生まれ変わり(1300文字前後)
ロンスチィーが亡くなった。暴走した馬車に轢かれそうになった、男の子を助けて。僕は毎日のようにそれが夢に出てきて、この村には時間というものを日の明かりでしか体感できるものはなく、僕は後に時計というものを知るまでは、いつも広場の日時計というひどく曖昧なものでしか分からなかった。ロンスチィー、愛称はロン。ロンが亡くなってから、僕はあることをきっかけに、「神秘」という存在に気づくことになる。
白い息が出る、外の氷が張った季節。僕は目的もなく広場に来ていた。「へっくしゅん!!」くしゃみ