クソがつくほど真面目な部下のトリセツ
人として真面目に生きることはとても大切です。
小学生でも知ってる当たり前のこと。
これは社会で仕事をしていく上でも大前提の話で、真面目なヤツで嫌われたり下手に敵を作ってフェードアウトしていくリスクも低い。実に堅実である意味食いっぱぐれない。
私も50も過ぎると何人もの部下を抱え、様々な生い立ちや性格の人間をチームとしてまとめ上げていく必要がある。仕事の成績はトップクラスだが女癖が悪い奴、片付けや身の回りの事がからっきしでだらしないけど何故か皆に好かれる奴、隠していたミスがどうしようもなくなってから発覚し、沼るのを繰り返す奴・・・実に様々である。
そんな中の部下の一人に、超・ド・クソの冠を欲しいがままにする真面目な奴がいる。いやいや、噂には聞いていたが、想像以上の真面目さである。
上司や先輩から言われたことは全て真に受け、言われた順番に一つ一つやっていく。当然、優先順位とかあったものではなく、不規則に屋根から滴り落ちる雨粒を、端から端まで走りまわり、一粒ずつオケに入れる作業を一日中しているようなものである。
また、一つひとつの作業がバカ丁寧で要領が悪く、ひとつの仕事を終えるのに普通の人が10分で済ませるのを1時間もかかることもザラ。当然、非効率な仕事のせいでこちらが要求している精度とボリュームをこなすことができず、悪循環というルーレットを永遠にまわりつづけている玉のようだ。
いや、彼の良いところは真面目さ。これは俺にはない絶対基準で、若い頃から酒・女・バイクといった大友康平の歌詞にあるような自由奔放な生き方をしてきた俺にとっては、まさに未知との遭遇で、俺が20代の頃と同じ星のもとで生きてる、同じ生命体とは信じられない。
そんな部下である。
悪いところは放っておき、良いところだけ伸ばせ!って、そんなこと言われなくても百も承知である。そして彼の父親は自分より一つ上なだけであるという事実も最近知った。
ズル賢い奴や適当にやってる奴、私生活の指導が必要な奴、、、そんな部下らには後光が射すくらいのオーラ全開でアドバイスできるのに、このクソがつくほど真面目な部下のチワワのような瞳で見つめられると何も言えなくなる。
誰か彼のトリセツをダウンロードさせてください。