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一汁一菜でよいという提案

これは料理を勉強するようになってから尊敬する土井善晴先生の著書タイトル。

家庭に料理を提供する側になってから、ほぼ毎日の様に献立に悩まされる。栄養は足りているか、バランスは悪くないか、栄養士でもなければ食専門の人でもない為知識に乏しく四苦八苦している。この本は『日常に食べるものは普通においしいもの、それは安心につながる静かな味。見返りを求めない家庭料理は命を作る仕事。家庭料理はおいしくなくてもいい、料理することはすでに愛している。食べる人はすでに愛されている』と一生懸命に向き合うこと、ごはんと具沢山の味噌汁があればそれでいいんだと鼓舞してくれる。


22日に加古川の市民会館にて「毎日の料理の楽しみ方」という講演があったのでチケットを取って足を延ばしてみた。当日は生憎の雨模様、傘を持ち久しぶりに履いたパンプスで片道一時間半近く電車に揺られ加古川の駅まで。

事前に駅周辺にはどんなカフェやごはん屋さんがあるのかなーと調べていたので、行きたいとピックアップした店へいざ。といっても、これが駅を介して南と北、という真逆の方向でさらに行ったこともない土地。ひたすらグーグルマップ片手にテクテクと歩き続けて無事ごはん屋さんにもカフェにも足を運ぶことが出来た。

講演会には平日といえど老若男女問わずたくさんの聴衆、初めて生で土井先生を見聞きしたけど、ところどころ交えたジョークが面白い方だな、と思った。事前に読んでいた著書を片手に先生が引用されたところなど多少線を引っ張りながら、手元の手帳にメモを残していくとなんだか学生時代を思い出した。

人間と自然との間に料理する人がいること、もともとの味付けは自由であり食べる人の責任であったことなど新しい発見もたくさんある中、個人的にとても印象に残ったのは好きなように食べるのが本来の和食であること。そしてハレとケを使い分けることの大事さ。(正直去年食生活アドバイザーで勉強してなかったらハレとかケとか言われても私にはなんのこっちゃ、て感じで意味わからんかっただろうなと思った)

料理を楽しむ、そのための心構えを学べた。そして一生懸命やってればそれでいいんだよ、とどこか肯定してもらえたような気すらした。ごはんと具だくさんの味噌汁があれば、それでいい…その一言にたくさんのメッセージが詰まっているんだなと今なら思える。足を延ばしてよかったなと本当に思える講演でした。

ほぼ家で生活している主婦にとって8㎞ほどの距離をパンプスで歩きまくったのは久々の体験だったけど、美味しい料理に珈琲、充実した(講演の)時間でたいへん有意義な一日だったことは言うまでもない。

「別冊太陽 一汁一菜の未来」も買ったのでこれからのんびり読むことにしよう。

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