
世界にひとつだけの「MY日本酒」をつくってみませんか?
夫の知り合いの方の紹介で、面白い日本酒体験に参加した。
世界にひとつだけのオリジナル日本酒づくりが体験できるというものだ。
会場となるのは、2025年1月23日に京都市内にグランドオープンする「My Sake World 御池別邸」。
現在は関係者向けのプレ営業中。私も本格始動するより一足先に体験させてもらった。
「My Sake World 御池別邸」は、地下鉄烏丸御池駅から徒歩8分。姉小路通富小路にある古民家を改装した雰囲気のある建物だ。

(写真はSake Worldさんのサイトよりお借りしました)
ここでできるのは、オリジナルブレンド日本酒(マイサケ)づくり。と言っても、米と水から酒を仕込むわけではない。
市販されている日本酒12種類をきき酒して、そこから3種類(基本)を選んでブレンドし、「自分好みの味わいの酒」をつくるというものだ。
ワインの世界では「アッサンブラージュ」といい、いくつかのワイン原酒をブレンドして新たな香りや味わいを生み出す手法が確立されている。それと同じようなことを日本酒でもやってみようというのだ。
今回体験したのは、私と夫を含めて4名。まるで高級料亭のようなカウンターに座ると、大きな窓から紅葉と椿が見える。ラグジュアリーかつ風情もある空間だ。


(写真はSake Worldさんのサイトより)
最初にスタッフの方から簡単に日本酒のつくり方や特定名称(大吟醸とは?など)についての説明があった。話はわかりやすく、時折ユーモアも交えたもので、これから何が始まるのかとわくわく感が高まっていった。
テーブルには自分専用のきき酒用のプラカップと説明書、ブレンドする道具などがセッティングされている。


コーヒー豆は香りのリセット用
ブレンド比を計算する電卓
スタッフの説明にしたがって、まずは12種類のきき酒からスタート。
香りの華やかなもの、穏やかなもの、キレのあるもの、まろやかな甘みを感じるもの、酸味の強いもの、穀物感が際立つもの、熟成しているものなど、12種類もあるのにどれも違う個性を感じられ、同じものは1つとしてないことがよくわかる。かなりよく考えられたラインアップだと思った。
私はきき酒に慣れているが、日本酒になじみがない人や「日本酒なんてどれも同じ」と思っている人でも、はっきり違いがわかるだろう。
このきき酒だけでも面白いし、十分に価値がある。
きき酒が終わったら、その中から3種類を選ぶ。
「まずは一番好きだったものを選んでください」
「その後、次に好きだったものを2つ選んでください」
スタッフの指示にしたがって、自分好みのものを選び、用紙に「◎」をつけておく。
「こんな味にしよう」とか「酸味を強くしよう」など、細かい味わいを考えて選ぶのではなく、シンプルに「好きだと思ったもの」を選ぶのがポイントとのこと。
私は1番に石鎚酒造の「石鎚 純米大吟醸 さくらひめ」、2番に高の井酒造の「田友 特別純米」と増田徳兵衛商店の「純米酒 祝80%」を選んだ。
3つ決まったら、今度は合計40mlになるように何をどれだけ入れるか、レシピを考える。何mlずつにするかは自由だが、ベースになるお酒を「20ml」にして、残りの20mlを「10ml+10ml」、もしくは「15ml+5ml」にするのがおすすめとのこと。
また、あくまでも基本は3種類のブレンドだが、2種類や4種類などにしてもいいという。例えば2種類選んで、1種類を「37ml」、もう1種類を「3ml」という極端なブレンド配合にするのもアリだ。
これはかなりチャレンジングな例だが、ほんの少し別のお酒を混ぜることで劇的に味わいが変わることもあるというから面白い。組み合わせと配合は無限だ。

サンプルは2回つくれるとのことなので、1回目は基本に忠実に、1番好きだった「石鎚」をメインに据えて20mlにし、あとの2つを10mlずつにした。
学校の理科の授業でしか使ったことがないメスシリンダーで正確に測り、三角フラスコで混ぜてグラスに移す。なんだか実験みたいで楽しい!



出来上がったら試飲する。
私は「石鎚」のまろやかな甘みと華やかな香りは残し、そこに米の旨味はあるが主張の激しくない純米酒を混ぜて、ややコクのあるお酒にしてみたかった。
飲んでみると、うん、悪くない。イメージに近い。
夫とは味の好みが似ているので、選んだお酒も2つまでは同じだった。
出来上がりを飲ませてもらったら、夫の方が好みに仕上がっていた。夫はちょっと酸味のある「富翁」を混ぜていたのだ。
なるほどな~、酸味は大事だ。一気に味の幅が出る。勉強になるわー!
そういうことを計算しながら作るのも面白いと思い、2回目のサンプルは単に好きなお酒を選ぶのではなく、もう少し出来上がりをイメージして、選ぶお酒と配合を考えてみた。
まず、松井酒造の「神蔵」をメインに据え20mlにする。「神蔵」は美味しくて好きだけれど、生酒ゆえか輪郭がはっきりしないので、ここに「キレ」と「酸味」をプラスしたいと思った。
フレッシュで可憐なお酒に、もう一つ強い芯を加えるイメージだ。
そこで、華やかだけどキレのある「龍勢」と酸味の強い「富翁」を10mlずつ混ぜてみた。
出来上がりを飲んでみると、いい!
1回目のレシピより自分好みに仕上がった。
わー、これ楽しいー!
2つのサンプルができたら、気に入ったほうのレシピで本番のお酒を作る。今度は合計が200mlになるように、それぞれを5倍の量にして混ぜる。
私は2回目のレシピを採用した。
神蔵を100ml、龍勢と富翁を50mlずつ。
それを瓶に詰めて蓋をしたら、いったんスタッフに預けて「火入れ」と「冷却」をしてもらう。つまり、殺菌作業だ。
そして、ラベルを書いて貼ったら、自分だけのオリジナル日本酒が完成だ。

比べると夫の方が量が多い?!
自分のオリジナルブレンドのお酒はもちろん持って帰れる。
ここからがこの施設のすごいところで
・MYレシピを保存でき、注文も可能
・作ったレシピでコンテストに応募可能
といった、帰ってからの楽しみも待っている。
オリジナル酒が気に入ったら、例えば友達や家族などに同じものを注文してプレゼントすることもできるというわけだ。
「これ、私がブレンドした酒やねん。世界に一つだけしかないんよ」
そんなふうに特別感をアピールできる。
もちろん、自分の晩酌用にお気に入りのオリジナル酒を持っておくのもいいし、最初から誰かをイメージして「作ってあげる」のもいいだろう。
「あなた専用のお酒です」とプレゼントするのも粋かもしれない。
さまざまな楽しみ方ができる「MY日本酒づくり」。
今回、私も体験してみて、日本酒はもっと自由でいいんだと感じた。
難しいスペックも銘柄も何も知らなくてもいい。
どんな飲み方をしたってかまわない。
ただ、世界に誇れる日本酒という文化にもっと触れて、知って、楽しんでほしい。
日本酒の楽しさ、可能性は、無限だ。
2025年1月23日にグランドオープンする「My Sake World 御池別邸」。
興味をもった方は、一度体験してみませんか?
体験料金:5,900円/人(体験+200mlボトル持ち帰り)
▼詳しくはこちら▼