映画「消えない罪」を観て
12月25日、「消えない罪」という映画をNetflixで観た。原題は「The Unforgivable」。2021年のアメリカ映画で、ノラ・フィングシャイト監督の作品だ。
キャストは、ルース役のサンドラ・ブロック、ジョン役のヴィンセント・ドノフリオ、リズ役のヴィオラ・デイヴィスなどである。
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あらすじは、
ルース・スレイターは過去に犯してしまった殺人の罪で20年服役の後出所したが、世間の風は冷たく、故郷でも厳しい批判に遭う。行き場を失ったルースは、罪を償う最後の手段として、ある理由で置き去りにしてしまい、離ればなれとなった妹を探す旅に出る。
といった内容。
で、観終わっての感想。
罪は服役を終えても消えない
ルースは、保安官殺人の刑期を終えて、シャバに出てくる。
しかし、シャバは、刑期を終えた犯罪者にとって、優しく迎えてくれる世界ではなかった。
ひとたび、その真実が知れてしまうと、そこには暴力や、偏見が待ち受けている。
そう、この映画の中で、罪は消えないことが強調されて描かれている。
真実を知った時、そこには妹への愛があった
しかし、その裏には、犯罪者と鳴ったルースしか知り得ない真実があった。
でも、それは誰も信じてくれないだろうし、妹をかばう姉には、当然その真実を話す選択肢はなかったことだろう。
現に、妹は自分がしたことさえ忘れてしまっている。
妹は、何しろ5歳。姉は妹を守ることしかできなかった。
ボタンの僅かな掛け違いから、事件は起きる
この映画の中で、殺された保安官の子どもであった兄弟が出てくる。
最初は、ルースの出所情報を調べ、復讐を企てる兄であった。しっかし弟はその考えを否定する。
しかし、弟がルースと会話をする機会を得る。
「それでも人生は続く」との言葉は、弟の心を変えるには十分の言葉だった。そして、弟と妻の不和。兄と妻の不貞。
その出来事で、弟は、ルースの妹を殺すことを決意するのだ。
よく考えると、ボタンの僅かな掛け違い。
犯罪とは、そのような中で起こるのかもしれない。
妹は、姉だと知っていた
最後の場面。
無言でルースの方によってくる妹が、ハグをする場面。
妹は、姉について何もかも知っていたのだ。
これにより、ルースは救われる。
ただ、別の観点からすると、里親の気持ちはどこへ行くのだろう。
少し、やるせなくなるシーンでもある。
運命のいたずら。
同しようもない犯罪。
もしかしたらこの世の中には、こんな事例が数多くあるのかもしれない。