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Pacifica611HFMの修理の話(5 完結編

これで修理は完結・・・ですね。

さて、新品のポットで、ケースに熱があまり入ってない状態でもガリが出る。
えーーーーー😨
というわけで、原因追求することに。

色々回してみたり、スイッチオンオフしていたりして・・・

あ。

ここで気が付きました。
軸に対して左右に力をかけてみると、ガリ音が出やすいことに気が付きました。回すときには多少なりともそういう力の変動はありますのでガリは出やすいことになります。
ということは・・・・・・
軸が軸受に触ったり触らなかったりすることで(手が金属ノブに触れてて、そのノブは軸に触れてますから、人体アースが取れたり取れなかったりすることになります。そりゃノイズ出るわ。
中のグリスが明らかに少ないってことですね。

でもSCUDさん、新品の状態で少ないって、そりゃまぁ確かにハンダごての熱対策で流れ出すぎて抵抗の摺動部分にかかったら元も子もないのでそうしてあるのはわかるんですが、だったら一言書いてくれよ、っていいたいのは私だけ?

というわけで・・・これを用意しました。

サンハヤト製の導電グリス。意外なところでも使えますね

導電グリスです。
意外でしょ。
私も「ポットに導電グリスねぇ・・」と思ってはいましたが。
これは基本スライド接点用なので、タミヤのやつでも行けるかもしれません(今回はこっちのほうが安いしサンハヤト製っていう一流メーカーのものでしたから)。

で、軸を引っ張り出してスイッチを「シングル」の状態にして、でてきた軸にグリスを付け、押したり引っ張ったり回したりしてなじませます。

スイッチポットはこういう技が使えるので良いですね。通常ポットだとこうは行きません

すると・・・
しばらくやってるうちにノイズが減ってきました!!
(多分そのうちしっかり馴染めばノイズは消えると思います)
引っかかり、かじり感もなくなりました!
軽すぎる感も消えて新品に近い感じになってきました。
また一つ勉強になりました。
なるほど、ポットのノイズって、軸でも出るのか・・・

修理完了しました

さて、試しに爪弾いてますが・・
これよ!この音よ!
最初の音が帰ってきました。
ポットのフィーリングもいい感じ。

これでいい練習ができそうです。

修理を終わってみて

少し話がそれますが、競馬の世界では、騎手が馬に競馬を教えられることが良くあるそうです。
例えば、(すでに引退されてますが)岡部騎手がシンボリルドルフに、(現役だと)武豊騎手がスーパークリークやスペシャルウイークに、和田竜二騎手がテイエムオペラオーに、競馬を学んだと聞きます。
(もちろん他の騎手にも競馬を教えてもらった馬はいるそうです)
私も、修理を通して、シンセやアンプ、エレキギターを初めとした楽器たちに、色々教えてもらっているような気がしてなりません。
私がしっかり作られた楽器には魂が宿ってるって言っているのは、こういうことが有るからです。
そういう機器たちに、感謝をしながら使っていこうと思います。
そして、ヤマハの楽器には、我々にはなかなか見えない、いろんな工夫がされているのも理解できました。
本当に良く考えて作ってあります。ますます気に入りました。

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