くたばれマッチョイズム
僕は子どもの頃から泣き虫で
「泣くな」と言われても止まらなかった
もしも「泣かない」ことが「男」であると
そう言われるのであればとても心苦しい
いつからか 何か理不尽なことを言われたり
「男のくせに」「女のくせに」とどやされたり
相手が悪いことを言ってもなあなあで済ませたりと
そんな空気が流れている
マッチョイズムな空気が
知らぬ間に社会を構築し
分かっていても「言ってはいけない」と
察して自然と空気を読むようになってしまった
長いものに巻かれることで
次第にモノが言えなくなってしまった
男も女もマイノリティも
縦社会で従順を求められた
その結果が今だと思うと
悲しいが納得せざるを得ない
厳しさを植え付けられすぎて
優しさが分からなくなってしまった
「こうでなければいけない」
そんな偶像が乱立している
これ以上取り憑かれたくないと
少しずつでも壊さなければいけない
そうだ 昔から何も変わっちゃいない
忖度の繰り返しが産んだ悲劇よ
いのいちばんに取り戻すべきは
それぞれにある「自身の尊厳」だ
僕も気付いたことがある
それはきっと自分が知らないだけのミソジニーがあって
それを自分の属性に置き換えれば
苦しみや傷つきが多くあるということを
いくら強い者を擁護したところで
この世界はどんどん地獄になって
目も当てられないほどに無残な
マッチョイズムの残骸がのさばる
男である女であるマイノリティである
それだけで生きるのがつらい人が多くいる
自分のことに目を逸らすのはもう止めよう
ダメなものにはダメだと強く言おう
いつのまにか着飾っていた
理論武装の鎧を脱げる日が来たら
そして旧態依然の囚われから抜け出して
新しい波を起こす日を待ってはいけない
想像する
生きづらさがあったものが排除され
少しずつでも生きやすくなっていく世界を
少しずつでも抱えていたつらさが解消されていく社会を
もう我慢することはないんだと
これまで見過ごしてきた日々の後悔が
少しでも残っているなら改めていけばいい
そして立ち上がるのだ
ありのままでいられてこそ
強欲に塗れた身体を洗い流せる
こうして声を上げた日から
生活は変わってゆく
くたばれマッチョイズム
がんじがらめになった鎖を壊して
あるがままに生きるのだ
あるがままに 生きるのだ