APEXが衰退してオワコンになったのはなぜか
Apexがなぜ大きく人を減らして衰退したのかを考えてみる。
①コロナ渦が終わったから
まず、コロナ渦が収束したことが最大の理由ではないだろうか?
最大の要因でありながら、こればかりはどうしようもないので正直あんまり語ることがない。Apexがオワコンになった理由というか、これは盛り上がりそうだったFPSブームそのものが収束してしまった理由なのかもしれない。
強いていえばFPS界隈にとってApexの後釜を上手く構築できなかったことくらいだろうか? APEXが下火になったタイミングでゲームを遊んでいたプレイヤーは、他のFPSゲームに移る……なんてことはなかった。
この時期にApexというかFPSゲームを始めたプレイヤーは大半が(一部がValorantに移動したが)そのまま引退してしまったように感じられる。
②流行っていた頃から、スマーフという存在を運営もプレイヤーも容認&放置しすぎ
次に、流行していた頃からスマーフが容認されすぎていた点が挙げられる。運営だけでなく。プレイヤー側の致命的な失態があったとすれば、これが最も大きな原因と感じる。
APEXは流行期から運営もプレイヤーもスマーフを許容しすぎていた。自分がゲームを辞めた最大の理由もこれに尽きる。
当時、ゴールド帯で、ゴールドの適正レートで三人揃って試合に挑んでも即死するのは当たり前だった。なぜなら、ほとんどのプレイヤーが適正レートの三人組なんかじゃなかったからだ。
そも本来APEX legendsというゲームはTTKが長いゲームで、実は実力差がとても出やすい。
「死なないから流行った」と言っている人も居るが、これは「初心者同士で撃ち合いが起きたら死なない」というだけで、むしろスキル差が出やすいデザインをしている。つまり、分不相応なレートのスマーフプレイヤーにぶつかってしまうと適正レートのプレイヤーはワンチャンスもなく死んでしまう。
それでありながらこのゲームは、コミュニケーションツールの延長で、サブアカウントを使って不相応なレートでランクマッチに参加するような強豪プレイヤーがあまりにも多すぎたし、企画という名目で誰も彼もがソロマスターチャレンジをやっていたし。それをプロプレイヤーがサブ垢で味方としての野良インキューを狙っていたりしていた。終わっている。
上手いプレイヤーが一人でもランクマッチに紛れ込めば、試合を荒らしてレーザービームの如く他のプレイヤーを即死させるのだ。きっとそれをやっている当事者たちは楽しいのだろう。
さらに問題なのは、意図しないスマーフも大量に発生していたことだ。このゲームは全盛期、少しシーズンを休んだだけでマスターやプレデターが下位レートで再びゲームをプレイできるような相当狂った仕組みになっていた。これは異常だろう。全盛期にこの問題が全く指摘されなかったのも不可解だ。当時人気の動画配信者でさえ、ゲームを楽しんでばかりで、この問題を取り上げることはなかった。システムの問題について声を上げていたのは、筆者のような(ゲームシステムの問題点とか人口減少に敏感でクッソうるさい)一部のプレイヤーだけだった。
そしてこのクソうるさい筆者は、爪痕ダブハンというバッジが存在すること自体が問題だと2021年から指摘していた。
初心者狩り、雑魚狩りを推奨するかのようなバッジがなぜ存在するのか。
結果として、上手いプレイヤーがカジュアルマッチで無双する動画が持て囃されるようになり、それを真似するプレイヤーも大量に現れた。
冷静になって考えて欲しい。一人が無双している動画というのは見栄えが良いけれど、見方を変えればたった一人のプレイヤーが20人の格下を堂々と狩っている動画なのだ。ランクマッチでなければセーフという理屈も意味不明だ。こんなものはたった一人のプレイヤーがマッチ全体を破壊し続けている動画でしかない。
