Twitch「VTuberタグはじめました」
初手土下座🙇、今回は軽めの記事なんだ、すまん!
Twitchタグのニュースをぼけっと眺めてたら、面白いなと思ったので忘却録的にまとめています。
さてAmazonの子会社Twitch Interactive Incが運営しているTwitchは、2021年5月21日に350以上の新しいタグが選択できるようになると発表しました。
Twitchのブログを読むと、カテゴリページの絞り込みにVTuberなどのタグが追加されると考えられます(されました)。また5月27日午前2時30分に/twitchでライブ配信を行い 、タグについて詳細な説明がされています。
ENVTuber界隈の反応
TwitchのVTuberタグは海外のVTuber界隈(特に英語で配信するENVTuber・スペイン語で実況するESVTuber)から強く望まれていた機能でした。そのためこのニュースが発表されるとENVTuber界隈は大盛りあがり、VShojoのCEOやENVTuberの有名所、VTube Studioなどなどなど一斉にツイートされています。またパーソナライズされたトレンドにも入っています。
JPVTuberからも喜びの声がちらほら
日本でTwitchをメインに活動しているVTuberは少ないです。しかしタグが導入されることを喜ぶVTuberはいます。
またTwitchだけで活動するアバター配信者はVStreamerと名乗る方が一定数いたのですが、VStreamerからVTuberへ肩書きを変えるかもしれない空気ができ始めています。
そもそも何で今なのか?
1つ目はTwitchでVTuberが純粋に増えたからです。Twitchのチャンネルで検索すれば、とにかくすっごいます。執筆時にタグ検索で確認したときは、リアルタイムで配信しているVTuberが900名、視聴者は合計で3万人ほどいました。
アメリカの関心もHololiveが爆発的に流行りだした8月ごろ、VShojoが始動した12月ごろに「Twitch VTuber」という言葉が上昇し始めています。そしてそのブームを感じ取り、力量のある配信者がVTuberへ転身しています。いまもVTuberを続けている有名な配信者はCodeMikoさん。彼女はとにかくテクニカルな仕掛けで視聴者を驚かせ続け、ひっきりなしにニュースになっています。他にTwitchで有名なVTuberはAsh_on_LoLさん。彼女はNewzooのまとめたレポートで2021年2月の視聴時間ベースランキングで女性Twitch配信者の4位にランクインしています。
2つ目はTwitchでVTuberの大規模なイベントが増えたこと。言うまでもなくTwitchに影響を与えているVTuberはVShojoです。例えばチャリティーイベントを実施して740万円を子どもたちに寄付しています。
日本で有名なTwitchイベントだと、こちらも言うまでもなくキズナアイさん。例えば、Among Usの国際コラボ配信、DJ Kizuna AIのCONTACT YOUです。またRTA in JapanのチャンネルでもVTuberオンリーイベントが開催されました。
さらに最近だとドイツでDigiKomiというイベントが開催されました。主な内容はドイツのコミケDoKomiの延長線上なのですが、オンライン開催ということもあって、多くのVTuberを招き、VTuber Editionとしてドイツ語と英語で配信しました。有名所でいうとHololiveENの小鳥遊キアラさんやVShojoのVeibaeさん,IronMouseさん,Nyannersさん,Silvervaleさんが、音無りずむさんから転生したKaren伯爵さんの所属するPITAPATが参加したり、日本出身でドイツ在住のTAIDAさんだったりと、その他にも様々な国から有名なVTuberが参加。VTuberのまだまだ少ないドイツである程度の成功をおさめています。
3つ目は「Hot Tub(温水浴槽)問題」です。まずHot Tubが何かというと、プールや浴槽で水着の配信者が視聴者と雑談をする配信です。まあ詳しく説明するまでもなく、YouTubeのおっぱいジャンルのようにそれなりに人気になったわけです。そして3月頃からHot Tubに関する論争が起きました。
Twitchもこの件についてブログで言及。このジャンルでトラブルが起きないようにカテゴライズする流れとなったのです。しかしこの記事が投稿されると、他のジャンルからもっとタグを増やせと不満が噴出。その中にはもちろんVTuberも存在しました。Twitchも人気ジャンルのタグを増やす予定はあったのですが、この「Hot Tub問題」でTwitchのおっぱ…尻に火がつき、発表する流れになりました。
すごく蛇足ですが、Hot Tubの影響力は様々なところにでていて、筋肉質な柴犬VTuberが温水浴槽につかって雑談するkawaii配信が生み出されています。
TwitchとVTuberの関係は?
さてそんな妙な距離感のTwitchとVTuberですが、このタグが作られるまでいったいどんな奇跡をたどっていたのでしょうか?
