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料理とお酒を楽しむ喜びが戻ってきた!

今回、お正月に泊まったのは、京都府亀岡にある「湯の花温泉 すみや亀峰菴」という温泉旅館。
予約の日を間違える、ちょっとした事件に巻き込まれるなどのハプニングはあったが、とても素敵な宿だった。

予約する時に、私が気に入って選んだのは、温泉掛流し露天風呂ジャグジー&岩盤浴付洋室。
風情のある露天風呂付の和室も良かったが、「天蓋付きベッド」に惹かれてしまった。それと、岩盤浴も。そんな部屋は初めてだったから。

入ってみると、すごく素敵!

リビングは落ち着いた雰囲気
これよ、これ!
憧れの天蓋付きベッド!
お姫様のベッドやー!と
大はしゃぎの私
ジャグジー付き露天風呂
もちろん源泉掛け流し
露天風呂の横に岩盤浴室がある
専用ガウンを着て
タオルを敷いて横になる。
じんわりあったまる。
ちょっとしたインテリアもオシャレ

そんなに広くはないけれど、センスの良いお部屋だった。この間の伊豆の貸別荘(通称、合宿所)を思い出して、全然違うなぁと思った。(もちろん臭くない!)

今回は食事も楽しみだった。
こちらの宿のソムリエは、オーストリアワイン大使とのこと。和食とオーストリアワインのマリアージュを楽しめるという。
コース料理の一品ごとに、ペアリングされたワインを楽しむというのは初めての経験だ。基本的に、お酒の味わいや香りをごちゃごちゃ言いながら料理と合わせるのが大好きなのでこれは楽しみだ。期待が高まる。「さて、プロのお手並み拝見といきましょう!」みたいな気持ちでいた。

食事は部屋ではなく、食事処に移動する。窓際の席で景色もきれいだった。
最初に食前酒の「赤すぐりのワイン」で乾杯!
軽い甘みの飲みやすいワインだ。
そこからコースが始まった。

八寸はお正月の雰囲気
亀岡牛のたたきと白和えが気に入った
ワインはスパークリング
シュタイニンガー
ぶどうはグリューナーフェルトリーナー
椀物は蛤真丈
手毬麩がもっちもち!
椀物がうまいと安心できるなぁ
向付はお造り3種
ふぐ焙り、まぐろ、貝柱
こんなに分厚いふぐは初めて!
噛んでいると旨みが出てくる。
合わせるのはティンホフの白ワイン
ふくよかなタンニンがお造りにも合う!
お造りを邪魔しないのはさすが。

替り鉢は丹波産猪肉小鍋
見るからに新鮮さのわかる美しい猪肉!
味噌仕立ての鍋だけど、ポン酢につける。
臭みの一切ない美味しい猪だった。
合わせるのは、ティンホフの赤ワイン
滑らかで爽やかな味わい。
焼物は京野菜鯛味噌焼
朴葉の上に鯛味噌と温野菜
この味噌が絶品!!
ツァーヘルの白ワインと。
13種類の葡萄品種を植えた畑のワイン。
複雑な味わいに感動!
温物は甘鯛の蕪蒸し
京都らしく聖護院蕪を使用。
わさびがいいアクセントに。
ユルリッチのナチュラルワインが
ほっこりした蕪蒸しによく合う。
ご飯はシンプルに
炊き立ての亀岡産コシヒカリ
水物は、紅はるかの焼きプリン
キウイとイチゴを添えて

しみじみと感動した。
美味しいのはもちろんだけど、和食にこれほどワインが合うのかと。
「和食」と謳いつつも、ちょっと洋風に仕上げてくるのかと思っていたら、直球ど真ん中の京風懐石で。
それが完璧なマリアージュだなんて、ちょっと信じられないというか、「やられた!」という感じだった。敗北感すらあった。そのくらい、自分のワインに対する「無知」を知らされた。
こんなふうに、食欲だけでなく知的欲求まで満たされてしまうと、食事は「感動」を呼ぶ。

奇をてらった料理がないのもよかった。京都産、特に地元の亀岡産のものを多く使い、素材そのもののうまさで勝負。それを引き立てるワインのセレクト。
うーん、完璧すぎる。
こういうのがいいんだよなぁ。

ワインでも日本酒でも、それそのものが美味しいのは当たり前で、料理と合わせた時にお互いが何倍も美味しさを引き立て合うのが面白い。
お酒と料理のマリアージュというのは、自然の恵みと人間の英知を融合した芸術だと思う。

夫も感動していて、特に猪鍋の赤ワインを気に入っていた。後でリストを見せてもらったら、購入すると14,300円もする、いいワインだった。
オーストリアワインは比較的リーズナブルだと言っていたので、フランスワインだったら倍くらいの価値があるかもしれない。(知らんけど)

さて、今回この食事で私がどれくらい飲み食いできたかというと、なんと完食!!
ワインは料理に合わせてスタッフが注いで、説明してくれるので、最初に「私は全種類は飲みたいんですけど、あまり量が飲めないので、少しずつにしてください」と頼んでおいた。
それで、半量くらいだったこともあるが、5種類のワインをすべて飲み、料理も全部食べられた。

昨年7月に夫の誕生日で有馬温泉に行った時は、最初の2品くらいでもうダウンしてしまったし、お酒も一口くらいしか飲めなかったのに!
この2年ほど、私が食べきれずに夫に手伝ってもらうというのが常だったので、夫はこの日も期待して待っていたようだった。
「え!ふぐは一切れもらえると思ったのに!」
「猪は苦手やろ?無理やろ?」
などと、私の料理を狙い続けていたが、私が自分で全部食べるのを見て、残念なような、嬉しいような、複雑な顔をしていた。
(本当は食べられたけど、あまりに見てくるので、猪は小さいのを一切れあげた)

部屋に戻ってから、夫は私の元気な姿を見て感動していた。
「いつもご飯の後はすぐ横になってたのに!」
「ワインも飲んで、料理も全部食べれるなんて!」
でも、「ふぐはもらえると思ってた」と、まだ言っていた。(分厚い生魚が苦手だから)

私も嬉しかった。
全部食べられたこともそうだけど、久しぶりに食事が「楽しいもの」だったからだ。
ここ数年は、とにかく「食事」「飲み会」が苦痛でしかなかった。
コース料理など、いつもお品書きを見ながら「あと何品?」と、残りを数えるたびに憂鬱になっていた。
食事やお酒は楽しむものではなく、修行のようだった。早く終えて、横になりたくて仕方がなかった。
そして、そんな自分が嫌だった。
食道楽で、食べることや飲むことが大好きだったのに、食事を楽しめなくなったことが悲しくて悲しくて。

でも、もう大丈夫だ。
レンビマを休薬する必要はあるが、コース料理もお酒も楽しめるようになった。
翌日はちょっとしんどくなるが、それでもその日は元気に過ごせる。
美味しく感動的なマリアージュだったし、自分の回復も実感できた食事だった。

翌朝。
朝食は品数は多いけど、ヘルシーなおばんざいという感じでおいしく食べられた。

小皿がいっぱい
熱々の豆腐とちまき
大きな「おくどさん」があった。
これで炊くから白ご飯が美味しいのだ。

旅館の中には憩いのスペースもあった。
ここでゆっくり本を読むのも良さそう。

「ライブラリー徒然文庫」
本もあるし、イベントなどもやるらしい
素敵な暖炉があった!

ロビーにもアート作品が置かれていて、部屋だけでなく、館内全体が素敵な旅館だった。
家からも近いのでまた来たい。今度は違う季節がいいな。

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