極上参上!【振替公演】DAY1 POLARIS tokyo 2024.11.04.
最初に書いておく。3人のミュージシャンがバックを務めた浜田真理子のソロ・ライヴではなく、" 極上というバンド " のライヴである。
本来は7月に開催予定だった東京公演。バンドのお披露目としても最初になるはずだったが延期。その振替公演2Daysの初日に足を運んだ。
昨年の10月に『秋の四辺形』のタイトルでおこなわれたライヴのメンバーで結成されたのが極上だ。そのライヴは浜田真理子のソロに3人が加わっていく構成ではあったが、今になって思えば、僕自身、この日の4人にバンドっぽさを感じていたのだろう。
黒の衣装で揃えた4人がステージに出てきただけで、まだ音も出していないのに既にバンドの存在感。佇まいがかっこよかった。
真理子さん曰く、バンドのコンセプトは " ムード・ミュージック " 。確かに昭和感が満載の雰囲気が全編で流れていて、カヴァー曲はもちろん、オリジナルもそれ風のアレンジで披露される。されるのだけれど、バンド名の由来になったという檜山学のインスト「極上のワルツ」を聴けばわかるように、本領はこちらなのだと思う。途中のMCで真理子さんは " プログレッシヴ歌謡曲 " とも言っていて、これは極上の音をうまく表していたと思うのだが…。
バンドらしさはライヴの構成にも出ていた。1部のラストでは檜山学とMarinoのデュオでピアソラ「Chiquelin De Bachin」を。2部のアタマは浜田真理子と橋本歩の二人で「ミシン」を演った。どちらも自然、かつ、それぞれの楽器の魅力とミュージシャンの個性が存分に発揮されていて、前者は美しく、後者はかっこよく、もっと聴いてみたいと思わせてくれる演奏だった。Marinoと橋本歩の音も聴いてみたい。曲の間奏では4人のソロが存分にフィーチャーされるし、さらに「悲しくてやりきれない」のヴォーカルはMarinoがとるなど、やはりバンドなのである。浜田真理子の歌を聴けなくても否とはならないチカラが極上にはある。
もちろん、今の浜田真理子を最高のカタチで提示してくれるのもこの3人だ。たとえば「神様の街の酒場」。実に真理子さんらしいこの曲に塗られる色が絶妙で、3人それぞれの楽器が主張しながらもひとつになって迫ってくるのは聴き応えがあった。会場の環境から、ほぼナマ音のライヴだったけれど、増幅された大きな音で聴いてみたい演奏だった。
真理子さんは " 来年はレパートリーも増やしてレコーディングまで持っていけるといいなと思っている " らしい。期待したい。特にレコーディング。ぜひ、作品として手元に置きたい音である。極上。その名の通り、素晴らしいライヴをありがとうございました。今後の活動も楽しみにしています。