子供に中学受験やめさせたら偏差値が30上がったことについて③
塾に対しての子供が出すサインを見逃さない
さて、前回は初めてのクラスアップで達成感をビシバシに感じてやる気マックスという話をしました。
少し横道にそれますが、実際に通わせていた私が改めて思い起こす中学受験塾の基本スタンスとしては、小学校中学年で塾に大量に入れさせて、授業とテストで能力や根気のある子をふるいにどんどんかけて上位クラスの子には手厚く厳しく指導を行って、実績として誇れる学校に全力コミットさせる。
一方で、どうしても付いていけなくて下位レイヤーのクラスの子にはそれなりの指導を行って、高い授業料を取りつつ中堅どころに受かればまあ三方よし(塾・親・子)でしょうというスタンスを強めに感じました。
特に私は細かく保護者面談を行っていたタイプなのでより感じたのかもしれません。
そんな塾ですから下位レイヤーの子供を放置するのかといえばそうではなく、全力で子供に向き合って全力で中堅校を推してモチベーションアップをさせるという指導をしてくれます。
親子が背伸びした志望校を言っても、そこは上手にスルーして合格できるところに合格させるという意志を感じました。
それはそれで中学受験には成功したという行動の意味や成功体験を与えることになるので良いのかもしれません。担当の先生はしっかり指導してくれていたので間違っているとは思いません。
そんな感じですから下位クラスとはいえモチベーションを刺激された子供たちが沢山存在していて、その中でも厳しい争いがあるわけです。
どんどん授業も早くなって、難しくなる中、当初は意気揚々と通ってましたが、だんだん顔も暗くなってきました。
頑張っても結果がなかなか出ない。授業も何言ってるか分からない。自分は夕方から夜遅くまで何をやってるんだろうという気持ちだったのだと今思えばそんな感じだったのかと。
基本は電車で通わせてましたが、少しでも楽になるように早く仕事を終わらせて車で私が送迎していました。送り出す時は車のドアを閉めて一人でトボトボ歩いていく姿はさながらダンジョンに向かう勇者のように見えました。
車の中で見送りながら「がんばれ」と毎回呟いていたことを思い出します。
反対に帰ってくるときはHP0ギリギリのふらふら勇者状態で、車に乗るやいなや、当時息子がドハマりしていた「井上陽水かけて」と言ったきり陽水で癒されていました。
通いだした当初は、「あの単元が難しかった」とか「あの問題が解けた」といった感想があったのですが、だんだんそれも無くなってきました。
そして数か月後、定期的に隔週土曜にテストがあるのですが、それを休みたいと言ってきました。
本当は頑張って行ってこいと言いたかったのですが、何となくリスクを感じたのでリフレッシュの意味で休ませました。
その数日後、前回の記事の頭で書いた
「父ちゃん、もうオレ心壊れそう」
「塾行っても何を言ってるのか分からない。座ってるだけ。辞めたい」
と泣きながら伝えてきました。
たぶん本音を言えばもっと前から思っていたんだろうけど、自分で行きたいと言った手前、親に気を使っていたんだろうと思います。
頑張って本音で打ち明けてくれたことは単純に嬉しかったです。
そこで、私は「もういいよ、よく頑張った。今辞めたとしても毎日必死で頑張ったことは決して無駄にならないから胸張って切り替えていけ!」と伝えました。
その言葉を受けて本人の顔がちょっと明るくなったように見えました。
その後、私から以下2点を子供にリクエストしました。
・自分でやりたいといって通った塾だから、自分で先生に電話して理由とともに辞めたいと伝えること
・辞めたあと、何に次切り替えて取り組むのかを教えてほしい
1つ目は子供といえど、自分の決定を尊重してあげる代わりにできることは自分でやるということを学んでほしかったこと
2つ目はすぐに切替えてリカバリーを考えて行動に移すことで次の目標に向かって頑張るメンタルを構築してほしかったこと
これらが狙いでした。
特に1つ目は逡巡していましたが、自分で勇気をもって塾に電話して先生に自分の思いや主張を伝えさせました。もちろんその後は私がフォローしましたが、自分の発言や行動に責任を持つという意識を付けれたかと思います。この自分で動くという経験がその後次の塾などで役に立ってきます。
ということで中学受験は小5の夏で見事にドロップアウト致しました。
ただ、ここから高校受験に速攻で切り替えて、高校受験塾(こちらも結局大手)に通うことになるのですが、この当時は自慢じゃないですが偏差値40未満です。
さて、その後一年でどのように進化するのか。
長くなったので続きは④以降に
https://note.com/blueu/n/n08ab9dba784a
↓①
↓②
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