麗蘭Action Vol.12 [Homecoming] Billboard Live Tokyo 2024.06.09.
麗蘭がビルボード東京に初めて立ったのは2009年の暮れ。元々は年末の磔磔公演の前に開催されていたから、個人的には磔磔の予告編的な楽しみ方をしていたのだが、2017年からは年が明けた1月開催に変わったので、磔磔の追加公演的な位置づけに僕の中ではなっていた。だから、6月の開催はこれまでなかったので、唐突な感じもありつつ、新鮮な気持ちで会場に向かった。
ビルボード公演は限られた短い時間の中でおこなわれる2ステージだ。最初のうちは " 短いなぁ " と不完全燃焼な印象を持ったが、毎回ここで観るうちに、ビルボードでのライヴに満足できなかったことが一度もないことに気づく。その理由を僕なりに考えてみた結果、それは環境であると2014年の公演を観て結論づけた。
みえる きこえる わかる
この3つが客としての立場から考えたライヴを楽しめる要素だと思うが、ビルボード東京は、このすべてを満たしてくれるのである。メンバーがみえる。音がきこえる。そして、その音はメンバーがどうやって出しているのか、どんな表情でプレイしているのかがわかる。これで楽しめないはずがないのである。いちばん肝心な音楽を音楽として、さらに生(ライヴ)のそれをどれだけ感じて楽しめるか。これを満たしてくれることが、やはりいちばんだと思うし、客側から考えてみれば、これは当たり前に提供されるべきのことなのだが、当たり前にならないシチュエーションも少なくない。僕自身は、年末の磔磔のように、満足にチャボの姿がみえなかったライヴであっても、この場にいられるだけで嬉しいと感じたことも過去には何度もある。しかし、しっかりとみえて、きこえたら、感動は数倍にもなるに決まっているのだ。Billboard Live Tokyoは、100%に近い麗蘭のライヴを体験できる唯一の会場なのかもしれない…が、僕の結論である。
そんな会場で体験した2024年の麗蘭。昨年末の磔磔から半年以上が経つが、同じタイトルがつけられているので、決して磔磔とは違った意味ではなく、おそらく同じ意味で向かったライヴなのだろう。
1時間半の中に新旧の定番と新曲。これまで通りのメニューだが、そこに1stヴィデオ『Welcome Home!!』から2ndアルバム『SOSが鳴ってる』までの収録曲が入ると引き締まる。今回で言えば「顔」と「あこがれのSouthern Man」。麗蘭のライヴに頻繁に足を運んでいるファンであれば、そうレアに感じなかったかもしれないが、それでも全盛期(あえてこう呼ぶ)の曲は気分があがる。久しぶりに聴く喜びに加え、それをリアルに体験していた時期が思い起こされて今に重なってくるからである。
「マニフェスト」や「GET BACK」のように2本の歪んだエレキが鳴る曲はビルボードならでは…だ。音がぶつかってくるような体感。こんな音で聴ける会場は他にあるか? ないだろう。願わくば2ndアルバム以前の麗蘭をビルボードで聴きたい。1stと2ndのアルバム再現ライヴを企画してくれないかな?
麗蘭
Action Vol.12 [Homecoming]
ex)RCサクセションの仲井戸“CHABO”麗市とex)THE STREET SLIDERSの土屋公平。ロック史に名を刻む2人に、早川岳晴(ベース)とJah-Rah(ドラムス)がジョインする麗蘭がビルボードライブ東京に再降臨。共に互いのスピリットに共鳴し並走し続けている彼らは、妥協のない音作りとメロディ、そして積極的なライブ活動を通して今なお音楽ファンを魅了し続けている。約4年ぶりの登場となる彼らが一体どのようなパフォーマンスを魅せてくれるのか期待が高まる。親密なクラブ空間に響き渡る、格別なブルース、ファンク、R&Bを間近でご堪能あれ。
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