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On the screen "あのライブをもう1度スクリーンで" Vol.1 南青山MANDALA 2024.02.07.

チャボが厳選したライヴ映像をチャボと共に楽しむという企画。映画館を利用しての、いわゆる爆音上映会のような企画は当たり前になっているが、会場が南青山MANDALAというのが実に仲井戸麗市的。第1回目に取りあげられたのは、昨年10月にEX THEATER ROPPONGIで開催された『Music From CHABO BAND LIVE』だ。

Music From CHABO BAND LIVE@EX THEATER ROPPONGI
2023年10月16日公演の上映

冒頭、挨拶で登壇したチャボは " ステージ演出上の理由などで作品化できなかったが、林ワタルに依頼し記録として残してもらった映像だ " と話してくれた。チャボが毎回ライヴを録画しているのを知っている。だから、いくら林ワタル版とはいえ、ひとりで撮影したことから僕自身は簡素な映像を想像していたし、上映自体も編集されたダイジェストだと勝手に予想していたのだけれど、チャボは " アタマから全部流すよ " 宣言。驚いたが、重要なライヴに対するチャボの思い入れを考えてみれば、これは当たり前だった。1曲も…それどころか、MCのひと言さえ削除することはまったく考えなかったのだろう。

肝心の映像にも驚かされた。チャボに届けたプライベートなものなのだろうが、林さんが自身が操作する以外も会場に固定カメラを設置し撮影したそれは、発売作品として発表されてもおかしくないクオリティで、しかも音も素晴らしかった。どういう編集をされたのだろうか。林さんに聞いてみたい。

終わってから…いや、既に観ているときから感じていたのは、単なる過去に行なわれたライヴ映像の上映会ではなく、まるでEX THEATER ROPPONGIでおこなわれた『Music From CHABO BAND』の2日目じゃないか…ということだ。そう思うことにしたのではなく、本当にそう感じられたのだ。途中、MANDALAに座って観ていることを忘れた時間が何度もあった。林さん視点とはいえ、そう思わさせてくれた映像と音だったのもあるだろうが、何よりも演奏するCHABO BANDのライヴ感がその理由だろう。素晴らしいバンドである、CHABO BANDは。あの夜、あの場にいた全員が僕と同じように思ったと信じたい。

アンコールのある曲では、機材トラブルなのか中断するアクシデントがあったのだけれど、その時間をトークで繋いだチャボと、手拍子とコーラスで盛り上げたお客さん。ライヴだ。あの時間こそが、まさにライヴだった証拠ではないか。

中断しているあいだ、昨年10月のライヴに足を運べなかったという方から " 最高のライヴです。行けなかったから観ることが出来てうれしいです " と声がかかった。それに対しチャボは感謝の気持ちを伝えていた。簡単な言葉ではあったが " 心からうれしく思っただろうな " ということが、あの場にいた全員に想像がついたはずだ。何気なく短い時間ではあったが、チャボとお客さんが一体になれた感動的な瞬間だったのではないか。

最後に、僕からもひとつ、つけ加えたい。僕は昨年10月のライヴに行った。行ったけれど、この夜に観た映像は最高のライヴだった。忘れがたい夜になった。

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