北欧の空気をまるごと味わいに、「iittala」表参道店に行ってみた!
北欧はフィンランドに旅したのはいつだったろうか。
あこがれていた地元ブランドのお皿を買った。嬉しくて、何重にも梱包して大切に大切に持ち帰った。そのブランドこそ「iittala(イッタラ)」だ。
フィンランドを代表するブランド。先だって表参道に世界初というカフェを併設した路面店をオープンした。フィンランドの空気そのままの店舗だというので、当時のことを脳裏によみがえらせながら、早速出かけてみた。
iittala(イッタラ) とは?
イッタラは1881年創業いらい現在に至るまで、ガラス製品を中心としたテーブルウエアを制作し、日本はもとより全世界で販売されている。
私が初めて知ったのは、元の会社でインテリアブランドのPRを担当していた時だ。自社でも商品を一部セレクトしていたが、どれもシンプルなデザインなのに、「これイッタラだよね」とわかった。
今も販売され続け、愛されているシリーズも数知れない。タイムレスなデザインなのだ。
だから、いつの時代でも常に人々を魅了し続けるのだろう。
隅研吾氏デザインによるこだわりの内装
東京・表参道は、青山通りから入った比較的静かな通りに店はあった。白い外観はとてもシンプル。思わず通り過ぎてしまいそうだ。
店内も一見はシンプルだ。フィンランドの森をイメージしたという。確かに少しすがすがしい空気が漂っているようにも感じられた。
隈研吾氏は日本の店舗ということも意識し、天井に千鳥格子の意匠を配置したり、ジョイントの詳細な作りに日本の伝統工芸への敬意も融合させたのだとか。 *写真がなくてすみません!
自然へのオマージュ、地球環境への配慮も随所に
北欧と言えば、地球環境への意識が高いことでも知られている。店舗では随所に具体的な例を見ることができた。
壁面の一部には、コーヒー豆からできたリサイクル素材が使われているという。ニュアンスのある素材で、これを縦にレイアウトした壁面は、まさしく木立の立ち並ぶ森のようだ。
学生とのコラボ什器はリサイクルされた新素材
センスあるディスプレイはもちろんだが、特に目を引いたのがディスプレイ台。各コーナーに合わせたカラーの本体に、何やらキラキラしたものが隠れていた。
これらは工場で出た廃材をもとに、フィンランドの学生たちとコラボレーションして開発されたものだという。隠れていたのは工場から出たガラスの破片などだ。ランダムに入り込んだそのテクスチャーは、宝石を埋め込んだかのように美しい。
新たな魅力を生み出すリユースの精神も、それがこれからを担う学生というのも、とてもいい。応援したくなる。
職人技のなせる個性的な照明器具
訪れた時の店舗正面のディスプレイは、ガラス製品が仕上がっていく過程。右の透明な物から、色や柄が付けられて形になっていく様は、まさに職人技の軌跡だ。
その後ろにあったのが、カウンター頭上にいくつも下がるユニークな形のガラス照明器具の型。店舗の方によれば、フィンランドからわざわざ運んできたそうだ。
本物の木の型に溶解したガラスを流し込むことで、リアルな木肌を再現した。これも高度な職人技だからなせること。
その照明器具を何本も下げたカウンターの背景には、フィンランドの自然のビジュアルが流れている。イメージを一層掻き立てられる演出だ。
全ては北欧の暮らしから生み出される
かつて訪ねたフィンランドの思い出はいくつもある。ひとつ強く印象に残ったのは、街頭や家々から漏れる明かりの優しさ、温かさだ。旅行者の私でさえも温かく迎えてもらえそうな優しい光だった。
寒い冬と夜が長い地域だからこそ、家で過ごすことに対する思いはひとしおに違いない。心地よくリラックスできる快適な雰囲気を作り出すことを一番に考えているのだろう。イッタラのアイテムもその大切な一翼を担っているのだ。
そして豊かな自然を本当に愛しているのだと感じる。イッタラがそのプロダクトにフォルム、モチーフ、色合いとして、様々に自然を取り入れていることでも明白だ。
今回は利用しなかったが、世界で初めてのカフェもフィンランドの食文化を反映したものらしい。
都会の真ん中なのに自然の中にいるような雰囲気で、フィンランドの代表的なメニューをいただける。覗いてみたら何とも居心地がよさそうだった。
行けないからこそ
フィンランドはもちろんのこと、海外旅行になかなか行けない今。単純にものを販売するならネットで十分だ。
そのものの背景にあるブランドの思いや国・地域のムードを空間ごと感じられる、こんな店舗が限りなく愛しい。
フィンランドの魅力を再認識した、期待通りの素敵なお店だった。
イッタラ表参道 ストア&カフェ ストア:03-5774-0051 カフェ:03-5774-0052
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-46-7 GEMS青山クロス1階 iittala https://www.iittala.jp/
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