柳家三三 小田原落語会 初春公演
昨年9月にオープンした新・小田原市民会館「三の丸ホール」。ホールの杮落とし公演に相応しい、小田原出身の真打「柳家三三」さんの落語会に行ってきました。
チケット発売当日は、すっかりその時間のことを失念してしまい気がついたら完売。がっくり肩を落としていたのですが、追加販売の吉報を受け、発売日には5分前からウェブサイトの更新を繰り返し、なんとか1階席のチケットを確保できたので行ってまいりました。
生の落語を聞くのはほんと久しぶりだし、ホールでの落語は初めてだし、ちゃんと声聞こえるかしら?なんて心配になっていましたが、さすが最新の音響装置を備えた新しいホール。そんな心配なんて意味なし芳一ってくらいにはっきりくっきり落語を堪能できました。
前座の柳亭市好さんの「転失気」で大笑い。二ツ目の落語家さんとのことですが小気味のよい話口で、噺の世界にすっかり入り込んでしまいました。
そしてお目当ての柳家三三さん。小田原出身ということで勝手に親近感。で、調べてみると1つ下のようでほぼ同世代。ホールに入った1000人以上の観客を、座ったままで話すだけで大笑いさせるって、落語家さんにとっては当たり前かもだけど、本当にすごいことです。これまた当たり前だけど自分にはできないもの。
演目は「狸賽」。でもその前に枕?っていうんですか、噺に入る前の小話というか掴みの部分。これがまたおもしろい。ホールに入った観客全員の心を鷲掴みにしてからの落語。こちらもまた世界に引きずり込まれちゃいました。
そんでもってお次はゲストの講談師・神田伯山さん。生まれてはじめての講談はどんなものかな〜?なんて思っていましたが。いやはやこれがものすごい迫力!「安兵衛婿入り」という講談だったのですが、高座に座ったままでこれだけの迫力。うまく表現できなくて申し訳ないけど、赤穂浪士の一人である堀部安兵衛の婿入りまでのなんやかやを本人視点と外野視点で語られる一大スペクタクル。あっという間に時間が過ぎていました。次回はご本人曰く、(演者視点で)講談の良し悪しを決めるという一列目でガッツリ楽しませていただきたいと思いました。
休憩を挟んで長唄三味線のスクイーズ☆ハジキーズの演奏。スクなのかハジなのかは分かりませんが、鉄駒さんという方も小田原出身(それも我が家の近所にある高校卒)ということで、ぐっと親近感。演奏も素晴らしかったです(三三さん曰く、息が合っているだか合っていないんだか分からない掛け合いも楽しくてよかったです)。
最後にもう一度柳家三三さんの落語。演目は「二番煎じ」。こちらも笑いっぱなしの30分。途中、観客席でスマホが鳴ってしまうというハプニングがあったものの、こちらも笑いに変える機転の良さ。さすが真打の落語家さんですね。
小田原ではあまり機会のない落語公演。寄席が日常にある東京とか大阪が羨ましい限りですが、こうして滅多に聞くことができない生の演芸にふれることができた2022年。良いスタートになっています。