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佐野元春&THE COYOTE BAND ロッキン・クリスマス 2024『L'ULTIMO BACIO Anno 24』恵比寿The Garden Hall 2024.12.25.

今年のロッキン・クリスマスに加わったのは元春クラシックスの再定義ヴァージョン。もちろんこれまでもいくつかがライヴで披露されてきたが、この日はまさかの曲が飛び出した。それがクリスマスならではのスペシャル演出でなかったことは(この表現が相応しいかはわからないが)残念ではあったのが本音だし、後から作品として発表されることが知らされたので、あぁそういうことか…と理解するにいたったけれど、何の情報もなくライヴの場で体験したその時間は、間違いなく僕にとって強烈で感動的だった。

2024年に68歳の元春が ” つまらない大人にはなりたくない ” と歌う色褪せない不滅のロックン・ロール。しかもこのフレーズはオリジナル・ヴァージョンとは異なり、2度リフレインされたのである。いつ誰が何処で聴いても楽曲としてゆるぎないことをあらためて認識した。

ロビーには過去のシリーズ写真がパネルで並べられていた

今年は12月25日、まさにドンピシャのクリスマスにおこなわれたこともあって「みんなの願いかなう日まで」と「クリスマス・タイム・イン・ブルー」の2曲のクリスマス・ソングはいつも以上に沁みた。スタンダード化されている後者の素晴らしさはもちろんだけれど、" いろんなことがあってみんながここにいる " と歌われる前者は、「みんなの願いかなう日まで」のタイトルも相まって、毎年ここで聴くたびに感動的。素敵な瞬間だ。

そのカタチは毎回変わるにせよ、短い時間ながらも全キャリアをカヴァーするプログラムになるロッキン・クリスマスは、やはりファンにとって特別な夜になっているだろうと思う。そして、少なくとも僕にとっては心からメリー・クリスマスと声に出したいライヴでもある。


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