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室蘭の幼稚園に3週間通って息子が得たもの【室蘭短期移住2023 vol.4】

早いもので、私たちが室蘭から帰ってきて、もうすぐ1ヶ月になろうとしています。ここまで、3回の記事に分けて室蘭での子育て&ワーケーションについてまとめてきました。

元々このライフスタイルは、我が子に様々な環境での暮らしを経験してもらい、自分の「好き」を見つけるきっかけになったり、豊かな経験から多様性を身に着けたり、日本全国に関心を持って自分のふるさとのように愛せる子になれれば良いと思ってスタートしました。もちろん、ワーケーションを楽しみたいという親側の思惑もありますが(笑)

そこで、この記事では室蘭での子どもの体験についてまとめます。

幼稚園の敷地内でケンケンパっ!

まず、前提の紹介です。我が家は会社経営の私と、フリーランスエンジニアの事実婚カップルと、3歳になったばかりの息子の3人家族です。息子はがっつり18時半まで都内の保育園のお世話になっています。

これまで地方にお邪魔する際は、株式会社キッチハイクさんが展開している「保育園留学」か、個人的に知り合いの自治体にご相談して移住体験をしてきました。今回の室蘭は、パートナーの以前からの知り合いが室蘭市役所でワーケーション誘致の担当をしており、実現しました。室蘭市が発表したワーケーション向け短期入園のサイトをぜひ御覧ください。

■室蘭で幼稚園を体験する!

通常は保育園に通う息子ですが、室蘭ではなんと幼稚園をご紹介いただきまして、3週間お世話になってきました! 学校法人 ならの実学園 桜が丘幼稚園さんです!
私自身、幼稚園で育ち、幼稚園の教育的な環境は好きなのですが、基本的に昼過ぎに終わってしまう幼稚園に通わせることは難しいのが現状です。息子も、今通っている保育園が大好きなので、生後5ヶ月から同じ保育園でお世話になっています(余談ですが、経営者に育休制度は適応されない)。
室蘭で通う幼稚園は、幼稚園のあとの延長保育が充実していて、安心して働くことができるということで、こちらにお世話になることになりました。

室蘭市側も、幼稚園側も、こういった受け入れは初めてとのことで、滞在の2ヶ月前くらいに、Zoomにて事前顔合わせを行いました。画面越しでも、園長先生、担任となる先生の優しさが伝わってきてきたのをよく覚えています。

保育園と幼稚園の違いは色々ありますが(そもそも管理している省庁が違うとか)、親の目線で日々の生活の違いを挙げると、

・制服(スモックと帽子)や規定のカバンなどがある。
・クレヨンやハサミ、ノリ、粘土、カスタネット、縄跳び用の縄など、個人のお道具がある。
・お弁当の日がある(この辺は園によると思います)

などがありました。

幼稚園がお貸し出ししてくれたお道具の数々

また、よくSNSなどで見かける「手作りの◯◯!」がありました!サイズ違いの2種類のバッグです! 先生は「一時的なことですし、既製品や借り物でもいいですよ!」と言ってくれましたが、私の趣味は手芸!ここぞとばかりにこだわりのバッグを数日間深夜3時くらいまで作業して作りました(笑)

絵本入れと連絡帳入れを自作しました!

■登園初日はちょっとドキドキ!

そして、待ちに待った登園初日!
3人でクルマで15分くらいの幼稚園に向かいます。地方では当たり前かと思いますが、広い駐車場! 正門から校舎までのお庭! 玄関には息子の大好きなアンパンマン!

アンパンマンと一緒!

まずは園長先生のお部屋へ。
今回、園のご厚意で制服やお道具一式をお貸し出しいただくことが出来ました。感謝しかありません。美生は制服というものを着たことがないせいか、最初は戸惑っていました。
そして、登園の初日はみんなお揃いの制服姿のお友だちにびっくりしたのか、なかなか親の元から離れようとしませんでした。これは、あちこち転園している息子にしてはなかなか珍しいことでした。
でも、大好きなブロックでお友だちと遊び出したところでそーっと親は外に出て、その日は夕方まで楽しく過ごしてくれました。お迎えの際は、もうニコニコ! 登園後も、園の隣りにある公園でできたばかりのお友達と遊んでいました。

初日の夕方。公園の草を掴んで大はしゃぎ!

2日目以降は、送りの際は少し寂しがりますが、帰りに迎えに行くとニコニコで帰って来る、という感じになり、2週間目くらいからは、行きに寂しがることもなくなりました。
毎日のように、園で作った折り紙や工作、園の周辺で拾った木の実などを持って帰ってきては「これ、お母さんにお土産!」と嬉しそうに渡してくれました。

毎日のように「お土産」を持ってきてくれました

■息子、友人を作る!

新しい環境に慣れるのに時間がかかる子もいると思いますが、うちの子は比較的順応性があるように思います。どこの園に行っても2日目には(すごい時は初日から)、すんなり通園することができます。
今回、一段と成長を感じたのは、「お友だち」を作ったことです。比較的淡白だと思っていた息子が、名前を呼び合って、一緒に遊ぶ友人に恵まれたことは、親として非常にありがたいことです。その子のご家族とは、家族ぐるみでご飯を食べるほどに仲良くなりました。

また、今回お世話になった室蘭市役所の担当者の息子さんも同じ園に通園していて、やはり家族ぐるみで室蘭水族館に遊びに行ったり、BBQにお誘いいただいたり、たくさんお世話になりました。「次に行った時もお兄ちゃんたちに遊んでもらうんだ!」と、今から息子は楽しみにしています。

■息子、虫を通じて命を学ぶ!