VTuberがブームになり始めた、2018年の初めごろからVTuberがTwitchで配信しないかなというつぶやきはポツポツと存在していました。
2018年2月にはいるとVTuberによるTwitchで配信が初めて観測されています。万楽えねさんによるお絵かき配信です。
それから2018年3月、クソヤバゲーマーとして猫宮ひなたさんがデビューしたときは、絶対にTwitchが向いていると多くの方が言及しています。
そして2018年4月にはいると、ほんの少しですがTwitchに意識が向くVTuberも存在し始めていたことが観測できました。また週刊ファミ通2018年6月14日号ではVTuberが配信するプラットフォームの1つにTwitchが入っています。
ここまで見てもらったとおり、視聴者もVTuberも早い時期からTwitchをそれなりに意識はしていて、下記のような言及をしています。
VTuberを誘致していた?
Twitchは何もしていなかったかというと、そうではなく由縁アヤさんのツイートにこのような引用リツイートをしていました。
まあ実際のところTwitch側から何かしたのかはわかりませんが、わざわざ引用リツイートをしたり、配信内容をツイートしたりしているところを見るとTwitchにVTuberがきてほしかったんだなと伺えます。またまた蛇足ですが、謎にバーチャルTwitcherという言葉も作られていました。
そしてこれ以降、2019・2020年にかけて、TwitchからVTuberの単語がツイートされることはありませんでした。あまりうまくいかなかったのかもしれません。
なぜうまくいかなかったのか?
理由は2つほど考えられます。
1つは配信プラットフォームの文化の違いです。TwitchだとYouTubeのように動画もストックされますが、どちらかというと配信のほうが強く求められます。例えばあにまーれの白宮みみさんさんのTwitchのクリップでもそのような臭いがあります。そしてYouTubeでは知識系やエンタメ系など動画作品が求められますが、Twitchではストリーミング配信と相性の良いゲームや雑談系が求められます。初期のバーチャルYouTuberは作品系のコンテンツが多く、非常にYouTubeとVTuberの相性が良かったことが、いまいちTwitchに流れがいかなかった理由だと考えられます。
そしてもう一つは言葉そのものにあります。「バーチャルYouTuber」は言うまでもなくYouTuberです。Twitchで名乗るのはどう考えても違和感しかないです。のちにVTuberという言葉になってYouという単語は抜けましたが、Tuberという言葉にYouTubeの影を感じて、わざわざVTuberとVStreamerをわけて名乗る方がいるくらいです。
またまたまた蛇足ですがこのVStreamerという単語は、Twitter上では地味に日本人が初めて使っています。東雲めぐさんを英語圏に宣伝しようとしたツイート、おそらく当時はSHOWROOMでのみStreaming配信しかしていなかったから、こういう呼び方をしたのではないかと考えられます。
さて話を戻して、このVTuberという単語にはもうひとつ面倒くさい要素があります。YouTubeブランドページには以下のような記述があります。
YouTube は、多くのクリエイターがご自身のことを「YouTuber」と呼んでいることを歓迎しています。ただし、「YouTuber」や「Tuber」という単語は、オリジナルの動画や音楽コンテンツを制作して YouTube にアップロードしている人を指す場合にのみ使用するようお願いします。
まあYouTube側に言葉の使い方で権利を行使できるわけでもないですし、他の方がわざわざこのページを知っているとは思えないので、直接影響したとは考えにくいですが…少し気になる内容です。
逆になんで今なのか?
これはもう先程だいたい語り尽くしましたが、まとめると「VTuberがストリーミング配信になれた」「人が増えた」から。
前者はホロライブやにじさんじで日本の視聴者は、ライブ配信にあたりまえのようにふれていると思います。
後者は、YouTubeの激戦区になってVTuberの一部がTwitchに流れたり、裾野が広がってゲーム配信をするVTuberが増えたり、HololiveやVShojoの影響で英語のVTuberが増えTwitchに自然とVTuberが増えたりと、とにかくいろいろな要素が重なりだしたのです。
TwitchJPがあれこれと意識していましたが、結果論としてはそんなことしなくても環境が自然と整い流れがきたということです。
今後注目したいポイント
・Twitchのお墨付きをもらうことでVStreamerという言葉は減るのか?
・この言葉をTwitchが使うことでYouTubeとバチることはあるのか?
・日本語VTuberがTwitchにも増え始めるのか?
まとめるとこんな感じです。
個人的にはVTuberタグをつけてくれることでTwitchの市場規模がわかりやすくなったりするのかなーと、期待してたりします。
きっと何か面白いことが起きてくれるはず…?
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