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kyOn淳Roulet 高円寺JIROKICHI 2023.09.21.
10年前も同じJIROKICHIで観ているDr.kyOnと下山淳からなるユニットのセッション。このときは初体験でバラエティに富んだメニューをお腹いっぱいに楽しんだ。あれから10年も経つのかと思うとクラクラするが、今回も期待して高円寺へ。
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音がでかい。しかし、でかくなきゃロックじゃねぇ…と確信できるような4人の音が美しい。あらゆる角度からバンドをコントロールするKyOn。轟音の中にも繊細さが見える下山淳。安定感抜群の井上富雄がボトムを支え、湊雅史のビシバシパワフルドラムが飛んでくる。すべてのシーンで目と耳を奪われる。終演後に耳鳴りがするライヴも久しぶりだ。
いきなり2曲目に「黒の女」。過去に聴いたものとは明らかに異なる「黒の女」だった。同じ曲なのに。この時点で既に満足してしまう。まだ2曲目なのに。
ライヴを迎える直前に、少しでも気分を盛り上げようと、Dr.kyOnと下山淳それぞれのソロ・アルバムと、フランク・ザッパやロキシー・ミュージックの1stを聴いていたのだけれど、何と本編でkyOnが歌う「リ-メイク / リ-モデル」が演奏された。Dr.kyOn、下山淳、井上富雄、湊雅史で演奏するロキシーだ。驚きと嬉しさと共に、その実にかっこいい演奏に唸らせてもらった。もういちど書く。かっこいい。
藤井康一と衣美を迎えてのセッションも楽しかった。特にあいだにショッキング・ブルーを挟んでのソウル・ショーは圧巻。衣美のヴォーカルがバンド・サウンドと一緒に脳天まで届く。音と言うよりも空気の振動そのもので、聴くのではなく体感するという言葉が相応しく、目の前で繰り広げられる演奏に、ただ身を任せるだけの心地よさったらない。
それにしても、こんなに素晴らしいバンドが不定期な活動というのはもったいないなぁ。
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