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ベトナム・ホーチミンの地下鉄に乗ってみたので解説

以下は、YouTube動画内で述べた動画内容の書き起こしです。

ベトナム・ホーチミンの新地下鉄:日本の技術力が光るプロジェクト

ホーチミン市で話題となっている新しい地下鉄1号線。日本の技術力と協力で完成したこのプロジェクトは、ベトナムのインフラ整備において大きな成果を上げています。今回は、その概要や特徴、影響について詳しくご紹介します。

地下鉄1号線の概要

ホーチミン市では、都市の交通渋滞や大気汚染の緩和を目的として地下鉄の建設が進められています。その中で、1号線が2024年12月22日に正式に開通しました。

  • 路線の全長: 約19.7km

  • 駅数: 14駅

  • 区間: ベンタイン駅(市中心部)からスオイティエンバスターミナル駅まで

  • 運行時間: 朝5時から夜11時半まで(ただし、開通後6ヶ月間は夜10時まで)

  • 車両: 日立製作所製の3両編成(1編成あたり最大930人収容)

主要駅

  1. ベンタイン駅: 市中心部に位置し、将来的には他の路線とも接続予定の主要ハブ駅

  2. ホーチミン市民劇場駅: 観光スポットや商業施設が集まるエリアに位置

  3. タオディエン駅: 外国人居住者が多く、おしゃれなカフェやショップが立ち並ぶエリア

  4. アンフー駅: 大型ショッピングモールや高層マンションが集積する新興エリア

  5. スオイティエンバスターミナル駅: 新東部バスターミナルと接続し、長距離バスへの乗り換えが可能

運賃

  • 距離に応じて7,000ドンから20,000ドン

  • 1日乗り放題チケット: 40,000ドン

  • 3日乗り放題チケット: 90,000ドン

  • 1ヶ月乗り放題チケット: 300,000ドン(学生は半額)

  • 障害者や高齢者は無料

今後の展望

ホーチミン市では、1号線に続き、2号線や他の路線の建設計画も進行中です。2号線は2021年に着工し、2026年の開業を目指しています。

地下鉄の開通により、交通渋滞の緩和や大気汚染の改善が期待されるとともに、市民や観光客の移動手段として大きな役割を果たすことが期待されています。

日本との関わり

ホーチミン市の地下鉄計画は、日本との経済的な関わりが非常に深いプロジェクトであり、いくつかの観点から重要性があります。

日本のODA(政府開発援助)による支援

  • 資金提供: ホーチミン市の地下鉄1号線は、日本の政府開発援助(ODA)による資金で建設が進められています。総建設費の大部分を日本が支援しており、低利の円借款が提供されています。

  • プロジェクトの背景: この援助は、ベトナムのインフラ整備を支援し、同時に日本とベトナムの経済的結びつきを強化する目的で行われています。

日本企業の参画

  • 主要企業: 日立製作所が地下鉄車両を供給し、最新の鉄道技術を導入しています。また、日本の建設会社(例: 清水建設、前田建設工業など)が工事に参加し、技術力を提供しています。

    • 日立製作所: 車両の供給を担当し、最新の鉄道技術を提供。

    • 清水建設・前田建設工業共同企業体(JV): 地下区間の建設を担当。

    • 三井住友建設: 地下鉄ベンタイン駅の建設を担当。

    • 住友商事: 高架区間の建設を担当し、地場のゼネコンと協力。

  • 技術移転: 日本企業が参画することで、現地労働者への技術移転が進み、ベトナム国内の鉄道技術や管理能力の向上が期待されています。

ベトナム経済への貢献と日本への利益

  • 交通渋滞の緩和: 地下鉄の導入により移動が効率化され、都市全体の生産性向上が期待されます。

  • 日本製品・サービスの需要拡大: 信号機、電力供給システム、セキュリティ機器などの需要が拡大。

  • 観光促進: 地下鉄は観光業の発展に寄与。

日本とベトナムの経済的関係強化

  • 戦略的パートナーシップ: 地下鉄プロジェクトは、日越両国の経済的・外交的な関係を強化する象徴的なプロジェクト。

  • 自由貿易協定(FTA)の活用: 大規模インフラ事業が両国間の貿易を促進。

結論

ホーチミン市の地下鉄1号線は、日本の技術力と協力の象徴であり、都市交通を大きく変えるプロジェクトです。日本とベトナムのさらなる協力が期待される中、このプロジェクトは両国の未来にとって重要なステップとなるでしょう。