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【告知】Hommage à Ravel 開催のお知らせ

 2025年に生誕150年を迎える作曲家モーリス・ラヴェル(1875年~1937年)。フランスを代表する作曲家として、今も世界中でその作品は親しまれています。

 しかし、メモリアルの年に(恐らく世界中で演奏されるであろう)ラヴェルのオリジナル作品を、ただ同じように演奏するだけでは飽き足りないと考えました。そこで、

  • ラヴェルへのオマージュ作品

  • ラヴェルに献呈された作品

  • ラヴェル作品の他者による編曲

 上記いずれかに該当する作品のみを演奏する、「Hommage à Ravel」を企画しました。

 これまで、2023年に「ジャン=ミシェル・ダマーズ全ピアノ作品演奏会」を、2024年に「ダリウス・ミヨー全ピアノ作品演奏会」を、それぞれ主催させていただきましたが、前述の2公演は、1人の作曲家とその作品に徹底的に焦点を当てたものであるのに対し、今回の「Hommage à Ravel」は、ラヴェルという作曲家を、彼の作品ではなく他の作曲家による作品を通してまなざす試みと言えるでしょう。

 自分の話になってしまいますが、私は演奏会やプログラムのネタを普段からスマートフォンのメモ帳に書き付けています。スマートフォンは何度も買い替えてきましたが、そのメモだけは全文コピペ→メール転送なども駆使して何とかデータを引き継いでおり、うなぎのタレのように継ぎ足し継ぎ足しし続けて現在に至ります。「Hommage à Ravel」の元ネタとなったメモは、私が大学生の頃から、聴きに行った演奏会や書籍・ネットなどでラヴェルのオマージュ作品を見つける度に、逐一記録してきたものでした。数年の時を経て、こうして1つの演奏会として結実できたことを大変嬉しく思います。

 「Hommage à Ravel」を企画するにあたっては、前述のメモをスプレッドシートに転記して共有リストを作成、そのリストから奏者より演奏曲を募集しつつ、いくつかの作品については私から直接演奏を依頼して形作っていきました。せっかくの機会ですので、今回はそのリストを共有したいと思います。

 少なくとも、ピアノ曲でラヴェルへのオマージュと言われてすぐに名前が挙がるような作品は、ほぼ網羅出来ているのではないかと思います。このリストは演奏会を超えて更新し続けたいと思いますので、漏れている作品や誤り等があれば、お気軽にお知らせください。(なお、編曲については余りに膨大な数になるため、もちろん極一部しかリストアップしていません)

 また、ダマーズ及びミヨーの全ピアノ作品演奏会もそうでしたが、私がこれまで主催した公演は、プロフェッショナルとアマチュアの協働によるものでした。それは、自分自身が1人のアマチュアのピアノ弾きとして演奏の場を求めつつも、巷間のピアノサークルや弾き合い会の枠では実現できないような演奏会をしたいと兼ねてから思っていたこと、また、音楽活動を生業とするプロフェッショナルにとっては、手間や採算等の関係で難しい内容も、多数のアマチュアとの協働によって実現可能であると自負しているからです。もちろん、演奏のクオリティ問題や有料公演とすることの是非など、これまでもこれからも課題はありますが、本公演含めて引き続き取り組んでいきたいと考えております。

 閑話休題。話を「Hommage à Ravel」に戻し、演奏会のプログラムについて説明したいと思います。本公演は3つの部に分かれています。

 第1部は、前半がサティ、カゼッラ、タンスマン、シュルホフなどラヴェルと同時代を生きた作曲家によるオマージュ作品やラヴェルへ献呈された作品など、後半がラヴェルの種々の作品をピアノ独奏用に編曲したものを集めました。ガルバンによる逐語訳的な《弦楽四重奏曲》から、ソラブジによる《スペイン狂詩曲》まで、編曲にも様々な趣向があることをお楽しみいただけるでしょう。

 第2部は、1937年のラヴェル死去以降に書かれた、後世の作曲家によるラヴェルとその作品への様々な反応をお聴きいただきます。ラヴェルとの思い出を反芻するような作品、ラヴェルの作風を巧妙にパスティーシュした作品、或いはタイトルを捩ったり、素材を借用した作品、、などなど、ラヴェルが後世の作曲家に与えた影響の大きさが窺えます。トリには、Sakuzyo / 削除さんの《近代組曲》より「トッカータ ―ラヴェルを讃えて―」を、同氏の作品の演奏を多数手がけている石垣勝利さんに弾いていただきます。

 本公演では、所謂 "現代音楽" に分類される作品が多数演奏されますが、第3部ではその中でも前衛的と感じられるであろう作品を集約しました。会場となる両国門天ホールは、日本国内でも数少ないピアノの特殊奏法が可能な会場となっており、せっかくの機会ですので、ピアノの弦に直接触れる内部奏法を使用した作品も用意しました。現代音楽の世界では引く手数多の林賢黙/Hyun-Mook Lim(イム・ヒョンムック)さんによる、鈴木琴香さんの《青、昇り》とピータ・シンさんの《ラヴェルの鏡第3番、しかしあなたは自分のリサイタルで取り乱している》は、いずれも日本初演です。

 出演者一同、ご来場をお待ちしています。皆さまお誘い合わせの上、是非お越しくださいませ。

チラシ表面
チラシ裏面

Hommage à Ravel
https://fb.me/e/2p0VykHWg

2025 年 3 月 8 日(土)
開場 15:30 開演 16:00(終演予定時刻 20:00)
会場:両国門天ホール https://www.monten.jp/index.html
(JR「両国駅」西口より徒歩5分、地下鉄都営大江戸線「両国駅」A4、A5出口より徒歩10分、地下鉄都営浅草線「東日本橋駅」より徒歩10分)

出演者:川畑 哲佳、小松 悟、酒井 仁美、白井 貴光、塚本 美幸、橋本 修一、不破 友芝、細谷 拓海、溝上 空弥、宮尾 幹成、石垣 勝利(ゲストピアニスト)、林 賢黙/Hyun-Mook Lim/イム・ヒョンムック(ゲストピアニスト)
入場料:1,000円(全自由席)

ご予約:チケット申込フォーム
お問い合わせ:blumenfeld0109@gmail.com(細谷)

後援:一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)
協賛:合同会社ベルソネティア株式会社タクティカート

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