夢 10/9
その日の夢で、俺は戦場に出ていた。細部は覚えてないけれど、たしかそこは荒野のような場所だった。
敵兵はすぐそこまで来ていた。なんかやばい状況だな、というのはなんとなくわかった。すると、上官のような人が敵兵の前に両手を上げて飛び出した。そして後方にいる俺(たち)の方を振り返った。それが「投降しろ」という合図だというのは、なぜだか知っていた。
だから俺も武器を置いて投降し、敵に背中を見せた状態で壁に手をついた。俺の横にも何人か味方の兵がいたように思う。
たぶん捕虜になってからどうなるのかについて聞かされたんだと思う。ここから10年間、もう日本には帰れないんだ、と知って絶望した。色んな人生計画あったのに、全部無駄になっちゃったな。院試受けた意味なかった。10年後でも大学院に入り直せるのかな。というか就職できるのか。20代後半にはあの子と結婚しようと思ってたのに。それまで待っててくれるだろうか。俺が帰ってくるまで、両親は生きててくれるだろうか。俺の人生、一気にどん底になっちゃったな……
そんなことを考えてたら夢が終わった。夢のくせにリアリティがあって最悪だった。特に自分の思考がやけに生々しいというか、実際俺がそんな状況に置かれたら考えそうなことで嫌だ。出来るならもう二度と見たくないし、正夢にもなってほしくない。