で、こういったスマーフや格下狩り行為は5vs5のゲームですらプレイヤーの人口を減らすので本来は重罪も良いところなのだが、Apexは大人数のバトロワで5vs5のゲームよりもスマーフの被害が大きいはずのゲームなのに、他のゲームと違ってそれが大っぴらに批判される風潮なんかもほとんどなかった。そして運営もそれを問題視していなかった。2021年の段階でそれを問題視していたプレイヤーはそれこそこのクソうるさい筆者くらいだろう。
↑そしてどうやら、この記事が執筆されてから二年間近くスマーフが放置されていたようだ。
これは、運営が認めているからOKとかそんなアウトかセーフかのラインを語るような話じゃない。
どれだけ公式がOKといったところで、現象として人は減るのだ。それならば、著名なプレイヤー達や動画配信者は啓発したり自分達から運営に働きかけるくらいのことをしないといけないはずだった。
ところが、将来的に現象として人が減って困るのは自分たちなのに、「長期的な目線で見たら人口を減らす」なんてそれこそ誰でも想像できそうなのに、全盛期の頃から連キル動画だのソロマス企画だのの動画を投稿しているストリーマーや、プレイヤーのほとんどが、誰もこの惨状を問題視しておらず。声をあげることもしないで、ただただ運営が公認している雑魚狩りをコンテンツとして消費して、状況を悪化させ続けた。
その結果がこれだ。
現に、Apexを生業にしていたかなりの数のストリーマー達は人口が減ってしまって困っている。
彼らは未だに、自分たちが何をしでかしてしまったのかを理解していないし。中には自分たちのことを棚に上げてなぜApexがオワコンになってしまったのか考察しているプレイヤーもいる。当事者たちの誰もが未だに自分たちがやっていた行為の何が問題なのか考えたこともないし、大っぴらに活動している割に反省などもしちゃいない。
こういった様々な理由で、Apex Legendsというゲームはかなり長い間、初心者プレイヤーや適正のレートで頑張っているプレイヤーがソロフルパ問わずアイテムを拾って準備した直後にレーザービームを食らって即死するようなゲームになってしまっていた。誰だってろくに操作できないまま戦闘で即死してロードと降下とアイテム拾いを繰り返すだけのゲームを長く遊んでいこうなんて思わないだろう。プレイヤーが離れて行ってしまう。
③ソロプレイで遊ぶプレイヤーを軽視しすぎた
コメントで指摘をいただいたので追記。
このゲーム、かなりの長期間ソロで遊ぶプレイヤーはマゾとか無理ゲーとか言われていた。理由は簡単で当たり前のように自分と同じレベルのフルパと戦うことになってしまっていたからだ。
マッチングが細分化してしまうため、ソロプレイヤー限定のランクマッチを用意するのは難しいのかもしれないが。だからと言って自分ソロマス、野良のデュオダイヤ二人に対して、どいつもこいつもプレマスのフルパ集団みたいなマッチングが常態化していたのはあまりにもいい加減すぎる。
「フルパでやれば良いじゃないか」というのはそれこそ個人にしか適用できない話であって現象としてゲーム人口は減ってしまうし。フルパで遊んでいるゲームだからこそ一人の時間で技術を磨きたいというプレイヤーだってたくさんいる。このゲームはそういった需要に応えきれなかった。
一定のレートまで行ってしまうと結局このゲームはず~っと強者が三人で組むフルパが一番強かった。これも上記のスマーフ問題と同じで、よく動画企画なんかで『猛者プレイヤーの○○達の三人組が強すぎる!』 とかワイワイやっていたけれど。
ほとんど同格のプレイヤーとマッチしないのだから当たり前なのだ。
そもそも猛者の三人組は同じレベルの猛者三人組としかマッチングできないようにするべきだったと思っているし、猛者のフルパを60人分確保できないのならば、マッチングなんてさせる必要自体無かったはずだ。(プレデターレベルのプレイヤーはそれこそソロでインキューすれば良い。プロがチーム練習できないって? 自分たちでカスタムで集めるなり何とかしてくれ、プロチームに所属しているんだから)
