山弦『アナオリベスト発売記念ツアー年またぎ追加公演ですって!!バレンタイン♡Special 3DAYS』目黒 Blues Alley Japan 2024.02.12.
追加公演のタイトル通り、昨年の10月に観たBillboard Live TOKYO公演の拡大版といった構成。大筋は変わらなかったが、時間が増えたぶん、それに比例して二人のギターを楽しめた。
演奏時間は2時間弱だったが、体感としてはそれ以上。長いライヴだと感じたのは、ギターと同じ比重のトーク(笑)のおかげもあるだろうが、実際は二人の音に引き込まれる深さが時間となって感じられたからなのだろう。息を止めて聴いているような瞬間が何度かあったし、アコギ2本の音とは思えない分厚さで迫ってくるのも圧巻だった。
ギタリストのこうしたライヴだと、どんな風に弾いているのか、何の機材を使っているのかなど、テクニカル的な部分に興味が行くことも多いと思う。僕自身も若かりし頃であればそうだっただろう。二人のネックやフレット、指に目が釘付けになっていたはずだ。ただ、山弦のライヴはそんな視点を許さないような気もする。繊細で美しい曲も、アップテンポで変拍子の曲も、心地よいひとつの塊として出てくるので、ただただ飛んでくる音にふれ、音を聴くだけで満足してしまうのである。ここに " 観る " という隙を探すのは難しいのではないか。
以前から思っていることだけれど、バンド編成でのライヴを観たい。しかも今のような音ではなく、いわゆるロック・バンドとしての山弦も体験してみたい。