を提供し続けていきます。

片岡峰子(BMIA事務局長)

最後に、実際に参加いただいたみなさまの声をご紹介します☆

娘に新しいものを考える面白さを楽しんで欲しかったことと、自分が普段している仕事を体験して欲しと思い、参加しました。当人もかなり楽しんでいたようですが、私も参加して楽しかったです!
大人になると前提無しで自由にアイデアを出すのが難しいですが、子どもは柔軟なことが新たな発見でした。一方で、「面白い」という一見褒め言葉のワードに、本人がネガティブなイメージを持っていることや、親が下手に褒めるとやる気を無くすことなど難しさも感じました。ビジネスモデル・キャンバスを使っての発想が子どもでも誰でも楽しくできるというのは発見(仕事で使うと難解に捉えがちなのですが、説明の言い換えが絶妙で感動しました、こう言えば伝わるのかという感じ) 親子でワークして、社会のことを知ってもらうきっかけになる。普段改まってしない話もできるし、親も子も楽しいワークショップだと感じました!
(石村真由美さま )

参加するまでは、子供が理解し楽しめるのだろうかと心配でしたが、参加してみたところ、積極的に意見やアイデアを出す子供に対し、成長を感じて嬉しかったです。特にアイデアや意見をとにかく出し続けることは、良いものを考え出すため必要な行為であるし、理解を促す良いアプローチだと思いました。親子で最も真剣にビジネスを考えるワークショップでした。
(古田達也さま)

子どもがどんなふうに参加するか楽しみでした。ワーク中、意外に子どもがちゃんと考えている様子がとても興味深かったです。 枠組みがあれば、子どもでも割と高度なビジネスアイデアを考えられそうだと感じました。このワークショップは、子どもたちにビジネスへの興味をもたせる良いきっかけになります!
(若林計志さま)

今回のワークショップやクイズラリーを通じて、改めて人の多様性を感じると同時に、それらが調和した世界のすばらしさを確信しつつも、そこに向かう難しさも感じました。けれど、今回のようにひとつ一つの学びの場を豊かにすることが、ほんの少しずつだとしても、目指す世界につながっていく手応えもまた、今回の皆さんとのチーミングを経て実感することができました。

私(宮木)は、今回のワークショップにつながる、大人も子どもも一緒になって学び合う場を提供する活動を、2017年に「親子の休日革命」と名づけてスタートしました。この活動は、ノーベル平和賞も受賞されたムハマド・ユヌス博士(バングラディッシュ暫定政権トップ)のソーシャルビジネスコンテスト、YYコンテストの2019年グランドチャンピオン(日本一)にも選定いただきました。

2024年7月にBMIAの代表理事となり、初の発起人となったイベントとしてこれを実現できたのは、ご参加いただいたみなさまはもちろん、理事や会員のみなさま(とくにボランティアチームのみなさま!!)のご厚情によるものです。本当にありがとうございました。

今回のイベントではビジネスモデル・キャンバスを取り上げましたが、さまざまなテーマで「親子で一緒に学び合うワークショップ」をこれからも多くの皆さまとご一緒できたら嬉しいです。ご興味のある方は、いつでもお気軽にご連絡ください。

引き続き、みなさまとご一緒できるのを楽しみにしております!
(文責:宮木俊明


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