これの最悪なところが一定のランク以上はソロで楽しめないけどApexというゲーム自体は続けたいからって、サブ垢で再度低いランクからランクマッチに参加するプレイヤーが大量にいたところだ。要するにスマーフ増加の一因にもなってしまっていたわけ。
④バトロワ以外の魅力的な常設モードがなくて長期にわたってゲーム練習の場がなかった
さらに、バトルロワイヤル以外の魅力的な常設モードがなくてプレイヤーをゲームに縛り付けることができなかったのも大きい。単純にバトロワをずっとやっていたら飽きるだろうし。
長期的にゲーム練習の場が存在していなかったという点も大きな課題だった。
特に全盛期ではエイムを練習できるモードが求められていたが、アリーナのようなシンプルにつまらない微妙なモードしか存在しなかった。
仮に面白いモードがあっても期間限定で終わってしまうことが多かったし。射撃訓練場の改善にも時間がかかりすぎた。
エイムアシストが存在していたとはいえ、結局全盛期にAPEXでブイブイ言わせていたのは昔からプレイしていた古参や他のFPSに慣れているプレイヤーばかりだった。流行と共に後から参入したFPS未経験者はろくに弾を当てられず。運に頼るアシスト任せの近距離事故エイムしかできなかった(なんならこのエイムアシストは上級者目線ではうざったいし)。
練習をしたいのに当時は貧弱な射撃訓練場しかなかった。
当時は撃ち合いの上達にカジュアルで即降りを推奨されていたけど。バトロワに行ったらアイテムを拾って即死する。即降りしてもロード&ロード。
マッチング待ち、降下、武器収集、撃ち合いといった試行錯誤がなかなかできない退屈なプロセスの繰り返し。上達を目指すには、こうした環境はあまりにも馬鹿らしいし長続きしないのだ。
面白くない上に、退屈な時間が長すぎる。これは間違いなくゲーム側の問題だったと言える。
⑤パッドとキーマウの適切な住み分け、線引きをろくにやろうとせずずっと放置していた
このゲームではかなり長い期間キーマウとパッドで論争が起きていた。
確かに人口確保という観点ではパッドの存在は大事だと思う。
だけど結果としてキーマウのプレイヤーをあまりにも長期間軽視しすぎていて、これが様々な層でプレイヤー離れを起こしたのは事実だろう。
もちろん人口確保という観点でどのような形式が理想化なんて筆者にはわからないけど。例えばエイムアシストの段階的な調整で自然にバランスを取るように努力する、とか、入力デバイスごとのマッチ分けをすることで公平感を担保するとか。いくらでも工夫の余地はあったように感じる。
しかし、結局Apexの運営は人気に胡坐をかいて全盛期の時にテコ入れに挑戦するということをしなかった。
これに関しては自業自得だと思う。
運営体制に期待してないで、さっさとゲームから離れた方が吉
これ、本当に筆者はどんなゲームでも言っているのだが。嫌ならやめろという意味ではない。なぜ辞めることを推奨するかというと、ダメなゲームを運営する会社が反省するときは大きな赤字を出した時だけだからだ。
そういうダメな運営会社は、時間をかけてゲームを改善なんてほとんどしない。時間をかけて腐るか、ぶっ壊れてから慌ててなんとかしようとするかのどっちかだ。
Apexはかなり長い間、配信者やプロ達が他に居場所がないからって文句を言いながらもなんやかんやゲームを続けている節がある。だけどそれに引っ張られてゲームを続けていたらイライラする時間が増すだけだ。
色々なオンライン要素のあるゲームを見てきたけれど、つまらないなと思ったら文句を言いながらだらだら続けるよりも、さっさと辞めた方が(なんなら辞めてから文句を言った方が)プレイヤーにとって圧倒的に良い結果になることが多いのだ。