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プリズンサークル prison circle

ドキュメンタリー映画を観る

*この記事は2020年7月のFBの記事をリライトしています。

ドキュメンタリー映画を映画館に観に行くのは映画好きという動機だけでは弱いです。その内容に興味がある人、興味がある理由は?

「プリズンサークル」は犯罪者となった人々が最新の刑務所で更生プログラムを受けるという内容。その更生プログラムは日本では唯一その刑務所だけで実施されています。「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」という受刑者同士の対話形式で進行していきます。

私がこの映画を観たいと思ったのはソーシャルワーカーという仕事柄というだけではありません。もちろん当事者でも当事者家族でもありません。もう15年くらい前、大学で社会福祉士の通信教育のスクーリング授業に出席しました。何の教科だったかは覚えていませんが、ある年配の講師が90分の授業時間全てを使って犯罪者となったある少年の話を語りました。

貧困や虐待の渦中で幼少期を過ごした少年が、人を傷つける犯罪者となり、最後は悲しい結末を迎えます。その話を聞いた時に社会には善悪の分水嶺があることを知りました。アイデンティティが出来上がる前の子供たちが特殊な環境の中から自分たちの力では抜け出せない、その結果、社会に適応できなくなることはその子供の責任だけではないことを知りました。

そう言った理由で、この映画に興味と期待を持ちました。夫々の受刑者が対話を通して向き合うべき何かに向き合うための席に着く、そこから治療が始まるというイメージでしょうか。

この映画を被害者、被害者家族はどのような視点でご覧になるのか、もしくはご覧にはならないのか。社会を悪者にするのは簡単ですが、まずはなぜ彼らが犯罪者になったのかをシンプルに客観視するだけでもたくさんの方に観て頂きたい映画だと思います。

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映画を観ることもソーシャルワーク

たまたま、その日は監督の舞台挨拶があり、坂上香監督が来場されていました。ソーシャルワークはどんな形でも行えます。今の自分にできるソーシャルワークをやってみる。映画を撮ること、観ることもソーシャルワークではないかしら。と、思います。

坂上香監督のインタビューがこちらにも掲載されています。

*この記事は2020年7月のFBの記事をリライトしています。

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