言葉に打ちのめされて
あなたには見えない血と傷で
僕の言葉はできていく
あの日 言葉に打ちのめされて
僕の言葉の意味を考えた
どれくらい玉砕して
どれくらい宙に舞って
どれくらいしがみついたら
言葉は言葉として初めて意味を成すのか
たくさんの本や詩集を読んでも
たくさんの歌を聴き歌詞を読んでも
分からないことばかりで
僕の血や肉にはならなかった
誰かのようになろうとして
向こう側に立ちたいと思って
やってきたことのすべてが徒労に終わると
結局僕の言葉には意味が無かったのだと思う
万人受けするものなど書きたくない
バズりもしないのに書き続けている
だけど僕は僕の書く言葉を信じ切れない
全部が全部風に舞ってかき消される
それでも、言うんだろう?
それでも、書くんだろう?
意味を成すまで
僕の言葉が言葉として初めて意味を成すまで
あの日 言葉に打ちのめされなければ
僕はどうなったんだろう
あなたには見えない血と傷も
僕の言葉にはならなかっただろう
けれど僕の言葉に
意味をつけられるのは僕だ
誰かじゃない
僕だ
どんなに時間が掛かっても
僕の言葉が言葉として初めて意味を成すまで
言葉に命を吹き込んで
意味のあるものにしよう
悲しみがそこにあるのなら
その悲しみを強く想って
喜びがそこにあるのなら
その喜びを強く想おう
どうかひとつの躓きで
すべてをあきらめないでくれ
あの日の僕がそうだった
何度だってぶつけてくれ
どうか、言ってくれ
どうか、発してくれ
意味はすでにそこにある
言葉を発した時点で意味になる
そして言葉に打ちのめされた僕は
いつか必ず強くなる
唯一無二の力を込めて
言葉に意味を吹き込める
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