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Char『For another 100 years』日比谷野外大音楽堂 2024.09.28.

ミッキー吉野と仲井戸麗市がスペシャル・ゲストで参加する、CharのROCK(69歳)YEAR 日比谷野音公演に行った。野音でこのメンバーの音を聴くのを楽しみにしていたし、観る前はそれ以上でも、それ以下でもなかったのだけれど、結果的にいろいろなものが僕の中に降ってきたライヴになった。

野音の入口はいつも気分があがる

野音独特の音で届けられるCharのストラトキャスターが心地よい。1曲目のイントロ部で聴けたフィードバックから興奮させられた。音も演奏も佇まいも、まさにロック・ギタリストの見本。野音で聴くストラト、ムスタング、レス・ポール、最高だった。心配された雨も気にせずにいられたことも大きい。余計なことを気にすることなく、音に集中できるとなれば、日比谷野音の環境は最高だ。徐々に暗くなっていくことはもちろん、秋の入口ならではの虫の声という自然の演出も加わり、曲が演奏されるたびに " 野音はいいなぁ " と思わされながらライヴは進んだ。

ポスターがかっこいい

一人目のゲストはミッキー吉野。2013年に日比谷野音90周年でおこなわれた10円コンサートでも二人の共演を観ているが、MCでも55年前にミッキー吉野等が始めた10円コンサートにふれていた。話に出てくる数字の大きさに歴史を感じたし、実際に野音でそれを聞かされているのは、たとえば活字で読むよりも何倍も何十倍もリアルで感慨深いものがある。思い返してみれば、この辺りから単なる演奏を楽しむ以外の感情が少しずつ自分の中にわき上がってきたような気がする。

二人目のゲストとして仲井戸麗市が登場したのは、ライヴも後半戦にさしかかる頃だった。まずはローリング・ストーンズの「Rain Fall Down」と「Don’t Stop」。もちろんチャボの日本語カヴァーで、2019年の共演時にも演奏された2曲だが、特に後者は “ やめるな 俺と行こうぜ “ とCharに呼びかける歌詞になっているので、時間が経過してのそれはさらに感動的だった。しかも歌詞に「Natural Vibration」と「風に吹かれてみませんか」とJLCの曲が歌い込まれているのが実にチャボらしい。僕自身は、1979年に野音でおこなわれたJLC『FREE SPIRIT』のオフィシャル・カメラマンがおおくぼひさこさんということも重なって聴けたので、この1曲の中に含まれた情報量は多く、おかげでグッときた感が半端ではなかった。続けての「いい事ばかりはありゃしない」は、" リハーサルの前日、夢に清志郎が出てきた 清志郎はCharと仲良かったから、今日は来たかったんじゃないかな " というチャボのMC後にバンド・ヴァージョンを野音で聴かせてくれた。これで感動するなと言うのは無理である。

こうした僕の個人的な思いと想いのピークはアンコールに訪れた。オール・キャストで演奏された「雨あがりの夜空に」。まさかCharのライヴでこの曲が演奏されるとは想像していなかった。しかも " 今日は清志郎も来てると思うんで、これだけは言わせて " と、再びチャボによるMC。" Johnny, Louis & Charが武道館で演ったとき、Charは自分たちの前に俺たち(RCサクセション)を演らせてくれた このことはずっと感謝していた 自信になった ありがとう " 。そしてCharの " オッケー チャボ! " であのイントロをチャボがキメる。涙が出た。泣けた。泣けて仕方がなかった。日比谷野音でRCサクセションが鳴っていた。

Char、素晴らしいライヴをありがとう。

終演後の野音は立ち去りがたい会場No.1


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