「eスポーツに音ゲー部門がない5つの理由とプロゲーマーの現状」に突っ込み続ける

「音ゲー スポーツ」で検索を掛けると「音楽ゲーム×eSports」な記事ばっか引っかかります。 個人的に探しているのは DDRer たちとかをネタにしたやつとかなんですけどね。

まあそれはいいんですが、引っかかった記事のうち一つがあんまりにもあんまりなので突っ込み続けようと思います。

元記事はこちらです。 こんなんの PV 増やしたくないので WayBackMachine でお許しください。

リード部

eSports と日本語のスポーツはほぼ無関係

『eスポーツ(e-sports)』が今盛り上がっています!! ゲーム対戦をスポーツ競技と捉え、世界中で様々な大会が開かれており、賞金規模が数千万~数億円の大会も多数開催されています。

最初のところで「間違い」とは言い切れない話を持ってくるのもあれなんですが、誤解を招く表現だと常々思っているので。

“eSports”はゲームをスポーツに喩えた単語ではありません

もとの英語の“sports”は、チェスのようなボードゲームも含む広い概念です。 “eSports”とはそのままズバリ「電子的な sports」のことに過ぎません。

日本語の「スポーツ」は“sports”のなかでも肉体的なものに絞った言い方です。

なので“eSports”だけそのまま直輸入してしまうと「ゲームをスポーツに喩えた概念」という認識が生まれてしまいます。 ぶっちゃけ英語の“eSports”にもっとも近い日本語表現は単に「ゲーム競技」なんじゃないかと思っています。

この辺は諸説ありそうですけどね。

eスポーツに音ゲー部門がない5つの理由

音ゲーに対戦(相互作用)要素は皆無ではない

一方で音ゲーはいかにミスなく高スコアを出すかというスコアタック形式です。 相手と対戦して勝敗を決めるというわかりやすい結果ではなく、自分自身との戦いなのです。

たしかに FPS や格ゲーにくらべて音ゲーに対戦要素が少ないのは間違いありませんが、ちゃんと存在します。

REFLEC BEAT はまさに相手に対して攻撃を行うゲームですし、pop'n music はお邪魔要素を送りつけることで間接的に妨害を行うモードがあります。

裾野を広げてみれば、大会において相手がプレイする曲を選手が指定するのも攻撃の一種といえます。

見出しに反する内容・構成不備

もちろんオリンピックではアーチェリーやフィギュアスケート、体操などのスコアアタック形式の種目はたくさんあります。 しかしこれらとは違い、音ゲーは見た目の美しさや素晴らしさが伝わりにくいのです。

この部分の見出しは「その一:対戦形式ではなくスコアアタック」です。

その記事の中に「スコアアタックでもスポーツとして成立している例はあるけどうんたらかんたら」という文章をねじ込んでいること自体構成としておかしいです。

これが次の見出しへのつなぎならば話はわかりますが、関係ない内容です。 「その四:観客が盛り上がれない」をこの直後に持ってくるのが記事の内容としては正しかったのではないでしょうか(スコアアタックな上に観客が盛り上がれないという見解は私の考えとも一致しているので残念です)。

この構成ではむしろ「自分が掲げた『理由』に相反する例を思いついてしまったけど取り下げるわけにも行かないので必死に言い訳している」ようにも見えます。

世界規模の音ゲーは存在する、あるいは「世界規模」の定義不足

ゲームセンターでは、格ゲーのほうが稼働が低く見えますが、世界規模で見た場合、音ゲーの方が圧倒的に人口が少ないです。 なぜなら世界規模の音ゲーが存在しないからです。

筆者は Dance Dance Revolution を知らないようです。

DDR は下手したら日本より北米のプレイヤーの方が多いのではないかというほど海外で知名度が高いタイトルです。 一説には体育の授業に使われているとか。 ほんとかよ。

DDR のフォロータイトルである Pump it Up はその筐体価格も相まって DDR を上回る勢いで世界進出を果たしています。

これらが世界規模に足らないというのなら、世界規模とはなんなのでしょうか。

見出しと関係ない話再び

また、アプリゲームで世界規模の音ゲーは存在しますが、アプリゲームでの音ゲーは、その操作性から難易度の限界があるので、フルスコアのランカーがゴロゴロいて競技にならないのです。

またも反例潰しです。 まあ先程のに比べると「これらはノーカン」と読めるのでまだマシですが。

理論値だらけのゲームだって競技にしようはある

また、アプリゲームで世界規模の音ゲーは存在しますが、アプリゲームでの音ゲーは、その操作性から難易度の限界があるので、フルスコアのランカーがゴロゴロいて競技にならないのです。

本当にそうでしょうか?

jubeat などは判定が厳しい音ゲーを好んでプレイするプレイヤーからは「理論値ゲー」など心無い揶揄が飛ばされるゲームではありますが、毎年 KAC で大会が開かれています。

また、DANCERUSH STARDOM はダンスガイド募集の要項に「理論値をとれた映像(要約)」があるほど理論値へのハードルが低いゲームですが、「ダンスゲーム」という側面を生かし、審査員による採点方式を組み合わせることで競技化を行いました。 ものは考えようということです。

音ゲーだってやろうと思えばコントローラ持参大会くらいできる

格ゲーや他のゲームはコントローラーを持ち込む事で普段のスキルを発揮することができますが、音ゲーの場合はそうすることができないのです。

家庭用タイトルはガン無視ですか?