室蘭で生活して、息子にはいろんな変化がありました。その一つに、「死」に興味を持つようになったことがあります。
室蘭ではたくさんの生と死を見ます。光に吸い寄せられて家に入り、朝になると息絶えた羽虫たち。土の上で朽ちたダンゴムシ。咲き誇った後の草花たち。
そういうものをじっと見つめて、「これは死んでるの?」「死ぬってなに?」「どうして死ぬの?」と聞いてくるようになったのです。
小さい子どもにとって、「死」とは冷静に考えたら恐ろしいものだと思います。私自身、子ども時代に極端に死を恐れて、毎晩泣きながら寝ていた時期がありました。でも、「死」に興味を持つことは悪いことではなく、翻って「生」の素晴らしさや、人生や時間の尊さを知ることでもあると思います。
じっと死骸を見つめる息子を見て、人として成長していく片鱗を感じました。

カタツムリを観察する息子

■息子、運動会を経験する!

桜ヶ丘幼稚園で過ごした時間は、書いても書いても書ききれないくらいスペシャルな経験の連続でした。その中でも、「運動会」を経験したことは大きなことでした。

今通っている保育園にも、運動会はあります。ただし、そもそも園庭もありませんので、室内でお教室の端から端まで走ったり、、、という感じです(コロナもあって自粛傾向だったので、今年からは少し変わるのかもしれません)。それでも、開催していただけるだけで感謝ですし、今の園の先生方には感謝してもしたりないくらい感謝してるのですが、やっぱり「運動会」といえば、広い校庭で元気にやりたいものです。
桜ヶ丘幼稚園の運動会は、近くの小学校の校庭をお借りして、盛大に行われました。ドラムメジャーと鼓笛隊を先頭に、生徒たちが行進して入場。元気に宣誓の挨拶をして、競技開始。様々な競技が行われます。
うちの子は、日常では運動があまり好きではなくて、つい最近も体操教室を「動くのが嫌い」という身も蓋もない理由でやめたばかりなのですが、なんと2つの種目で1等賞を取っていました! これには親もびっくり。息子の新たな一面を見た気がしました。

徒競走中の息子

そして、お遊戯の時間。親と子どもがペアになって、うさぎのダンスを踊りました。これは本当にスペシャルな体験でした。
親対抗の綱引きも行いました(笑)

うさぎのダンスを踊りました!

印象的だったのは、先生方がキビキビ動いていらっしゃる横でかなりの数の保護者がボランディアスタッフとして運営をサポートしていること。こういった形に支えられて運動会が行われているんだ、と感謝の気持ちでいっぱいになりました。

■思い出を持ち帰り、そしてつながる。

これまでもいろんな園でいろんな体験をさせていただきましたが、桜ヶ丘幼稚園での体験は本当にスペシャルでした。
これまでは、東京に帰るときになったらあっさりバイバイして別れる息子も、今回は別れの時が近づくとしんみりしていました。それは親も同様で、室蘭という街の美しさ、住みやすさが素晴らしいというのもありますが、幼稚園での体験が本当に素晴らしくて、別れがたい気持ちになりました。

そして、登園最後の日。
いつも通りお迎えに行き、園長先生のお部屋で、この3週間の感想や感謝の気持ちをお伝えしました。制服やカバン、お道具は、一式プレゼントしてくださるとのことで、感謝とともに頂戴いたしました。また、記念品として、同じクラスの生徒たちとの集合写真が飾られたフォトフレームタイプの貯金箱を頂きました。思わず涙が止まらなくなりました。

最終日はたくさんお土産を頂きました。

私たちは、いつか息子が「この土地で暮らしたい」と言ったら移住する気持ちでいろんな地域に通っています。
今回、私自身がかなり室蘭を気に入ったということもあり、息子に、室蘭に残りたいか確認しました。息子も「むろらん、だーいすき!」と言います。ただ、息子はやっぱり東京の街も、家も、保育園も大好きだし、これまで通った厚沢部や西会津や天草も大好きだし、一つじゃなくて色んなところで暮らしたいと言います。私たちの、今のライフスタイルは、まだまだ続きそうです。室蘭、そして桜ヶ丘幼稚園には、また必ず伺います。
私たち家族に素晴らしい経験を与えてくださって、ありがとうございます。

こうして我々は2023年7月中旬に東京に戻ったのですが、桜ヶ丘幼稚園での経験を元に、息子の勉強机をガラッとレイアウトチェンジして、園でいただいたお道具箱を置いたり、園で作った折り紙や絵を飾ったりしました。それまで家でお絵かきや折り紙をすることはあまりなかったのですが、幼稚園での経験がよほど楽しかったのか、最近よくこの机で折り紙を折っています。先生やお友だちから頂いたお手紙なども飾っています。

そして、なんと室蘭で仲良くなったご家族が東京出張でこっちに来るとのことで、早速再会ました! 今は本当に便利な時代ですね。東京に戻ったあともLINEでやり取りしていたので、子どもたちの記憶も薄れず、再会を大喜び。これからも頻繁に会おうという約束をしました。

お友達に距離は関係ない!

私自身が大切にしている感覚に「日本全国が自分のふるさと」というのがあります。これは、私が東日本大震災の際に、全国47都道府県の大学生たちとともに、あるプロジェクトを行ったときに芽生えた感覚です。「◯◯県はAさんが頑張っている」「◯◯県はBさんが頑張っている」、、、と思っていくうちに、日本中のどの都道府県にも仲間がいて、どの地域も「仲間が頑張っている愛おしい地域」と思えたときに、まるで日本中に自分のふるさとがあるように感じて、それが、ものすごく豊かな感覚だと思ったのです。

息子は、確実にその一歩を踏み出しているようです。

息子、室蘭にて

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