ラグーン
数年前、タイの海辺の町に数日滞在した。そこは囲む島々へ気軽に行ける楽園。
その島の中のひとつにラグーンがあった。
ラグーン。
なんて甘美な響きだろう。
到景を夢想した。
しかし、そこまでの道は予想に反して鬱蒼とし人気がなかった。でも止まない好奇心が歩みを進める。
そして見えてきたものは、
。。。沼?
更に間近へ行くにはロープをつたって小さな崖をくだらなければいけない。
ここまで来て行かない選択肢はなかった。
果たして、泥にまみれながら行き着いたそこは、何者か判らぬ獣臭に満ちた見紛うことのない沼だった。
長居は無用と頭の中で警鐘がなる。
帰り道はサンダルを脱ぎ、クライミング。
このまま滑落したら。。。
そんな不安がよぎった時に崖の上にカップルが現れた。
安堵。
を覚えたのも束の間。
その女性が必死な私に向かって尋ねた。
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