蟹座15度
長いテーブルには、ビロードのクロスがかけられ豪華な食事が並んでいる。豪華な衣装に身を包んだ男女がテーブルを囲うように座っていた。その中でも最も目を引くのは、テーブルの真ん中に横たわる若い女の姿だった。
美しく化粧を施され、瞳は聡明な青で塗られ、唇には紅が引かれている。頬は桜色に上気している。静かに目を閉じているが、胸が微かに上下するのが見て取れる。絹糸のような髪は艶やな黒で、その黒さが、陶器のような肌を引き立てていた。純白のドレスのスカートはくるぶしまであり、胸元が大きくあいて、鐘のような袖から細くしなやな腕が見える。
ーなんとも美しい
ーなんて艶やかなのでしょう!
着飾った男女の言葉が聞こえていないかのように、女は静かに瞳を閉じている。
男のひとりが、女に手を伸ばそうとした。
ーお手を触れてはいけませんわ!
ーそうだったな。失敬、失敬。
ー”シェフ”のおでました!
”シェフ”と呼ばれた、コックコートと仮面の男がうやうやしくテーブルの前に移動した。右手に剣を携え、左手には高価そうなシャンパンボトルが握られていた。シャンパンボトルを掲げると、栓の部分を慣れた手つきで切り落とした。シャンパンが溢れてボトルをつたって床に落ちていく。”シェフ”はテーブルに横たわる女の腹部にシャンパンをふりかけた。泡が弾けて消えていった。濡れたドレスが腰に絡みついて、女の形がよりあらわになった。
”シェフ”は女の足元に絡みつくドレスの裾を左手で持ち上げ、剣で切りつけた。そのまま剣を納めた’”シェフ”はそのドレスの切り込みを引き裂いた。女の足から下腹部、胸までがあらわになった。周囲から歓声が上がった。
たわわな乳房の先端には固い蕾が見てとれた。”シェフ”はワインやシャンパンや食材やらで彼女の艶かしい肢体を飾り立てていった。
ワインをかけられて女の身体は艶を放っていた。まだ彼女は眠るように目を閉じたままで、されるがままにされていた。
ーメインディッシュでございます。
”シェフ”は女の両足を持ち上げてM字の形にした。女の秘部があらわになった。
着飾った男女の喝采を浴びながら、女の身体は被虐心に揺れていた。それでも眠るように目は閉じたまま、”シェフ”にされるがままにされていなければならなかった。呼吸は少しづつ荒くなる。
ームッシュー。どうぞ心ゆくまでお召し上がりください。
ーああ、ありがとう。
”シェフ”と別の若い男の声。テーブルに横たわる女にはこの声が誰のものかわかっていた。
ーああ、私の愛おしい人!
女は心の中で叫んだ。秘部が熱を帯びていくのがわかった。彼の唇が女の秘部に触れると、女の身体は電気が走ったようにはねた。舌をそわせ、敏感な突起を吸うと女は悲鳴をあげて絶頂を迎えた。
その様子を着飾った男女が眺めていた。