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いきなりピンポーン「来ちゃった♡」なんて漫画展開無理ゲー

わたしはサプライズが嫌いだ。

まず大前提として伝えたいのは、“サプライズ”と一括りに書いているけれど祝われるのも驚かされるということも嫌いではない。むしろ祝われることは嬉しいことである。ある特定の”サプライズ”が苦手なのだ。

誕生日を”祝われる”ということは好きだ。うん、好きだ。集まりに来れないと聞いていた仲の良い友人が”わたしを驚かせようと現れたり”するのも嫌いではない。むしろ嬉しい。

これらについて自分はうまく反応できているだろうかという一抹の不安は抱きつつも、やはり好きなのである。

だが、例えば恋人が”突然家に会いに来る”なんていうサプライズはどうにも苦手だ。いや、苦手ではなく嫌なのだ。

この理由について言葉で説明することの難しさをまず伝えたい。上手く説明できないかもしれないことも分かってほしい。前提として恋人のことが嫌いで家に入れたくないということではないのだ。恋人のことは断じて嫌いなのではない。

これには”準備”が大切なのである。

まず家という自分にとっての聖域空間で過ごしている時に刺激を与えられたくないのだ。連絡も無しにピンポーンとインターホンが鳴り、画面を見ると愛しい恋人が笑みを浮かべて「来ちゃった♡」という漫画のような展開が恐ろしく苦手なのだ。嫌なのだ。約束したいのだ。というか来るなら連絡してほしいのだ。バカボンのパパなのだ。

いざそんな瞬間がやって来たからには、部屋の真ん中をくるくると周り、この状況をどうすればいいのだろうと悩み彷徨うだろう。そもそも応答するかを迷うかもしれない。ああ…このひととはこれまでか、なんて最後へ向かう展開もチラつくかもしれない。まあ、でもこれは最後の最後の展開だけどね。

どうこの思いを説明すればいいのか。上手く書けた、伝えられたなんて微塵も思っていない。そもそもこんなことを書いているわたしは、思っていることを言葉にすることが得意な人間ではない。伝えたいことを伝えられないことの方が多い。

言葉にしたいけど上手くできない。この微細な感覚・思いをどうにか伝えられないか、分かってもらえないだろうか、そんなことを考えているただの女だ。サプライズが苦手な女の真っ直ぐなお気持ち表明である。

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ブルーダイバー
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