確かにこれまで家庭用タイトルの大会はなかったように思いますが、やろうと思えば可能ですよね。

そもそも eSports の大会って家庭用のそれがゴロゴロいると思うのですが、なぜその事実を音ゲーに適応しないのでしょう。

ここでいう家庭用タイトルとは先に挙げた「アプリゲーム」のことではありません。 アーケードゲームの家庭用移植タイトルを含みます。

知識の乏しい私でも beatmania IIDX、SOUND VOLTEX、jubeat、REFLEC BEAT、太鼓の達人、GROOVE COASTER など多くのタイトルが移植されていることくらいは知っています。 これらを用いて大会を開く方法だってあるはずです。

洋楽が入っている音ゲーは存在する

プレイ人口が少ないにリンクするのですが、音ゲーは楽曲が邦楽ばかりです。

まあ、邦楽のほうが確かに多いですが、洋楽を入れているゲームもあります。 パッと思いつくのは DDR とダンスラですね。

知らない曲だからやらない、は間違い

世界で聴かれているのは洋楽です。 全世界でプレイされるようになるには洋楽を取り入れなければなりません。
しかしそうすると日本のプレー人口は減少します。 日本人はあまり洋楽を聴かないので・・・

この二つの文章は以下の前提のもとに書かれています。

「馴染みのない楽曲が多いゲームはプレイされない」

これが真であるとすると初期の音ゲーがオリジナルばかりだったこと、それが爆発的な人気を得ていまの音ゲー市場を形作ったことはどのように説明するのでしょうか。

私はむしろ音ゲーは「知らない曲に出会いに行く場」だとすら思っています。 聞いたことない曲だけど選曲画面のプレビューを聞いて思わず選曲してしまった、なんて経験は音ゲーをプレイしていれば誰しもあるのではないでしょうか。

プロ音ゲープレーヤーの現状

人の名前を間違えている

・DOLCEさん
ラウンドワン主催の『beatmaniaIIDX ROUND1 with DOLCE』という全国大会まで開催されるほどの知名度と実力の持ち主。
DJ DOLCE Official Site
DOLCEさんはコナミとの契約で、コナミの後方にも貢献していることから十分な契約料が払われていると思われます。

DOLCE.さんです。

人の名前(それがハンドルネームであっても)を間違えるのは大変失礼な行為です。 無論、日常会話(文字の話なので会話というのも変ですが)の中で省略したりすることは問題ないでしょうが、このページはあくまでも「記事」という体裁のはずです。

というか、4 回も引用してなぜ間違えられるのでしょう。

手打ちならばどこかで気づくでしょう。 コピペならわざわざ消さないと間違えられないのではないでしょうか。

関係のない自サイト記事の宣伝

しかしこちらのいろはにぽぺと所属のプロゲーマーさんは先日、無賃乗車により2名契約が解除となっています。 詳しくはこちらの記事で解説してます。 >>maimaiプロゲーマーが無賃乗車で契約解除!?常習性とその手口とは?

元記事を読めばわかるのですが、この部分本当にまったく前後と関係なくぶち込まれています

いろはにぽぺと所属プロゲーマーを列挙したあとなのでチャンスだとでも思ったのでしょうか。

所詮こういう記事を書く連中なんて PV とそれに伴う広告収入目当てのアレなのは百も承知ですが、開いた口がふさがりませんね。

まとめ

「金が出ないと競技ではない」ってなに?

全国大会自体は開催されているので、これをeスポーツと呼ぶのならeスポーツではあるんですけどね。 ただ、まともに賞金も出ていないゲーム大会を競技と言っていいのかはわかりません。 その競技一本で食べていけるプレーヤーがたくさん出てこない限り、競技として認められるのは難しいでしょう。

ごめんなさい、本当になにを言っているのか理解できません

理解できないのでなにを語ることもできませんが、とりあえず「競技」という単語、“sports”という単語、どちらにも賞金の有無はまったく定義に関係がありません

まさかこんなことをわざわざ書かないといけないとは思いませんよね。 私も驚いています。 ですからきっと表面上の意味以上のなにかがあるのでしょう。 おそらくこの一文には私などには思いも寄らない深遠なる意味が隠されているに違いありません。 しかしもっと地球人向けの文章を書いてほしかったですね。

おわりに

13 年ゲーセンで仕事しておいて(プロフィールより)これではちょっとダメでしょう。

アフィカスに期待するだけ無駄だとは思いますがせめてもうちょっと人を騙せる記事を書いてほしいと思いました。

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