リクオ presents KANREKI HOBO CONNECTION JIROKICHI編 3days 第1夜 高円寺JIROKICHI 2024.09.05.
リクオの還暦を記念した一期一会のコラボ・ライヴ。高円寺JIROKICHIの第1夜を観た。この日の共演者は梅津和時と仲井戸麗市。
リクオのソロ弾き語りの「イマジン」でライヴは始まった。リクオがアレンジしたジョン・レノンとして楽しめる一方で、この後に出てくるふたりをこの場にいる観客は知っているわけだから、忌野清志郎の日本語詞で歌われるそれの効果は半端ではなかった。ここからの2時間半に着く色を静かに…それでいて力強く決めたオープニング・ナンバーだったと思う。
2曲目からリクオと梅津さん。中盤からはリクオとチャボとそれぞれ共演が続き、本編終盤からアンコールは3人の演奏。基本的にはリクオのオリジナルにふたりが絡む構成だが、いくつかのカヴァーやチャボとRCサクセションの曲がそこに加わっていた。サキソフォン・プレーヤーとして、そしてギタリストとしてリクオ・ナンバーを演奏する梅津さんとチャボのかっこよさ。それを目の当たりで観て聴くことができる贅沢さ。特に他人のライヴへのゲスト出演でこそ出るギタリスト仲井戸麗市の魅力をJIROKICHIで体験できたのは幸せだった。
もちろん、僕にとっては3人によるRCサクセションもどうしたってポイントになる。チャボが登場してからは「君が僕を知ってる」が序盤で、本編では「雨あがりの夜空に」、アンコールで「いい事ばかりはありゃしない」が3人で歌われた。他の曲中でもRCや忌野清志郎の香りが漂っていたし、実際に清志郎を語るMCもあった。ただ、演奏された3曲のRCはチャボのライヴでも定番中の定番だし、これまでも僕は何度も何通りも聴いてきたものでもあるから、正直、言い方は良くないけれど、" またか " の思いが一瞬よぎったことは否めない。しかし、" リハーサルから魔法がとけていない " とリクオが話していたとおり、60歳が最年少のトリオが演奏する音楽…ロックン・ロールには、確かに魔法がある気がする。さらに言えば、僕には44年もの長い時間とけることがない、RCサクセションによってかけられた魔法がある。一瞬よぎった " またか " の思いは、同じく一瞬で吹き飛んでいたのは言うまでもないだろう。
いいライヴだった。リクオのライヴを観るたびに感じることだが、簡単な言葉になってしまうけれど最大限の賛辞だ。本当にいいライヴだった。
P.S.
3人による仲井戸麗市の「BLUE MOON」が美しかった。