息子の習慣性脱臼 その3

あまりにも頻繁に肩を脱臼して日常が崩壊しそうになっていた。
でも、手術もできず、手の打ちようがなくてどうしていいか分からない。
そんな時、整形クリニックで教えていただいた方法。
よく、ネットとかでうつぶせになって重りをつけた腕を下に垂らす方法(Stiomoson法)が紹介されているけど、それに近い感じ。
痛くない程度に一定の力で腕を引っ張るというもの。
痛いと力んでしまうので、脱力した状態で腕を一定に引っ張り続けると筋肉が伸びて自然に整復しやすくなるらしい。

あまり力をかけないとはいえ、本人をリラックスさせながら30分くらい一定に引っ張るというのはなかなか大変だった。
でも、本人も、母が何か肩を治そうとしていることは分かるのか、あまり抵抗することなく、まずまず協力的だった。
夜間や週末、救急外来に行っても、整形のドクターがいるとは限らないので、まず家でこれを試してみた。
でも、これで、「よっしゃ、治った!」となることはあまりなかったので、30分引っ張ってダメなら諦めた。
ただ、その後、いつの間にか肩が治っているということが何度かあり、何もしないよりはやった方がいいかも?と思えることが多かった。

それが…
いつの頃からか、息子は自分で肩を整復できるようになった。
最初は、まさかと思ったけれど、歩きながらとか、自分でちょっと肩をそらしたり手を伸ばしたりしていたかと思ったら次の瞬間には治っていたりするのを目の当たりにした時の衝撃!
最初はそれでも病院に連れて行っていたのだけれど、2時間待たされて、治っている肩のレントゲンを撮ってもらうだけというのは負担感の方が大きいので、もういいことにしている。
言葉を殆ど話さない重度障がい児が、自然に感覚をつかんで自分で治せるようになったことは、驚きでもあり、息子の成長の可能性を感じられる出来事だった。

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