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水平の遠く、垂直の遥か

 相変わらず同じような道をふらつき同じような写真を撮っている。

 最近の流行は一枚の画像にどれだけ情報を詰め込めるかという傾向があるような気がする。それはそれで技術が必要なのだろうが、やはり相変わらず私はそういうことに関心が向かない。
 私が写したいのは世界の広さと、空と水の深さ。

 地上にどれだけ物資を集めても空を埋めることはできず、そしてまだ鳥は飛んでいる。

 我々が汚した水の底に何が棲んでいるか知らないのに。

 車両鉄道のために造られた構造物がふいに神殿のような姿を見せることがある。
 人間がいなくなりいつか知性をもった存在が現れた時、そこは神聖な空間として拝されるのかもしれない、ふとそう思う。

 意図せず世界の広さを映しているから。

 世界から静寂を消すことはできない。地球の公転が続く限り。


今日の英語:Extent

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