名付けのセンスからして不適切だと思う話
「不適切にもほどがある!」
こちらが今期の私的ベストドラマです。
今日は、認知症の母を介護する娘の立場から「老人ホーム」だとか「認知症グループホーム」のネーミングセンスが不適切、とまでは言わなくてももう少しセンスがあるものに変更できないかというご提案を試みましょう。
コンプライアンスが厳しい令和(2024年)とそうではなかった昭和(1986年)を舞台とするタイムスリップものであることから、両方の時代を知る者として、クスッときたり、あったあった!と懐かしくなったり、ハッとさせられることの多いこのドラマ。
宮藤官九郎さんの脚本を始めとして阿部サダヲさん演じる昭和のお父さん、一人二役の磯村勇斗さん等、キャストも演出、道具、Creepy Nutsの楽曲も全てが良くできている。
昭和の価値観 VS 令和の価値観といったバトルものでは決してないところも奥行きの深さを感じさせるし、詳しい考察や試聴後感想などは様々なSNSに各世代の皆さんがアップされているのでそちらにお任せするが、私はシンプルに、このドラマのテーマが次の3点に集約されると思っている。
時代に関係なく、普遍的なものって親子の愛でしょう。
時代に関係なく、あなたが若いように私も若かったし、私が歳をとったようにあなたも歳をとります。そしてその時その時の喜びと苦しみが誰にでもあります。
時代に関係なく、あなたとわたしの間にある、くっついたり離れたり、温かくなったり冷たくなったりする言葉にも表せず目にも見えない何かが私たちを生かしも殺しもするのでしょう。
さて、この概念を踏まえて、私は「養護老人ホーム」だとか「認知症グループホーム」だとかいう介護施設名のネーミングセンスを、あえてここで「不適切」と言わせていただきたいのです。
母は、持病や認知症を抱えてはいるものの、昔の記憶やら動作についてはしっかりしているし、人前での着替えやおならも恥じらう、乙女なおばあちゃんです。いくつになっても気持ちが若くて元気な高齢者の方はいるものです。
その母に、「老人ホーム」「認知症グループホーム」というネーミングはウケないんです。老人とか認知症とか看板に書いてある時点で拒否の対象です。
パティオガーデンホーム
とかどうでしょうか。ドラマの中でも「パティオ」はお洒落ワードとして取り上げられていました。
カメハメハウス
はどうでしょうか。亀仙人のように元気でファンキーな男性がいらっしゃるのでは。
ロイヤルサロンライフ
何でも横文字にして、介護施設感を誤魔化そうとしたってそうはいかない!と怒られそうですが、でもそういうことなんです。
名は体を表す、
言葉は心を表す、
「老人ホーム」って名付けてる時点でコンプライアンスどうなの?と私はドラマの山本耕史さんばりに叫びたい。
「新婚さんいらっしゃい!」と言われて嬉しくても「老人さんいらっしゃい!」と言われて「はいはーい🙋♀️」と行くわけないでしょう。
超高齢者社会で、お年寄りを支える介護者不足が大問題になっている中、高齢者側がワガママを言うな!というご意見や、もしかしたら「老人ホーム」なる名称は法で定められた看板につける決まり事ですといったご教示があるかもしれないのは承知の上で、昭和と令和が融合する私たちのこれから、考えてみてもおもしろいのではないでしょうか。
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